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バッテリ充電時間を3分の1以下にする“濃い”電解液を開発

〜東大・京大のグループ。電気自動車向け5V超の高電圧にも対応

研究成果のイメージ図
3月24日 発表

 東京大学大学院工学系研究科(山田裕貴助教、山田淳夫教授)、京都大学(袖山慶太郎特定研究員)、独立行政法人物質・材料研究機構(館山佳尚グループリーダー)は24日、リチウムイオン電池の急速充電、高電圧作動を可能にする新しい電解液を開発したと発表した。

 現状最も優れた二次電池であるリチウムイオン電池は、電解液の材料が20年以上ほぼ同一組成のものが用いられている。今回、研究グループは、既存の電解液にはない高速反応と高い分解耐性を持つ、高い濃度のリチウムイオンを含む電解液を開発した。

 これまで、超高濃度液体は電解液として適さないと信じられていたが、従来の4倍以上の濃度でリチウムイオンを含む液体が、必須であった溶媒のエチレンカーボネートを用いずにリチウムイオン電池電解液として作動することが分かった。これにより、20年以上固定されていた電解材料液の幅が広がり、耐電圧、反応速度、コストなど、必要とされる特性に合わせた電解液設計が可能となった。

 この特徴に着目して材料探索を行なった結果、「高濃度=反応が遅く電解液に適さない」という通説を覆し、リチウムイオン電池の充電時間を従来の3分の1以下に短縮できるようになる。また、この電解液は5V以上の電圧をかけても安定しており、電気自動車などへの応用も期待がかかる。

今回開発した新規な電解液(超高濃度電解液)の溶液構造。この超高濃度電解液は既存の電解液とは全く異なる特殊な液体構造を持つ

(若杉 紀彦)