日本マイクロソフト、大学生が新入学生にPCを買ってもらうマーケティングコンテスト開催

Windowsマーケティングコンテストロゴ画面

2月27日 開催



 日本マイクロソフト株式会社は2月27日、新大学入学生にPCの購入を促すためのプランを競うマーケティングコンテスト「Windowsマーケティングコンテスト」を開催した。

 このコンテストは、日本マイクロソフトが進めている大学生向けマーケティング活動の一環として実施された。コンテストの企画や実施は、日本マイクロソフトのスタッフではなく、2011年10月、大学生自身がWindows市場を活性化することを目的として誕生したチーム「Windows Ambassador」によって行なわれた。

Windows Ambassador リーダー 堀内陽介氏(慶應義塾大学大学院 理工学部研究科 修士2年)

 「Windows Ambassadorは、学生がやる、学生にしかわからないマーケティング行なう役割を担っている。Windowsは気がつかないうち触れていて、意識しない存在でもある。Windowsの魅力を改めて大学生に理解してもらい、知らなかった人にもWindowsの良さを知ってもらう。コンテストもその一環で、日本マイクロソフトの学生支援を体現するために、通常のビジネスコンテストとは異なる、実践に移すことを意識したマーケティング案を出してもらった。それを通して改めて大学生にWindowsを知ってもらうことを目的としていた。どのようなアウトプット、インプットができるかわからない状態からスタートしたが、上がってきたプランを見た社員の人からは『すごくレベルの高いアイデアが集まっている』と評価してもらった。参加者にとっても、アンバサダーにとってもいい機会になったと考えている」(Windows Ambassador リーダー 堀内陽介氏、慶應義塾大学大学院 理工学部研究科 修士2年)。

 今回のコンテストは、大学への新入学生を対象に、Windows PC購入を促すマーケティング企画を提案するものとなっている。

Windows Ambassador 次期リーダー 社翼氏(早稲田大学 国際教養学部 第3学年)

 「コンテストへの参加は、1月19日からSNSを使って告知。当初は参加チーム30の予定だったが、予想を上回る57チームの応募があった。内容は、現実的なマーケティングプランとして、予算や収益まで算出してもらう。実際に45チームから第1次資料を提出してもらい、日本マイクロソフト社員からメンタリングを行なってもらった。最終的には24チームが残り、うち8チームが決勝に進んだ。本日午前中の予選を経て4チームが決勝に残った」(Windows Ambassador 次期リーダー 社翼氏、早稲田大学 国際教養学部 第3学年)。

 決勝に残ったのは、「チーム92」、「チームCPP」、「チームMSH」、「チームB.I.S.」の4チーム。

 チーム92は、「20年後のわたしを実現するために、Windows 7 PCを活用する」をコンセプトに、大学生に人気がある7つの職業を挙げ、7つの職業に近づくためのルートを「7dreams」として設定。実際にその職業にいる先輩が象徴として登場し、その職業に就くまでにとった方法などを紹介する。

 さらにそこに近づくまでにWindowsのアプリケーションなどを学ぶeラーニングサイト「Way to Dream」への参加サイトを1万円で販売する。敢えて有料サイトで学習することで、利用者が本気で学び、向上する意識をつける。Windowsを活用することが、自分が就きたい職業に就く最適な方法となることを訴えかける作戦だ。


チーム92のメンバー新入学生に「20年後のわたし」を実現するためにWindows7 PCを使ってもらうというチーム92のコンセプト

 チームCPPは、1人暮らしをする新入学生をターゲットに、多くの利用者が訪れる不動産屋を新しい販売チャネルとして着目。月額利用料として賃貸料と共に徴収することで、新入学生が家電店等を訪れる手間なく、PCを手に入れることができる戦略を提唱した。最初に抱え込むことで、Windows PCユーザーを増やしていく作戦だ。

チームCPPのメンバーチームCPPのコンセプトは1人暮らしをする新入学生が必ず足を運ぶ不動産店を活用し、月額費用を支払ってもらうことで新入生を囲い込み、Macと対抗するプラン

 チームMSHは、データから1人暮らしをする学生に比べ、実家にいる学生のPC購入率が低いことに着目。すでに家庭内にPCがあることなどから購入に結びつかない場合が多いが、大学生にとって自分専用のPCは必須であることを親に訴える。

 さらに学生に対しては、大学内の必要な情報を入手できるサービス「My Best Windows」を通して、自分と同じ大学、学部の先輩がどんなPCを使っているのかを紹介し、自分に適したWindows PC選びに結びつける。

チームMSHのメンバーチームMSHは自分と同じPCや同じ学部の先輩と結びつけ、必要な履修科目などの情報を得られるサイト「Your Best Windows」を提案

 チームB.I.S.はWindowsのオンラインサービスの認知がまだ低いことに着目。Facebook、Twitter、mixiなどの外部ソーシャルメディアからSkyDriveのようなWindowsで提供しているサービスまで一貫して利用できるクラウドサービス「Windows World」を提供し、自然な流れでクラウドサービスの利用を推進できる仕掛けを作る。

チームB.I.S.のメンバーチームB.I.S.はさまざまなオンラインサービスにシングルサインオンし、Windowsのクラウドサービスを自然に利用するクラウドサービス「Windows World」を提案

 4チームがプレゼンテーションを行なった結果、最優秀賞を獲得したのはチームMSH。日本マイクロソフト執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長大場章弘氏は、「チームMSHのプランは、具体性があり、明確だった。例えばソーシャルとの関わりなど、つながりによるマーケティング、具体的に実装していくプランが明確だった。マーケティングプランで重要な競合との差別化。競合優位性も明確に入っていた。頑張りポイントは収益性のところ、もう1つ、ターゲットが明確な反面、限定的なターゲットになる。初期ターゲット、その後、スケールしてくるというプランが入ってくるとより具体的なものとなるだろう」と講評した。

 チームMSHは、立教大学 経営学部3年の山口亮氏、明治大学国際日本学部3年の新田健人氏がメンバー。2人の出身高校である武蔵高校からとってMSHというチーム名となったのだという。

 「朝、4時までマクドナルドでガシガシ案を考えた甲斐があった」と喜びを語った。ちなみに、マクドナルドでいじっていたのはWindows PCではなくMacだったそうで、審査員は苦笑いとなったが、「逆にだからこそ、Windows PCの良さが実感できたような気がする」ということだった。

 優秀賞には、「広告投資をしないマーケティングプランといえるのが新規チャネルの活用。その新規チャネルへのトライという点を評価した」(日本マイクロソフト パブリックセクター業務執行役員分教祖リーション本部・中川哲本部長)という点が評価され、チームCPPが選ばれた。

 Windows Digital Life Consortium(WDLC)のメンバーが選ぶWDLC賞には、「一番大事な消費者の共感性をどう伝えるのかという視点を持っていた」(WDLC事務局長・勝俣喜一朗氏 日本マイクロソフト 業務執行役員OEM統括本部マーケティング本部長)という点が評価され、チーム92が選ばれた。

審査員からの質疑応答風景Windows Digital Life Consortium(WDLC)賞を発表するWDLC事務局長で日本マイクロソフト 業務執行役員 OEM統括本部 マーケティング本部長・勝俣 喜一朗氏WDLC賞を獲得したチーム92
優秀賞を発表する日本マイクロソフト パブリックセクター 業務執行役員 文教ソリューション本部 本部長 中川哲氏優秀賞を授与されるチームCPP優秀賞を発表する日本マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム 統括本部長 大場 章弘 氏
最優秀賞を授与されるチームMSH賞を獲得した3チーム日本マイクロソフトの大場執行役、中川本部長を加えて受賞の3チームメンバー

(2012年 2月 28日)

[Reported by 三浦 優子]