オンキヨーデジタルソリューションズ株式会社は、Windows 8を搭載するスレートPC 2機種を発売する。価格はオープンプライス。
同社がWindows 7の2010年から取り組んでいるスレートPCを進化させ、Windows 8搭載機として投入。21.5型の「TW21A-B36」シリーズ、11.6型の「TW3A-B36」シリーズが用意される。いずれもプロセッサに第3世代Core i7、10点マルチタッチの静電容量式ディスプレイを搭載する。
基本的には法人向けだが、直販サイト「オンキヨーダイレクト」にて個人でも購入できる。
●21.5型Windows 8搭載スレートPCTW21A-B36シリーズは、世界初のWindows 8とCore i7を搭載する21.5型スレートPC。主に業務用でのプレゼンテーションやデジタルサイネージ、業務端末システムなどを想定している。通常のデスクトップスタイルの角度のほか、スタンドを畳んで机と水平にして複数人での使用も想定。100mmピッチのVESAマウントにも対応する。さらに、本体にバッテリを搭載し、短時間であれば持ち運びで使ったり、停電時のUPS代わりに利用できる。本体上部には持ち運び用の取っ手を備えている。
TA21A-B36シリーズの特徴 |
デスクトップ用スタンド | 机と水平にした状態 | 取っ手にもなる浅い角度のスタンド |
受注は10月22日より開始し、11月上旬より順次出荷。スペックの違いで3モデルを用意する。
上位の「TW21A-B36C7」は、Core i7-3520M(2.90GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、SSD 128GBを搭載し、直販価格は154,800円。
中位の「TW21A-B36C5」は、Core i5-3210M(2.50GHz、同)、メモリ8GB、SSD 64GBを搭載し、直販価格は119,800円。
下位の「TW21A-B36E8」は、Celeron B830(1.80GHz、同)、メモリ4GB、SSD 64GBを搭載し、直販価格は99,800円。
そのほかの仕様はほぼ共通で、Intel HM76 Expressチップセット、1,920×1,080ドット表示対応21.5型ワイド液晶(10点マルチタッチ対応)、Windows 8 64bitを搭載。
インターフェイスはGigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、USB 3.0×1、USB 2.0×3、SDカード/メモリースティック対応スロット、HD対応Webカメラ、音声入出力などを備える。
バッテリ駆動時間は測定中。本体サイズは536.4×27×363.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約5kg。
ほぼ同仕様、価格で、OSにWindows 7 Home Premium(64bit)を搭載する「TW21A-A35」シリーズも用意する。
●11.6型の合体式Windows 8スレートPCTW3A-B36シリーズは、世界初のCore i7とWindows 8を搭載する11.6型スレートPC。Windows 8のタブレットはAtomが中心で、Core i5やCeleronがわずかに存在するが、Core i7は初めてだとしている。
TW3A-B36シリーズの特徴 |
ハードウェアは2種類で、OSがWindows 8、同Pro(ともに64bit)の計4モデルを用意。指紋センサーやFeliCaポート、TPMセキュリティチップなどを追加できる。
上位構成は、Core i7-3517U(1.90GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、SSD 128GB、Intel HM77 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応11.6型ワイド液晶(10点マルチタッチ対応)を搭載。直販価格は、Windows 8搭載の「TW3A-B36C79」が124,800円、Windows 8 Pro搭載の「TW3A-B36C79P」が129,800円。
下位はCPUをCeleron 887(1.50GHz、同)、SSDを64GBに変更。Windows 8搭載の「TW3A-B36E88」が89,800円、Windows 8 Pro搭載の「TW3A-B36E88P」が94,800円。
インターフェイスはUSB 3.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Mini HDMI出力、microSDカードスロット、前面130万画素/背面200万画素Webカメラ、音声入出力などを装備。3軸加速度センサー、照度センサーを内蔵する。
バッテリ駆動時間は測定中だが、7時間程度になる見込みとしている。本体サイズは300×198×14mm(同)、重量は約1kg。
ピュアタブレットの状態 | オプションのドッキング・キーボード | クラムシェルの状態でも使用可能 |
タブレット形状のほか、クラムシェルにできるドッキング・キーボードをオプションで用意。11月下旬より発売予定で、直販価格は10,000円。
日本語キーボード、タッチパッド、追加バッテリを内蔵するほか、インターフェイスにEthernet、USB 2.0×2、音声入出力などを備える。サイズは300×198×15mm(同)、重量は980g。
同仕様、同価格でWindows 7 Home PremiumまたはProfessionalを搭載する「TW3A-A36」シリーズも同時発売する。
●待機電力ゼロ対応のデスクトップまた、親会社のオンキヨーが韓国Moneual(モニュエル)と子会社「MONEUAL ONKYO LIFESTYLE Inc.」を設立し、オンキヨーデジタルソリューションズがデスクトップPCおよびインテリジェント家電を展開する。
デスクトップPCは「SONAMU PC」を11月下旬より発売。SONAMUは韓国語を「松の木」を意味し、二酸化炭素の吸収能力が高いことに倣っている。本体背面にPCの電源ON/OFFと連動するサービスコンセントを用意し、そこに繋いだ周辺機器(タップ含む)を一括でON/OFFできるほか、前面にスリープモード用ボタン「GREEN ボタン」、待機電力をゼロにする「ZERO スイッチ」を備える。プロセッサは第3世代Coreで、低消費電力版を採用する。
SONAMU PC | SONAMU PCの特徴 |
上位の「G100-J3770T」は、Core i7-3770T(2.50GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、HDD 1.5TB、Intel B75 Expressチップセット、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 7 Home Premium(64bit)を搭載。直販価格は79,800円。
下位の「G100-J3470J」は、CPUをCore i5-3470T(2.90GHz)、メモリ4GB、HDD 1TBに変更し、直販価格は64,800円。
本体サイズは135×420×380mm(同)、重量は約7.8kg。
このほか、ロボット掃除機なども投入する。
オンキヨーデジタルソリューションズ 菅正雄社長 |
オンキヨーデジタルソリューションズは22日に新製品の発表会を開催。代表取締役社長 菅正雄氏は、「オンキヨーとして2010年にスレートPCを投入し、マーケットが大きくなってきている。当時はWindows 7のスレートPCなんてどうなのか、という意見もあったが、ノートPCが小型化とバッテリ搭載による携帯性で大きなマーケットができたように、タッチ機能で大きなマーケットになると見込んでいる」とする。同社調べで、2012年度には250万台規模、2015年に1,000万台規模の市場になるとの予測を示した。
Windows 8およびAndroidは画面サイズにとらわれず、7型クラスから10型前後、15型前後、20型前後、大型パネルとシームレスにサイズが選択できる。同社のスレート戦略としては、今回はモバイル領域に11.6型、20型前後に21.5型フルHDの製品を投入することになったという。そこでも、Core i7搭載モデルを用意することで他社と差別化。Windows RTではなく、x86プロセッサでデスクトップアプリの資産を活かす方針で進めていくとした。
オンキヨーデジタルソリューションズによるスレート市場予測 | 今回は11.6型、21.5型の2機種を投入 |
(2012年 10月 22日)
[Reported by 山田 幸治]