やじうまミニレビュー

3.5インチベイにカードリーダを収めてスッキリしよう

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
FD-321F/T81UEJR

 デジカメの画像データの取り込みで欠かせないのがカードリーダだ。一般的なデジカメはUSB端子を備えていて、ケーブルも付属しているので、PCと直接繋いでデータ転送を行なうことも可能だが、スマートではないし、何より転送速度が遅い。特に複数枚取り入れる場合、SDカードやCFをカードリーダ経由で読むのが最も手っ取り早い。

 そんなわけで、取材などで写真撮影の機会が多い筆者は長年、自作PCにおいてUSB 3.0接続の外付けのカードリーダを用いて写真の転送をしていたのだが、最近自作PCのパーツの入れ替え(Z87環境からX99環境)を行なうタイミングで、カードリーダを一新して内蔵化しようと考えた。

 旧外付けタイプは実用上、性能に問題はないが、筆者はフルタワーケースを床置きで使っていることも関係で、付属しているケーブルの長さだと机の上まで引き伸ばせず、天板ファンの排気口の上にカードリーダを置くことになる。もう1つ、microSDとSDカードは排他仕様なのも気になっていて、例えばSDカードに保存したデジカメの写真をmicroSDカードに移してスマートフォンで見る、と言った時にちょっと面倒だったりする。

 そんなわけでいろいろ調べていったところ、リンクスインターナショナルから発売している「SFD-321F/T81UEJR」という製品が、ニーズにピッタリであった。3.5インチベイ内蔵で、内部はUSB 3.0でPCと接続する。Realtekの「RTS5301」を搭載しており、SDカードのUHS-I転送では最大104MB/sec、CFカードのUDMA転送では最大133MB/secに対応。性能を欲張らなければ、この製品で十分だ。

 スロットはSDカード/MMC、CF Type I/IIまたはMicrodrive、microSDカード、メモリースティック/メモリースティック デュオの4つ。さすがにxD-Picture Cardはないのだが、現時点で困ることはないだろう。そして何より4スロット同時に利用可能なので、相互コピーができるのはポイントが高い。

 “おまけ”の機能だが、余ったUSB 3.0を前面に引き出してくれるポートを1基装備する。そして、SATAから引き出すeSATAポートも1基備えている。まあ、eSATAに関しては今時珍しいし、電源は別途用意しなければならないので実用度は低いが、USB 3.0ポートを1基増設できるのはありがたい。

 本体にはオン/オフボタンを備えており、カードリーダ部の電源を制御できる。これはリーダの再認識や、意図的にドライブ自体を隠すのに使えるという。Windows 7以降、カードリーダのスロットにカードが挿入されていなければ、自動的にドライブのアイコンを隠す機能が搭載されているので、このボタンにお世話になることはない。しかし、外付けならケーブルを外せば良い対応を、内蔵で行なうのは面倒なので、ボタンとして実装した、という意味合いが強いだろう。

 ちなみにリンクスインターナショナルは製造元を公開していないが、本体のラベルを見ると韓国SEMAの「SFD-321F T81UEB」がベースとなっていることが分かる。そもそもSEMAって何の会社だ? と思われるかも知れないが、2005年にSamsungのFDD製造部門からスピンオフして設立された会社である。現在ではさすがにFDDを製造しておらず、NASや外付けHDD、ルーターなどの「STORYLINK」ブランドを手掛けているようだ。

SFD-321F/T81UEJRのパッケージ
背面には仕様が書かれている
SFD-321F/T81UEJR本体
USBケーブルおよびSATAケーブルは予め装着されており、バンドで留められている
前面。スロットはSDカード/MMC、CF Type I/IIまたはMicrodrive、microSDカード、メモリースティック/メモリースティック デュオの4つ
右側にはUSB 3.0のパスするーと、SATAパススルーによるeSATAポートを備える
左側には電源ボタンを備え、カードリーダ機能のオン/オフが可能
カバーを外したところ。実装部品は少なくシンプルだ。電源ボタンSDカードスロット、microSDカードスロット、USB 3.0ポートを装備
底面は主要コントローラチップ「RTS5301」に加え、CFカードスロットとメモリースティックスロットを装備
基板の表裏にカードスロットを2基ずつ備える
RTS5301のアップ
ラベルのアップ。SEMA製で、www.samsungfdd.co.krのURLも
Amazon.co.jpで購入

(劉 尭)