NECとレノボ、合弁会社6月設立を正式発表
〜両社のブランドを維持、国内合計シェアは26%に

会見終了後、壇上で写真撮影に応じる両社首脳陣

1月27日 発表



 NECとレノボは、1月27日、合弁会社を設立すると発表した。

PC事業連携のスキーム

 2011年6月を目標に、NEC・レノボ・ジャパングループを発足。レノボが51%、NECが49%を出資する合弁会社「Lenovo NEC Holdings B.V.」を設立。登記上の本社はオランダとし、本社機能は東京とする。

 また、合弁会社の傘下に100%子会社として、現NECパーソナルプロダクツのPC事業を分離して設立するNECパーソナルコンピュータ株式会社と、レノボ・ジャパン株式会社が入る。

 合弁会社の会長には、レノボ・ジャパンのロードリック・ラピン氏が、社長には、NECパーソナルプロダクツの高須英世社長がそれぞれ就任する。

 また、NEC・レノボ・ジャパングループの発足にあわせて、レノボが新規に発行する1億7,500万ドル相当の株式をNECが引き受ける。

 1月27日午後7時10分から、都内のホテルで行なわれた会見で、NECの遠藤信博社長は、「両社の開発連携による製品力強化、スケールメリットを活かした競争力強化、NECのビジネスPCの海外展開拡大が可能になる。また、事業連携領域のさらなる拡大にも踏み出す」とした。

 また、レノボグループのヤン・ユアンチンCEOは、「レノボとNECは、完璧な組み合わせである。レノボは日本においてイノベーションで長い伝統を持ち、強いパフォーマンスを実現してきた。こうした経験と適切な戦略によって、日本市場に引き続きコミットしていく。両社の合計シェアは26%ととなり、世界3大市場のうち、2つの市場でトップシェアになる」などとした。

 合弁会社設立後も、両社は国内PC事業において、NECブランド、レノボブランドの製品を投入。顧客サポート、製品供給、製品保証などのPC関連業務を継続するとしている。

 企業向けのNECブランド製品については、合弁会社に移行せずにNECが継続的に販売し、従来からのサポート体制などを継続するほか、Andorid端末のLifeTouchブランド製品などもNECが直接、開発、販売することになる。

 また、両社では、NECの製品開発力や、レノボの調達力などの両社の強みを結集し、日本のユーザーが求める製品を開発していくとしている。

 今回の戦略的提携をもとに、NECとレノボは、グローバルに事業展開する日本企業を対象としたPC販売体制拡大で協議することで合意。タブレット端末などの開発、生産、販売に関する協力、サーバーなどのITプラットフォーム製品の販売協力などの提携領域を模索していくという。


●記者会見詳報
NECの遠藤信博社長

 会見で、NECの遠藤社長は、「NECにとって大きな広がりを与える提携である。グローバルのPCマーケットで第4位というレノボの力と、長い間、国内市場ナンバーワンを維持し続けているNECとの戦略的提携により、大きな強い力となって、マーケットポテンシャルを築き上げることができる」と前置きし、開発連携による製品力強化では、NECが持つAV・ネットワーク連携、エコ技術、セキュリティ技術といった国内ユーザーのニーズを満たす高付加価値技術と、レノボの大和研究所を基盤としたThinkPadに代表される革新性や、レノボが持つ指紋センサーやセキュリティ対策といった堅牢性および信頼性に関する技術とのシナジーが可能になり、新たな製品および技術の創出を実現できるとしたほか、スケールメリットを生かした価格競争力強化では、NECの企画・開発、品質の強みに加えて、ワールドワイドのスケールメリットを生かた調達が可能になるとして、収益性の改善と、国内市場における圧倒的なナンバーワンシェアを目指すことができるとした。

開発連携による製品の強化 スケールメリットを活かした価格競争力の強化 NECのビジネスPCのワールドワイドの展開
ブランドとサポートの継続 事業連携によるさらなる拡大

 2010年第3四半期における世界シェアでは、ヒューレット・パッカードが17.8%、エイサーが13.1%、デルが12.6%となっており、NEC・レノボ連合は11.2%と4位になる。

 さらに、ビジネスPCの海外展開では、約22,000社にのぼる日系企業の現地法人を中心とした海外販売拡大を計画しており、コストパフォーマンスの高い製品の提供とともに、レノボのメンテナンス体制を含めた活用が可能になるなどとした。

 また、遠藤社長は、「今回の提携は、まずは国内PC市場における協業が中心となり、これを成功させることが最初の一歩となるが、今後、さまざまな提携の可能性を持ったものであり、それに向けて協議を進めていきたい」などとした。

ヤン・ユアンチンCEO

 一方、レノボグループのヤン・ユアンチンCEOは、「NECは世界初の液晶ディスプレイ搭載のノートPCを開発し、業界の最先端を歩んできた企業。そうした企業と提携できることは大変喜ばしい。レノボは中国でナンバーワンシェアを持ち、今回の提携によって、日本でもトップシェアを獲得することになる。先進国では、守りの戦略をとり、新興国では攻めの戦略をとっているのがレノボのやり方。日本ではThinkPadのブランドを守りながら、過去6四半期に渡って、業界最速の成長を遂げ、7四半期でシェアを倍増させている。今回の協業によって、日本におけるマーケットリーダーとしてのポジションが強固なものになる。当社は5年前に、IBMのPC事業を統合し、それを成功裏に進めてきた実績がある。中でも、日本で18年前に誕生し、6,000万台の販売実績を持つThinkPadは、日本でデザイン、設計され、世界中の人々から尊敬されている製品となっている。レノボは世界160カ国で展開しているが、日本は特別な市場であり、この市場に対して献身的に取り組んでいく姿勢が浸透している」などとした。


グローバル展開のレノボ 日本に対する適切な戦略 日本でのレノボの強み
NECパーソナルプロダクツの高須英世社長

 2011年6月に設立する合弁会社「Lenovo NEC Holdings B.V.」の社長と、新たに設立するNECパーソナルコンピュータ株式会社の社長を務める高須英世氏は、「今回の提携は、とても大きな力とエネルギーをもらったと考えている。グローバルPCカンパニーであるレノボには、NECが持っていない調達力、開発力がある。こうした力を最大限に活用して、いままで以上に顧客ニーズに合致した魅力ある製品を、NECブランドのPCとして開発できることにワクワクしている。日本のPCマーケットにおいて、圧倒的ナンバーワンシェアの獲得を目指す」とした。

 新会社には、NECパーソナルプロダクツから約1,500人の社員が異動することになるという。


レノボ・ジャパンのロードリック・ラピン氏

 また、合弁会社の会長と、レノボ・ジャパンの社長を務めるロードリック・ラピン氏は、「今日の発表は、何カ月にも渡る作業の集大成である。レノボは、日本で卓越したテクノロジーリーダーを目指す。NECが持つ国内市場の深い知識、高いサービス水準、秀逸な製品デザインを持っている。レノボは、世界市場に対する広い販売網、革新的な製品、スピーディーな事業体質を持っている。これを組み合わせることで、ユーザーに対して魅力的な製品を、より競争力のある価格で提供できることになる。NECとレノボの長所を生かしたコーポレートアイデンティティの構築にも取り組みたい。お客様に安心して製品を購入してもらい、パートナーに積極的に取引してもらえる会社を目指したい」などとした。

NECとレノボの組み合わせ

 生産拠点および販売ルートについては、「短期的に現状を維持することになるが、長期的にはより効率の高い形にしていく必要があるだろう。だが具体的なプランがあるわけではない」(ヤンCEO)とした。

 また、提携の話し合いについては、約1年前から進めてきたというが、遠藤社長は、「どちらから話があったというわけではなく、自然に持ち上がった」としたほか、「今回の合弁会社は、NECがPC事業を譲渡したとかいうものではなく、イコールパートナーという形で推進するものである。ブランド名や開発、生産、販売スキールも残す。お互いのいいところを最大限生かして、最高の製品を提供することができるようになる。将来的に、NECのPC事業を、レノボに100%譲渡するといった話は一切ない」(遠藤社長)とした。


(2011年 1月 28日)

[Reported by 大河原 克行]