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富士通研究所、転送速度や仮想デスクトップを高速化する技術

~品質の悪い回線でのデータ転送をソフトウェアで改善

1月29日 発表

 株式会社富士通研究所は29日、品質の悪い回線でも高速なデータ通信を実現する新しいデータ転送方式を、ソフトウェアレベルで実装する技術を開発したことを発表した。

 昨今の標準的なプロトコルであるTCPではなく、ストリーム配信向きのUDPをベースとした技術。UDPはTCPよりも高速な通信が可能だが、パケットの欠損や順序の逆転などに対して補償をしないという特性を持っている。

 富士通研究所は、UDPの高速性の利点はそのままに、消失したパケットと相手先へ未達のパケットを高速に識別することで、無駄な再送による遅延を抑制する方法で高速化。これにより、日米間を想定した通信環境で、ファイル転送のスループットを30倍、仮想デスクトップの操作遅延を6分の1へと高速化したという。

本技術の効果

 また、TCPとの混在通信環境においても、ネットワークの空き帯域をリアルタイムに計測することで本技術の使用帯域を最適化するよう制御する技術や、何ら手を加えることなく既存のTCPアプリケーションの通信を本技術のプロトコルへ自動的に変換する機能も開発した。

 これらをソフトウェアで実装することで、品質の悪い回線においても専用ハードウェアを用いることなくモバイル通信環境へも適用できるほか、データ転送に限らずさまざまなTCPアプリケーションに適用できる点をメリットとして挙げている。

 本技術は、既存のTCPアプリケーションを変更することなく通信を高速化する通信ミドルウェアとして、2013年度中の実用化を目指している。

想定される利用シーンとその効果

(多和田 新也)