ニュース

スマホで有毒ガス検知。日米のチームが開発

スマートフォンとNFCタグを用いた有毒ガスセンサー

 国立研究開発法人物質・材料研究機構とマサチューセッツ工科大学の共同研究グループは7日、有毒ガスに曝されると導電性が大きく上昇するセンサー材料を開発。NFCタグの電子回路内に組み込むことで、低濃度の有毒ガスを短時間に検知できることを実証したと発表した。

 我々が有毒ガスに曝されるリスクは、火山ガスなどの自然現象や漏洩事故のほかに、テロによる可能性も増してきている。同研究チームは、分子が弱い相互作用で連結した超分子ポリマーと呼ばれる高分子を用いて、カーボンナノチューブ(CNT)表面を被覆し、求電子性の有毒ガスに曝されると、導電性が最大3,000%上昇するセンサー材料を開発した。

 CNTは本来、電気が流れやすいが、超分子ポリマーが絶縁皮膜の役割を果たし、電気を流れにくくする。一方、超分子ポリマーの弱い連結部位は、有毒ガスに曝されると選択的に切断されるように設計してあるため、CNTの導電性が元に戻る。導電性の変化量は、有毒ガスの濃度と被爆時間に比例し、市販の抵抗計で簡単に検知できる。

 この材料をSuicaなどでも利用されている市販のNFCタグの電子回路中に組み込むことで、スマートフォンで読み取り可能な有毒ガスセンサーを実現した。このスマートフォンを毒ガスに「かざし」、NFCタグと通信できるかどうかを調べることで、有毒ガスの有無を簡単に判定できる。センサーは使い捨てだが、今回開発した材料1gで400万個のセンサーが作成でき、安価に大量供給できるという。