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デスクトップPC市場を再創造するIntelの新戦略

〜アイドル時で10W以下を目指すReady Mode

IntelがデスクトップPC戦略でフォーカスする3つの分野
3月19日(現地時間) 発表

 米Intelは19日(現地時間)、デスクトップPCの市場復権を目指す新戦略を掲げた。

“デスクトップPCの再創造”の理由

 この戦略の背景は、直近の市場動向に基づいている。1つ目は2013年第4四半期の同社のデスクトップ向けプロセッサの出荷が前年比7%増となった点。2つ目は2013年通年でCore i5/i7の出荷が記録を更新したこと、そして3つ目は一体型デスクトップ市場の隆起で、2013年度のPC出荷台数のうち約43%をデスクトップが占めたことだ。

 そこで今回Intelは、具体的に3つ戦略を掲げ、デスクトップ市場の拡大に向けて注力していく。

 1つ目はフォームファクタ。今から10年前となる2004年、デスクトップPCと言えばタワー型が当たり前で、iMacのような一体型デスクトップ市場は小さかった。しかしこれが2009年の新しいiMacの登場で、一体型デスクトップは選択肢が増え存在を強めることとなった。そしてタッチパネルに最適化したWindows 8の普及により、2014年の現在では、HPの「ENVY Recline」とソニーの「VAIO Tap」に代表される変わった利用法が可能な一体型デスクトップPCが生まれた。さらにNUCを始めとする小型フォームファクタも多くなりつつある。

 そこでIntelは、一体型デスクトップPCでの技術革新を推進する。具体的には大型タブレットのようなリファレンスプラットフォームをOEMメーカーに提供し、新しいフォームファクタの利用を促す。このリファレンス機はタッチパネルの採用はもちろんのこと、「Intel RealSense Camera」による画像認識や、クアッドアレイマイクによる音声のノイズキャンセリング機能などを備え、より自然なUI(ナチュラルUI)で操作できるアプリケーションの開発も可能になっているという。

 また、多くのソフトウェアメーカーと協業し、マルチタッチを駆使した複数人で使うようなアプリケーションの開発にも注力していく。特に複数人が使う教育分野のアプリケーションとゲームでは、大画面とマルチタッチ技術が活かされるとした。

 その一方で同社がNUCフォームファクタで展開して行くような小型フォームファクタの推進も促す。小型PCはディスプレイがないが、フレキシビリティを活かして、Steamboxのようなゲーム機、飲食店でのカウンタ注文システムや、デジタルサイネージなどの分野で活躍できる。

フォームファクタの多様化
リファレンスデザインの提供で、ナチュラルUIを提唱
ソフトウェアベンダーとの協業
デスクトップPCの小型化
小型PCの用途

 戦略の2つ目はユーザー体験。今回発表されたのは技術的にはとてもシンプルで、デスクトップ向けCPUで「C7ステート」を有効にし、アプリケーションが動作できる「Ready Mode」と呼ばれるものを追加した。C7ステートはC6ステートと比較して低消費電力で駆動するが、Bay Trailなどで使われているS0xとは異なり、システム全体がアクティブ状態となっている。

 このC7ステート時で、システム全体で消費電力が10W以下になることを目指している。つまり、デスクトップPCで電源を切ることをしなくても済むようするのがC7ステート導入の目的である。今後はソフトウェアベンダーと協業し、C7ステートの状態で、いつでもポータブルデバイスとの写真の同期や、デスクトップPC内の共有ファイルのアクセスの実現を目指す。

C7ステートの実装
常時アクティブなのでさまざまな場所からできるようになる
サードパーティのアプリケーションと組み合わせて実現

 最後の3つ目の戦略は製品の革新で、詳細は別記事を参照されたいが、初のDDR4対応Core i7 Extreme Edition、BroadwellのLGA版、ヒートスプレッダとダイの接合を改善したDevil's Canyonの投入などによって実現する。

DDR4対応で8コアのCore i7 Extreme Editionを投入
第5世代CoreプロセッサはIris Pro Graphics搭載でLGAソケットで用意
Pentiumブランド20周年記念のアンロックモデル
TIMを改善した第4世代Coreプロセッサの投入

(劉 尭)