デル株式会社は、最厚部で18mmの13.3型Ultrabook「XPS 13」を発売した。
最薄部で約6mm、最厚部で18mm、重量は1.36kgと薄型軽量を実現したUltrabook。ディスプレイにはCorningの「Gorilla Glass」を採用し、強度を高めることで、11型クラスの筐体に13型のワイド液晶を搭載した。またSSDを採用し、Intelの「Rapid Start」および「Smart Connect Technology」の採用により、スリープ状態からの復帰を高速化した。
「スタンダード パッケージ」は、CPUにCore i5-2467M(1.60GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB(最大4GB)、Intel QS67 Expressチップセット、128GB SSD、1,366×768ドット表示対応13.3型ワイド光沢液晶ディスプレイ、OSにWindows 7 Home Premium(64bit/SP1)などを搭載し、価格は89,980円。
「プレミアム パッケージ」は、上記からSSDを256GBに強化し、価格は109,800円。
「プラチナ パッケージ」は、プレミアムからCPUをCore i7-2637M(1.70GHz、ビデオ機能内蔵)に強化し、価格は129,980円。
それぞれにOffice Home and Business 2010をプリインストールしたモデルの差額はプラス2万円。
そのほかの仕様はほぼ共通で、インターフェイスはUSB 3.0×1、USB 2.0×1、Mini DisplayPort、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 3.0+HS、130万画素Webカメラ、ヘッドフォン出力などを備える。
バッテリは6セルリチウムイオンで、駆動時間は約8.18~8.88時間。本体サイズは316×205×18mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.36kg。
最薄部で約6mm、最厚部でも約18mm | 開いた状態と閉じた状態 | 日本エイサーのAS1830zとの厚み比較 |
底面はカーボンファイバーを採用 | サービスタグなどはXPSのプレートの裏側にある | キーボードはバックライトを搭載 |
天板はMacBook Airと同様アルミ素材を採用 | 電源をつけなくてもバッテリ残量を確認できるインジケータを装備 |
●XPS 13の投入でXPSシリーズを刷新
XPS 13をアピールする原田洋次氏 |
同日に都内で開かれた製品発表会では、同社 マーケティング本部 統括本部長の原田洋次氏が挨拶。デルのマーケティング体制について、2012年2月より変更したことを紹介し、「従来は従業員500名以上の企業と公共機関、そして従業員500名未満と個人のお客様という2つのカテゴリに分けていたが、今後は従業員500名以上の企業、従業員500名未満の企業、公共機関、そして個人のお客様という4つのカテゴリに分け、1つのマーケティング本部で統括。より効率性の高い組織作りで、ソリューションをユーザーに届けることを目指す」とした。
その中で、個人向けにおいては、ユーザーのニーズに応えるために、3ストップのソリューションを提供していく。1つ目はオンライン/電話/店頭、BTO/即納モデル、キャンペーンなど、さまざまな選択肢を提供する「購入ステップ」。2つ目はさまざまなユーセージに対応する製品群、豊富な着せ替えカバー、品質テストの提供による「所有ステップ」、そして3つ目は電話サポートや出張修理による「利用ステップ」。これらの3つのステップにおいて、デルならではの、ユーザーが選択可能な多様なソリューションを提供していくとした。
個人向けの製品群としては、スタンダードな「Inspiron」シリーズをはじめ、プレミアムラインに属する「XPS」、ゲーミング向けの「Alienware」という3つのラインナップを提供している。デルとしてはこれまで、2010年にミス・ユニバース・ジャパンとのコラボや、Streak Man Project、Tokyo Coorde*Note、XPS 14z発売イベント、Alienware Arena in アイ・カフェなど、さまざまマーケティング活動を行ない、認知度の向上を図ってきた。また、FacebookやTwitter、Yahoo!知恵袋などのソーシャルメディア活用によるマーケティングについても強化してきた。
そして今回のXPS 13の投入で、プレミアムラインナップに位置づけられているXPSブランドを刷新するという。これまでは高性能や質感にフォーカスしてきた同ブランドだが、今後のコンセプトは「薄型」になるとし、その第1弾が今回のUltrabook「XPS 13」であるとした。
マーケティングを4つのグループに細分化 | 3ステップのソリューション | 個人向けのラインナップ |
これまでのマーケティング活動 | ソーシャルメディアを通したマーケティング | XPS 13の利用シーン |
秋島健一氏 |
新製品の特徴について、同社マーケティング本部 コンシュマー&SMBブランドチームマネージャーの秋島健一氏が紹介。XPS 13は、4つの“驚き”をユーザーに提供できると説明した。
1つ目は「驚くほどスマートでエレガントなボディ」であるという。天板は、高級感があり、指紋や傷がつきにくいアルミを採用。一方底面はカーボンファイバーを採用し、耐久性と軽量化を両立させた。キーボードについても、バックライトを内蔵し、暗所でも操作できるようにした。最薄部は6mm、重量は1.36kgと薄型軽量で、Ultrabookの特徴と魅力を引き出しているとした。
2つ目は「驚くほどコンパクトでありながら、頑丈な大画面」。液晶面にCorningのGorilla Glassを採用することで、画面のたわみを解消し、挟額縁のフレームを実現。それによって、13型のMacBook Airと比較してフットプリントを約14%削減しながら、11型のMacBook Airと比較して画面サイズを24%向上させたという。
3つ目は「驚くほどスピーディーな起動」。合言葉は「1、4、8」。すなわち、「1秒でスリープモードから復帰」、「4秒で休止状態から復帰」、「8秒で電源OFF状態から起動」を指す。これらに加えて、Intel Wireless & Smart Connect Technology」を採用することで、スリープモード中でもメールやスケジュール更新を自動的に行なえるようになり、開いてすぐにメールやスケジュールがチェックできる環境を実現した。
4つ目は「驚くほどのサポート」で、24時間/365日対応する「プレミアム電話サポート」を標準で提供する。日本国内でトレーニングを受けたオペレータが対応し、本体に加えて、OSやOfficeの使い方などまでもサポートするという。また、翌営業日訪問修理も行なうとした。
インターフェイスは、USB 3.0、USB 2.0、Mini DisplayPort、ヘッドフォン出力など、必要最小限のものに絞ったが、背面にインターフェイスを設けていない。これによって壁にフィットするような置き方が可能になったとした。また、バッテリ駆動時間についても8時間以上あるとし、バッテリ状態を気にせず使えるとした。
XPSは個人向けブランドであるものの、個人のみならず、外出が多く携帯性と耐久性を重視する法人のニーズにも応えられるとし、OSにWindows 7 ProfessionalやUltimateの選択肢も加えた。さらに、法人向け出荷の場合、プロサポートや翌営業日訪問修理サービスも提供するとした。
XPS 13が提供する4つの“驚き” | スマートでエレガントばボディ | コンパクトでありながら、丈夫な大画面 |
スピーディーな起動 | サポート | インターフェイス一覧] |
個人のみならず、法人ニーズにも応えられる製品 | Windows 7 Professional/Ultimateの提供 |
横塚知子氏 |
XPS 13のプロモーションについて、同社 マーケティング本部 コンシューマー マーケティングコミュニケーションマネージャー 横塚知子氏は「『発売記念キャンペーン』を通じた製品の“認知”、『XPS×13人の匠特集』による“商品理解”、そして『XPS 13×13人の匠商品コラボイベント』による『体験』という、3つのフェーズに分けてプロモーション展開していくとした。
発売記念キャンペーンでは、3月13日から4月30日までの間に特設サイトを設け、FerrariとCOLNAGOのコラボ自転車が当たるキャンペーンを実施。名前、メールアドレス、キーワード(XPS)を入力するだけで、世界限定200台の自転車「CF8」(約180万円相当)が1名、「CF9」(約40万円相当)が3名に当たる。自転車を採用した理由は「XPS 13の底面と同じカーボンでできているため」という。
XPS×13人の匠特集は、3月26日よりマイナビで、伝統文化を受け継ぐ13人の匠とのコラボレーション記事を展開。XPS 13の利用シーンなどを紹介し、製品への理解を深めてもらうとした。
そして、4月20日~4月30日までの間、新宿マルイ本館にて、13人の匠の商品に加えて、XPS 13を展示し、タッチアンドトライイベントを実施。来場者1名には抽選でXPS 13が当たるという。
発売記念キャンペーンの概要 | FerrariとCOLNAGOとのコラボの自転車「CF9」 | CF8の仕様や特徴 |
CF8を直営秋葉原店で展示 | オンラインメディア記事配信による訴求 | コラボイベントも実施 |
発表会には、インテル株式会社 マーケティング本部 本部長の山本専氏もゲストとして登壇し、XPS 13発売へ祝辞を寄せるとともに、Ultrabookは世界中のユーザーの声を反映し、最新のテクノロジーを投入して実現したものであること、Ultrabookのマーケティングにおいて日本がもっとも注力されている市場であることを紹介。また今後ともデルと引き続き協力し、より魅力的な製品を継続して投入していきたい意向を示した。
山本専氏 | ユーザーが求めるコンピューティング | Ultrabookの特徴 |
Ultrabookの今後 | Ultrabookの認知度拡大に向けたマーケティング活動 | 引き続きデルとの協業をしていく |
(2012年 3月 13日)
[Reported by 劉 尭]