アップルは16日、先日発表された新型の「Mac mini」に関する説明会を開催した。
市場全体に対するアップルのノート型コンピュータ成長率の比 |
アップルというと、最近ではiPodやiPhone、iPadといったデバイスの方が話題に上り、人気も博しているが、Macも堅調に推移しているという。ノート型では、この1~3月の間で市場全体の5倍の成長率を記録し、直近の4月、5月では新しいMacBookおよびMacBook Proを出したことで、その勢いは10~11倍にまで伸びているという。
その背景には、やはりiPodなどでアップル製品になじんだユーザーが、コンピュータでも同社製品を使いたいと感じ、移行し始めているという要因があるのだが、Mac miniは主にそういった初めてMacを購入するユーザーを対象としている。
Mac miniは登場から5年が経つが、今回、筐体に大幅な変更が加えられた。大枠での形状は、四隅が丸みを帯びた薄い直方体という点で共通だが、最近のMacBookシリーズで取り入れられたアルミ製ユニボディを初めて採用した。ユニボディは削り出しで成形された筐体で、継ぎ目がないのが特徴。また、底面に回すだけで取り外せるフタが設けられ、ユーザーがメモリの変更/増設を行なえるようになった。
本体サイズも従来の165.1×165.1×50.8mm(幅×奥行き×高さ)から、197×197×36mmへと変更。薄くはなっているものの、設置面積が大きくなったのは、1つには電源ユニットを内蔵したため。ただし、従来の外付けの電源ユニットと旧Mac miniの合計の設置面積よりは2割ほど小さくなっているほか、電源はケーブル1本が伸びているだけなので、設置や取り回しは楽になっているとしている。
性能面も同社がアピールする点で、最大で2倍に高速化された。CPUは同じCore 2 Duoでクロックも大きくは変わっていないが、チップセットがGeForce 9400MからGeForce 320Mになったことで、主にグラフィック面の性能が改善され、ある程度の3Dゲームもこなせる。
HDMIとMini DisplayPortで2画面出力が可能に |
インターフェイス面では、HDMI出力とSDカードスロットを新搭載。ディスプレイ出力はMini DisplayPortも踏襲しており、HDMIと合わせて2画面出力が可能。SDカードスロットは、デザインを優先させ、他のポート類と同じ本体背面に備えられている。この点について同社は、Mac miniは小型なので、背面であってもあまり無理をせずアクセスできるとしている。SDカードはSDXCにまで対応する。
省電力設計も、大きな特徴の1つで、同社では世界でもっともエネルギー効率が高いデスクトップコンピュータを標榜している。アイドル時の消費電力は従来比25%減の10W未満。ENERGY STAR 5.0にも準拠するほか、有害物質も徹底して排除している。ファンの騒音レベルも14dBと、一般的な録音スタジオの20dBよりも低い。
会場には実機が用意されていたので、以下に写真で紹介する。製品の詳細な仕様については、関連記事を参照されたい。
(2010年 6月 16日)
[Reported by 若杉 紀彦]