■西川和久の不定期コラム■
アイ・オー・データ機器は10月10日、IPSパネルを採用した2,560×1,440ドット表示対応27型液晶ディスプレイを「LCD-MF271CGBR」発表。10月下旬より発売を開始する。4系統の入力にスピーカーも装備する高機能な1台だ。実機が編集部から送られて来たので試用レポートをお届けする。
●27型IPSパネル2,560×1,440ドットで4系統入力現在同社の27型液晶ディスプレイは、「LCD-MF271CGBR」、「LCD-MF274XVBR」、「LCD-MF274XBR」の3種類がある。後半2つは解像度が1,920×1,080ドットのフルHD機で非IPSパネルだ。それに対し、今回紹介するLCD-MF271CGBRは、解像度が2,560×1,440ドットで、IPSパネルを採用、加えて4系統入力を持つ最上位モデルとなる。主な仕様は以下の通り。
最大解像度 | 2,560×1,440ドット |
画面サイズ | 27型(光沢/IPS/LEDバックライト) |
視野角 | 上下/左右とも178度 |
応答速度 | 8.6ms(中間色。オーバードライブ最大時4.3ms) |
輝度 | 420cd/平方m |
コントラスト比 | 1,000:1 |
入力端子 | ミニD-Sub15ピン、デュアルリンクDVI-D、HDMI、DisplayPort、ステレオミニジャック(入力/出力) |
スピーカー | 2W+2W |
色調整 | 9,300K/7,200K/6,500K/ユーザー |
最大消費電力 | 119W(通常使用時60.7W/待機時0.4W) |
高さ調整 | 無し |
チルト | 上20度、下5度 |
スイベル | 無し |
ピボット機能 | 無し |
サイズ/重量 | 644×240×453mm(幅×奥行き×高さ)/8.4kg |
店頭予想価格 | 49,800円前後 |
画面サイズは27型でIPSパネルを採用。視野角が上下/左右とも178度と広いのが特徴だ。光沢タイプなので映り込みはあるものの、発色が良く、見栄えする。輝度は高く420cd/平方m。コントラストは1,000:1。反応速度は8.6msだ。
映像入力はミニD-Sub15ピン、デュアルリンクDVI-D、HDMI、DisplayPortと全部揃っているので、何を接続するにも困る事は無い。音声入出力も1基ずつ搭載し(出力はヘッドフォン用)、2W+2Wのスピーカーを内蔵している。
色調整は9,300K/7,200K/6,500K/ユーザーの4パターン。6,500K(sRGBに近似)が工場出荷状態だ。その他の調整は後半のOSDの写真を参考にして欲しいが、必要な項目は全て揃っている。
チルトは上20度、下5度に対応しているものの、高さ調整/スイベル/ピボット/ケーブルマネージメントには非対応。設置する場所や使い方にもよるだろうが、とりあえずチルトで上下の角度さえ変えれれば、一般的には問題にならないだろう。電源は本体内蔵型。LEDバックライトだが最大消費電力は119Wとやや高めで、通常使用時60.7W、待機時0.4Wとなる。
本体サイズと重量は644×240×453mm(同)/8.4kg。27型なのでそれなりの大きさ、重さだが、今回評価するにあたって設置したところ、特別大きいとか重いとか感じることは無かった。
店頭予想価格は49,800円前後。これだけの解像度のものが5万円切るとはお買い得ではないだろうか。
視野角は斜めからの写真と正面からの写真を比較して欲しいが、IPSならではの広さだ。これだけ広ければ快適に作業できる。輝度は写真の状態で80%。100%にすると眩し過ぎるほどだ。発色やコントラストも良く、色温度6,500KでほぼsRGBとなる。厳密にカラーマネージメントが必要なプロ以外は十分なレベルだろう。
デザインは全体的に光沢のあるブラックでまとめられ設置場所を選ばない。パネルのフチは上と左右が約2cm、下だけ約3.5cm。裏には100mmピッチのVESAマウントを備える。
ケーブルに関しては、電源、DisplayPort、DVI-D、オーディオケーブル用のみが付属。ミニD-Sub15ピンもしくはHDMIケーブルで接続する場合は、別途用意する必要がある。
右下にはOSD関連のボタンが4つと電源ボタンが配置されている。下から上へ押すタイプなので慣れないと押しにくいが、比較的軽めなので、操作自体は楽にできる。一通り触ったところ、これと言って弱点は無く、うまくまとめられた液晶ディスプレイだと感じた。
●項目が豊富なOSDで扱い易い高解像度ディスプレイOSDは、[1]と[2]ボタンを使って表示/設定、[↓]、[↑]ボタンで選択となる。メインメニューは、映像設定/入力切替/オーディオ調整/色調整/画面情報/マニュアル画面調整/メニュー設定の7項目。
それぞれ映像設定:輝度/コントラスト/ECO/オーバードライブ、入力切替:VGA/DVI/HDMI/DisplayPort、オーディオ調整:音量/ミュート/音声入力、色温度:9,300K/7,200K/6,500K/ユーザー、画面情報:水平周波数/垂直周波数/解像度/ドットクロック/モデル名、マニュアル画面調整:自動電源オフ/水平・垂直位置/サイズ・微調整/シャープネス/アスペクト比、メニュー設定:OSD設定/言語/リセットが用意されている。
【11月2日訂正】記事初出時、OSDでしか音量調節ができないとしておりましたが、これは誤りで、▽ボタンを押すと調節できます(△は輝度)。お詫びして訂正します。
映像設定 | 入力切替 | オーディオ調整 |
色調整 | 色調整/ユーザー | 画面情報 |
マニュアル画面調整 | マニュアル画面調整/アスペクト比 | メニュー設定 |
今回の試用では、ThinkPad X201iにドッキングステーションを付け、そのDisplayPortから接続した。この場合、最高解像度の2,560×1,440ドットでの表示となっているが、ミニD-Sub15ピンとHDMIは、2,560×1,440ドットには対応しておらず拡大表示となる(デュアルリンクDVI-Dは対応)。
サウンドもDisplayPort経由で送られるので、ケーブル1本で内蔵スピーカーを鳴らすことができる。音質は平均的だが出力は十分あり、音楽や動画を楽しめる。
筆者が普段使っているディスプレイの解像度は1,920×1,200ドット。さすがにその差は圧倒的で、フルHDの動画が窓表示可能だ。5万円未満のIPSパネルでこの環境が手に入るのはポイントが高い。
ThinkPad X201i/ドッキングステーションののDisplayPortに接続。2,560×1,440ドットでの表示 | 音量ミキサー。DisplayPortの音声出力から「LCD-MF271CGBR」の内蔵スピーカーに出力可能 | デバイスマネージャー。汎用PnPディスプレイになっている |
以上のようにLCD-MF271CGBRは、IPSパネルを採用した27型2,560×1,440ドットの液晶ディスプレイだ。DisplayPort、ミニD-Sub15ピン、DVI-D、HDMIの4系統入力に加え、2W+2Wのスピーカーを内蔵しているのも魅力的。光沢パネルなので非光沢パネルが好きなユーザーから見ると残念な部分であるものの、その分写真も動画も映り栄えがする。そして5万円を切る価格が一番の魅力だと言えるだろう。