やじうまミニレビュー
3.5インチベイにカードリーダを収めてスッキリしよう
(2015/10/17 06:00)
デジカメの画像データの取り込みで欠かせないのがカードリーダだ。一般的なデジカメはUSB端子を備えていて、ケーブルも付属しているので、PCと直接繋いでデータ転送を行なうことも可能だが、スマートではないし、何より転送速度が遅い。特に複数枚取り入れる場合、SDカードやCFをカードリーダ経由で読むのが最も手っ取り早い。
そんなわけで、取材などで写真撮影の機会が多い筆者は長年、自作PCにおいてUSB 3.0接続の外付けのカードリーダを用いて写真の転送をしていたのだが、最近自作PCのパーツの入れ替え(Z87環境からX99環境)を行なうタイミングで、カードリーダを一新して内蔵化しようと考えた。
旧外付けタイプは実用上、性能に問題はないが、筆者はフルタワーケースを床置きで使っていることも関係で、付属しているケーブルの長さだと机の上まで引き伸ばせず、天板ファンの排気口の上にカードリーダを置くことになる。もう1つ、microSDとSDカードは排他仕様なのも気になっていて、例えばSDカードに保存したデジカメの写真をmicroSDカードに移してスマートフォンで見る、と言った時にちょっと面倒だったりする。
そんなわけでいろいろ調べていったところ、リンクスインターナショナルから発売している「SFD-321F/T81UEJR」という製品が、ニーズにピッタリであった。3.5インチベイ内蔵で、内部はUSB 3.0でPCと接続する。Realtekの「RTS5301」を搭載しており、SDカードのUHS-I転送では最大104MB/sec、CFカードのUDMA転送では最大133MB/secに対応。性能を欲張らなければ、この製品で十分だ。
スロットはSDカード/MMC、CF Type I/IIまたはMicrodrive、microSDカード、メモリースティック/メモリースティック デュオの4つ。さすがにxD-Picture Cardはないのだが、現時点で困ることはないだろう。そして何より4スロット同時に利用可能なので、相互コピーができるのはポイントが高い。
“おまけ”の機能だが、余ったUSB 3.0を前面に引き出してくれるポートを1基装備する。そして、SATAから引き出すeSATAポートも1基備えている。まあ、eSATAに関しては今時珍しいし、電源は別途用意しなければならないので実用度は低いが、USB 3.0ポートを1基増設できるのはありがたい。
本体にはオン/オフボタンを備えており、カードリーダ部の電源を制御できる。これはリーダの再認識や、意図的にドライブ自体を隠すのに使えるという。Windows 7以降、カードリーダのスロットにカードが挿入されていなければ、自動的にドライブのアイコンを隠す機能が搭載されているので、このボタンにお世話になることはない。しかし、外付けならケーブルを外せば良い対応を、内蔵で行なうのは面倒なので、ボタンとして実装した、という意味合いが強いだろう。
ちなみにリンクスインターナショナルは製造元を公開していないが、本体のラベルを見ると韓国SEMAの「SFD-321F T81UEB」がベースとなっていることが分かる。そもそもSEMAって何の会社だ? と思われるかも知れないが、2005年にSamsungのFDD製造部門からスピンオフして設立された会社である。現在ではさすがにFDDを製造しておらず、NASや外付けHDD、ルーターなどの「STORYLINK」ブランドを手掛けているようだ。