パナソニックは26日、「Let'snote AX2」の製品発表会を開催した。
同社のAVCネットワークス社ITプロダクツビジネスユニットの原田秀昭ビジネスユニット長は、「ミニノートを除く、12.9型以下のポータブルPC市場は毎年堅実に成長しており、2012年には127万8,000台の市場規模となると予測されている。他方、タブレット市場も急増しており、2012年には前年の1.5倍となる525万台の市場規模となると見られ、特にWindows 8の発売でさらに市場拡大が見込まれている」とLet'snoteを取り巻く市場環境を説明した。
Let'snote自身は2002年登場の第1世代から、ユーザーの声を取り入れて性能が強化され、軽量、長時間駆動というコンセプトに加え、頑丈、高性能、さらに洗練を加え、現在第4世代となっている。
モバイルパソコンの市場動向 | Let'snoteシリーズの世代別商品コンセプト |
Let'snoteシリーズの特徴 | 原田英昭氏 |
新製品は第4世代製品の第二弾。Let'snoteの基本コンセプトは変えずに、11型コンバーチブルPCとして世界最軽量の1.14kg、Ultrabookとして初めてのホットスワップバッテリを採用した製品となった。
通常のノートPCとタッチパネルPCのコンバーチブルというコンセプトは、多様化するユーザーからのニーズに応え、「文書を作る」、「負荷の高い仕事に使う」といったノートPCならではのクリエイティビティと、「文書を見る」、「負荷の低い作業に使う」といったビューワに適したタブレットの良いところどりを行なうために実現した。
AX2シリーズでの新提案 | ユーザーの声を受けてハイブリットモバイルへ |
AX2の商品コンセプト | 星野央行氏 |
11型コンバーチブルタイプで世界最軽量の1.14kgを実現した背景としては、ヒンジ部分にはシンプルな構造で頑丈なリングノートスタイルの2軸ヒンジを、タッチパネルには0.5mmの薄型強化ガラスを採用したことで軽量化につなげた。
Let'snoteの特徴であり、加圧性能を実現する要素の1つであった筐体のボンネット部分は「新ボンネット構造」を採用。タブレット時のPCの厚みを薄くするためボンネットの高さを薄くする必要があり、0.5mmと過去最薄を実現。同時に強度を維持するためにボンネット裏側のカーブがついている部分を階段状にすることで強度を保った。
キーボードの下のトップキャビ部分はLet'snoteでは初めてマグネシウムとアルミニウムの複合素材を採用することで、頑丈でありながら、さらなる薄型を実現した。
「パナソニックが培ってきたものをベースに、さらなる軽量、堅牢性の維持を実現できるような機能開発を行なったことで軽量、堅牢を実現した」(パナソニック株式会社AVCネットワークス社ITプロダクツビジネスユニットテクノロジーセンターハード設計第1チーム主任技師星野央行氏)。
新製品でもLet'snoteを生産する神戸工場で行なわれている76cmの動作落下、100kgfの加圧振動、自由落下試験など各種の耐久試験を通過している。
Ultrabookでありながら長時間駆動を実現するため、6.5時間駆動の本体バッテリパックに加えて、約3時間駆動の内蔵バッテリ、さらに6.5時間駆動の予備バッテリを同梱。ホットスワップによって最長16時間の連続使用を可能とした。
また、ハイブリッドモバイルをサポートするため、キーボードとタッチパネルを手動で切り替えるホールドボタンを搭載し、誤作動が最小限に済むように配慮している。
インターフェイスとしてはLAN、外部ディスプレイ出力、USB 3.0ポート2機などを搭載し、「外部アダプタを利用することなく、インターフェイスが利用できる」ことを強みとしている。
会見には、「Windows 8搭載のPCとして国内で最初の記者発表会」ということで日本マイクロソフトの代表執行役社長の樋口泰行氏、「Let'snoteにおける長年の協力関係」ということでインテルの宗像義恵副社長も登場し、新製品発表に祝辞を送った。
左から日本マイクロソフト樋口泰行社長、パナソニック原田ビジネスユニット長、インテル宗像義恵副社長 | 樋口泰行氏 | 宗像義恵氏 |
●宣伝キャラクターに松田翔太さんを起用し、アクション映画さながらのCMも展開
今回、パナソニックでは俳優の松田翔太さんを起用したLet'snote AX2シリーズの宣伝を展開する。
「AXシリーズはノートPCとタブレットを同時に使えるハイブリッドタイプの新製品で、Let'snoteの歴史上なかったような強力な宣伝を展開することを計画している。Let'snoteの場合、6割が法人ユーザーで4割がコンシューマユーザーだが、若い世代の皆さんにもLet'snoteの良さを知ってもらいたい。タフ&クリエイティブを体現出来るキャラクターは松田翔太さんしかない、ということで松田さんを起用して宣伝展開を行なう」(原田英昭氏)。
8月にタイで撮影されたCMは、松田さんがAXシリーズを手に、誰かに追われて逃げているビジネスパーソンという設定。ヘリコプターに追いかけられ、列車の上の疾走、水辺の疾走などアクション映画さながらの展開をこなしながら、AXシリーズのタフさを伝えていく内容となっている。
実際にヘリコプターは頭上2mくらいのところまで飛んだそうで、松田さん本人も「後ろを振り返ってという設定なので、後ろを見てヘリが間近にあるので驚いた」そうだ。一方、列車の上や市場の中を走るシーンは、「普段できないことをやることができるので、本当に楽しく出来ました」と笑顔で話していた。
実際にLet'snoteを落とすシーンもあり、「本当に落として、という指示だったけど、最初は本当に落としても大丈夫なのかとドキドキしました。実際に落としても問題なく動き出したのでビックリしましたね」とそのタフさを実感することもあったようだ。
「是非、製品を手にして、ノートPCとタブレットの2通りで使える点を駆使して、革新ある生活を送って下さい」と笑顔で締めくくった。
松田翔太さん | 原田ビジネスユニット長としっかり握手する松田さん |
(2012年 9月 26日)
[Reported by 三浦 優子]