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Microsoft、Tesla P100を8基搭載したAI向けGPUアクセラレータ「HGX-1」

HGX-1

 米Microsoftは8日(現地時間)、人工知能(AI)向けのハイパースケールGPUアクセラレータ「HGX-1」を発表した。

 これは同社がOpen Compute Project(OCP)の一環として提唱している「Project Olympus」と称する次世代クラウド向けのオープンソースなハードウェアデザインの1つとして発表されたもの。

 Project Olympusは、オープンソースの概念を取り入れ、ハードウェア設計をダウンロード/変更/フォークできるようにし、コミュニティが貢献できるようにするというもの。リファレンスデザインを共有することで、エンタープライズが同じ設計のハードを簡単に購入してデータセンターに展開できるというビジョンを掲げている。

 HGX-1はAIクラウドコンピューティングのためのGPUアクセラレータ。設計はMicrosoft、NVIDIA、Foxconn子会社のIngrasysが共同で行なっており、Pascalアーキテクチャを採用した「Tesla P100」を8基搭載し、各GPU間はNVLinkで接続される。HGX-1自体も4つリンクさせることができるため、32基のP100を相互に接続できるとしている。

 NVIDIAでは、HGX-1は高度なモジュラー設計により、作業負荷に関係なく最適なパフォーマンスを実現するとしており、旧来のCPUベースのサーバーと比較して、最大100倍のディープラーニング性能を謳う。また学習コストは5分の1、推論コストは10分の1に削減できるとしている。NVIDIAのリリース内では、HGX-1をマザーボードのATXのようなAI導入における業界標準となるものと位置付けている。

HGX-1の実機