ターボシステムズ株式会社は2日、Atom E600番台向けのAndroidボード・サポート・パッケージ(BSP)の無償提供を開始した。
BSPとは、プロセッサを特定のOSで動かすために必要なソフトウェアを取りそろえたライブラリ。BSPは無償提供するが、イノテック製Atom E600搭載モジュール「TX-70」の直販も行なう。
Atom E600番台は2年前に発表された組み込み向けのCPUで、ビデオ機能とメモリコントローラを内蔵し、I/O Hubとの接続にはPCI Expressを採用しているため、Intel以外の独自I/O Hubなども容易に接続できる。また、組み込み向けであるため、7年間の長期供給が保証されているほか、通常のAtomよりも広範囲な温度環境で動作可能となっている。
IA+Androidという組み合わせの採用について、同社では、PCで培われたIAプラットフォームの高機能性や、Androidにおいて、無償でさまざまなアプリや機能、センサーなどを使うためのAPIが用意されており、機能実装の低コスト化が可能なこと、そしてそれらによる短期開発が可能なことを挙げている。
OSは安定性を重視し、Android 2.3を採用するが、インテルが公式サポートを行なえば、Android 4.0への対応も図る予定があるという。なお、ユーザーコミュニティにおいては、最新のSandy Bridge向けにAndroid 4.0の移植も行なわれているが、ターボシステムズのソリューションは、インテルの正式なサポートのもと開発されている。
性能については、まだ最適化を行なっている最中だが、高速な3Dグラフィックス表示が可能。また、H.264のフルHD再生も可能となる予定。用途としては、車載インフォテインメント、IPメディアフォン、スマートグリッド機器、ゲーム、デジタルサイネージなどを想定している。
Atom E600とAndroidの強み | 開発用のTX70+I/Oボード | OpenGLアプリが高速動作 |
高解像度写真もスムーズに表示できる | FeliCaリーダでSuicaを読み取って、購入履歴や、Google Mapsを使った経路の確認なども極簡単なコーディングで実装できる |
(2012年 2月 2日)
[Reported by 若杉 紀彦]