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ヤマハ、eVocaloid歌声合成やアコースティック音色に対応する音源LSI

NSX-1 YMW820
10月23日 発表

サンプル価格:2,000円

 ヤマハ株式会社は23日、歌声の合成やアコースティックサウンドに対応する音源LSI「NSX-1」(型番:YMW820)を発表した。同日より量産出荷を開始する。サンプル価格は2,000円。用途は玩具、ガジェット、スマートフォンなどを見込む。

 楽器のアーティキュレーションをモジュール化し、演奏に応じたパーツを自然に再合成することで、楽器音の微妙な変化を再現する独自技術「AEM」(Articulation Element Modeling)をもとに開発された音源「Real Acoustic Sound」を搭載。AEMは同社のフラッグシップグランドピアノ「CFX」の音をもとにした音色など、30種類をサポートする。

 歌声を合成できる専用音源「eVocaloid」に対応。VOCALOIDの処理を組み込みに適した形に変更し、歌声合成に必要なデータベース容量の削減、少ない処理量で合成する方式の採用により、低遅延で歌声を合成できるという。同社のVOCALOID「VY1」をもとに開発した「eVY1」を利用できる。

 Wavetable方式(General MIDI)もサポート。MIDIとReal Acoustic Soundを組み合わせたりできる。なお、Real Acoustic Soundと、eVocaloidは同時利用できず、事前にどちらの音源をプリインストールするか選択する必要がある。今後、ボイス数やeVocaloidの対応言語などの拡充を行なう予定としている。

 JavaScriptベースのライブラリをオープンソースで公開し、WebブラウザからMIDIを制御する「Web MIDI API」を利用して動作する。11月上旬にソースコード共有Webサービス「GitHub」と、サンプルアプリケーションを公開予定。ブラウザから送信した歌詞をMIDIキーボードの演奏によってリアルタイムでNSX-1に歌わせるものや、ブラウザのピアノロールエディタにメロディを入力して歌詞とともに送信してNSX-1に歌わせたり、マイクからの音声を音声認識でテキスト化してNSX-1に発声させるアプリケーションなどを予定している。

 最大同時発音数は64、ボイス数は、eVocaloid(eVY1)、Real Acoustic Sound×30種類、MIDI×128種類、ドラム1。エフェクタはリバーブ29種、コーラス24種、インサーション181種、マスターEQが5バンド。

 NSX-1を採用した個人向け製品も登場予定。スイッチサイエンスは、Arduino用インターフェイスとして「eVY1 SHIELD」を10月下旬発売予定。Arduinoにアドオンし、USBでスピーカーなどに接続して音源として使用できる。また、学研の「大人の科学」シリーズにて、eVocaloid搭載の製品が2014年春に発売予定。

(山田 幸治)