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レノボ・ジャパン「YOGA 3 Pro」

~Core M採用で薄型軽量化を実現

レノボ・ジャパン「YOGA 3 Pro」

 レノボ・ジャパンは、液晶部が360度開閉し、タブレットスタイルやテントスタイルなど4種類の形状で利用できる2-in-1モバイル“YOGA”シリーズの最新モデル「YOGA 3 Pro」を発表した。Intelの最新超省電力プロセッサ「Core M」や、新型ヒンジの採用などにより、従来までのYOGAスタイルを継承しつつ大幅な薄型軽量化を実現している。

 今回、実機を試用する機会を得たので、ハード面を中心に紹介する。発売は11月28日を予定しており、価格はオープンプライス、税別店頭予想価格は210,500円前後。

従来よりも大幅に薄く軽くなった

 レノボ・ジャパンの“YOGA”シリーズは、液晶部が360度開閉する独自構造のヒンジを採用し、クラムシェル、スタンド、テント、タブレットと4種類のスタイルで利用できるという、これまでにない新たなジャンルを作り上げた画期的な2-in-1モバイルだ。その最新モデルとなるのが、今回登場した「YOGA 3 Pro」だ。YOGAシリーズの3代目となる本機では、さまざまな面で仕様が強化されている。

 まず、最も大きな変更点となるのが筐体形状だ。従来モデルでは、本体サイズが330×220×15.5mm(幅×奥行き×高さ)だったのに対し、YOGA 3 Proでは330×228×12.8mm(同)と、高さが2.7mm薄くなった。従来モデルも2-in-1モバイルとして十分な薄さを実現していたが、そこからさらに2.7mmの薄型化を実現したのは、かなりの進化と言っていいだろう。奥行きが8mm増えているものの、フットプリントは大きく変わっておらず、際立って薄いと感じられる。

 薄さだけでなく重量も大幅に軽くなった。従来モデルは重量が公称で約1.39kgだったのに対し、YOGA 3 Proは公称で約1.19kgと、200gも軽くなった。13.3型液晶搭載で1kgを切る軽さのノートPCも存在するため、圧倒的に軽いというわけではない。それでも、従来モデルを手にした時にやや重いと感じていた印象はほぼ払拭されたと言える。なお、実測での重量は1,173gと、公称よりもわずかに軽かった。

 筐体素材は従来同様マグネシウム合金で、液晶表面のガラスにはCorning製の強化ガラス「Gorilla Glass 3」を採用。堅牢性に関する数字は公表されていないが、従来モデルと同レベルの堅牢性を実現しているという。ただ、液晶部をひねると少々たわみが発生し、堅牢性に関しては従来よりもやや低下しているように感じる。それでも本体側のたわみはかなり少なく、液晶を閉じて持ち運ぶ場合にはそれほど不安はなさそうだ。

液晶を180度以上開き、キーボード面を下にして利用する“スタンド”スタイル
液晶と本体の端を下にして立てて使う“テント”スタイル
液晶を360度開いた“タブレット”スタイル
天板部分。フットプリントは330×228mm(幅×奥行き)と従来よりも8mm奥行きが増えた
本体正面。高さは12.8mmと従来より2.7mmも薄くなった
左側面。前方が薄く後方がわずかに厚い、くさび型のデザインとなっている
後方には独特のヒンジが見える
右側面
裏面。筐体素材はマグネシウム合金で、液晶表面にGorilla Glass 3を採用し十分な堅牢性も確保
重量は実測で1,173gと、公称よりもわずかに軽かった

新構造のヒンジを採用しスムーズな開閉を実現

 YOGA 3 Proのもう1つの進化がヒンジ構造だ。従来までは、2本の回転軸を備える板状のヒンジを採用することで、液晶部の360度開閉構造を実現していた。それに対しYOGA 3 Proでは、「ウォッチバンドヒンジ」と呼ばれる、これまでにない新しい構造のヒンジを採用している。

 通常、ノートPCの液晶ヒンジは、回転軸が本体内に存在している。これは従来のYOGAシリーズでも同様で、本体側と液晶部それぞれに回転軸を内蔵している。それに対しYOGA 3 Proのウォッチバンドヒンジでは、回転軸が全て本体後方の外部に位置している。しかも、回転軸は4本もある。この特殊なヒンジが6本取り付けられ、ヒンジの間には回転軸を覆う板状のカバーが交互に取り付けられている。見た目は、ウォッチバンドヒンジという名前のとおり腕時計の金属バンドに近く、非常に目を惹く存在となっている。

 見た目の斬新さだけでなく、ヒンジの性能も非常に優れている。まず、液晶を開閉して感じるのが、これまでになくスムーズに開閉できる点だ。従来は、180度までは液晶側の回転軸が回転し、180度を超えると本体側の回転軸が回転するという構造だったこともあって、大きく開閉する場合にどうしてもアクションが変わる瞬間が発生し、手にかかる抵抗が変化してしまう。しかし、YOGA 3 Proのヒンジでは4本の回転軸全てが常に一定の割合で回転し、360度ワンアクションで動作する。そのため、どの角度でもスムーズで気持ちよく開閉できるのだ。しかも、液晶部の中央や端など、どこを持って開閉しても均一の力で動き、左右の開閉バランスが崩れることもない。

 また、どの角度でもほとんどぐらつきがない点も特筆すべき部分だ。従来のヒンジでは、特に180度以上開いた場合にぐらつく場面もあったが、YOGA 3 Proではどの角度でもしっかり液晶部が保持される。クラムシェルスタイルでキーボード入力する場合でも、多少粗めにキーを叩いても液晶がぐらつくことはない。

 そして、この特殊な構造のヒンジによって、液晶と本体が完全に水平に開く。液晶を180度開いた状態でヒンジはほぼ水平の板状となり、液晶部から本体部までが1枚の板のような状態となる。この点も、これまでにない特徴だ。

 ところで、ヒンジ部は本体色にかかわらずシルバーとなる。そのため、本体色によってはヒンジ部がかなり目立ってしまう。おそらく、わざと目立たせる意図もあると思われるが、可能なら本体色に応じてヒンジのカラーもユーザーが選択できるようになると、デザインの魅力がより高まるのではないだろうか。

YOGA 3 Proは、本体外部に4本の回転軸を持つ特殊な構造の「ウォッチバンドヒンジ」を採用している
金属の編み目になっている部分がヒンジで、ヒンジの間は腕時計の金属バンドのように板で回転軸が覆われている
ヒンジは全部で6個取り付けられている
回転軸は常に均一の割合で回転しスムーズに開閉できる。どの角度でもぐらつきがほとんどない点も大きな特徴だ
このように、本体と液晶をほぼ水平に開くことも可能だ
液晶を360度開いた状態。ヒンジのある後方にはわずかにすき間ができる

「YOGA Harmony」でスタイル変更の利便性が向上

 YOGA 3 Proでは、スタイルを変更した場合の利便性を高めるために、「YOGA Harmony」というアプリが新たに用意された。

 YOGA Harmonyは常駐して動作しており、スタイルの変更やアプリの利用状況などを監視し、統計を取っている。そして、スタイルを変更すると画面右上に現在のスタイルをポップアップ表示するとともに、そのポップアップをクリックまたはタップするとランチャーが起動し、そのスタイルでよく利用するアプリが一覧表示され、簡単に起動できるようになる。スタイルの変更は、特定のアプリを利用するなど目的を持って行なう場合が多く、この機能は大きく利便性を高めてくれると感じる。

 また、特定のアプリを起動した場合には、液晶画面の表示モードやタッチパネルの動作、電源設定などを自動的に変更する機能も用意。例えば、プレゼンテーションアプリを起動した場合にはタッチパネルの動作を有効にしたり、電子書籍アプリを起動した場合には紙に近い色合いを再現する画面表示モードに変更するといったことが自動的に行なわれる。この機能設定はユーザーが自由に変更できるのも便利だ。

「YOGA Harmony」アプリを標準搭載。スタイルを変更すると、画面右上に現在のスタイルについてポップアップが表示される
ポップアップをクリックするとこのようなランチャーが開く。利用状況を常に監視し、統計の結果によりそのスタイルでよく使うアプリがお気に入りに表示される
起動アプリによって各種動作モードを自動で変更する機能も用意
アプリ起動時の自動設定項目はユーザーが自由にカスタマイズできる

液晶は従来同様の超高解像度表示対応

 従来モデルからの超高解像度表示に対応する液晶パネルの採用はYOGA 3 Proも受け継いでおり、3,200×1,800ドット表示対応の13.3型液晶が搭載されている。パネルの種類はIPS方式で、どの角度から見ても色合いや明るさの変化は少ない。輝度も高く、発色も十分に鮮やか。肉眼ではドットが認識できないほどに緻密な表示が可能で、表示品質は十分に満足できる。さすがに文字を等倍表示した場合には、かなり小さく表示され視認性が低下するものの、作業領域は圧倒的で、複数のアプリを同時に利用するような作業も快適に行なえるだろう。

 ただし、液晶表面は光沢処理となっており、外光の映り込みが激しいため、文字入力が中心の作業を行なう場合には気になるかもしれない。

液晶は従来同様、3,200×1,800ドット表示対応の13.3型液晶を搭載する
等倍表示では文字の視認性は落ちるが、非常に広大な作業領域を確保できる
IPSパネルを採用し、広視野角で輝度も高い。発色は十分に鮮やかで、表示品質は申し分ないが、外光の映り込みはやや気になる

薄型化の影響でキーボードが特殊な配列に

 キーボードは、基本的な構造は従来モデルに近い。キーの間隔が開いたアイソレーション対応のキーボードで、主要キーのピッチは約18.5mmとゆったり。ストロークはかなり浅く、タッチは柔らかめだが、しっかりとしたクリック感があり打鍵感はほかの薄型ノートPCと同等レベル。また、従来同様バックライトを搭載しており、暗い場所でも快適なキー入力が行なえる。

 ただし、YOGA 3 Proのキーボードには大きな弱点がある。それは、薄型化を突き詰めた影響で、キーボード領域の奥行きを狭める必要が生じた結果、ファンクションキー列が省かれた点だ。ファンクションキーは数字キーとFnキーとの併用となっており、ファンクションキーを多用するユーザーにとってかなり使い勝手が低下している。

 さらに、キーが1列なくなったことで、ほかのキー配列にも大きな影響が発生。特に大きな問題と思われるのが、「半角/全角」キーがEnterキーの右側に配置されているという点だ。1列まるまるキーがなくなったことで、やむなくこのような仕様になったと言うが、さすがにこの点は慣れるまでかなり使いにくく感じるはずだ。

 個人的には、Enterキーの右にキーが配置されているという点だけでも気になるのだが、その上ファンクションキー列がなく、配列も特殊になっているという点は、利便性を大きく損なっていると言わざるを得ない。内部構造を見ると、確かにもう1列キーを配置するのは難しいと分かるが、それでも今年1月に登場した、「新しいThinkPad X1 Carbon」のように、ファンクションキー列をタッチセンサーで実装するなどの工夫が欲しかった。

 それに対し、タッチパッドは面積も広く、利便性に大きな不満はない。タッチパッドに関しては、一般的な薄型ノートなどと同様に十分快適に利用できると言える。なお、液晶を180度以上開き、スタンドモードやテントモード、タブレットモードで利用する場合には、自動的にキーボードとタッチパッドの動作がオフになる点も従来同様だ。

従来までと同様にアイソレーションタイプのキーボードを採用しているが、薄型化の影響でファンクションキー列のない5列キーボードとなった
ファンクションキーは最上段のキーとFnキーとの併用となっている
Enterキーの右側に「半角/全角」キーが置かれるなど、配列はかなり特殊だ
キーピッチは約18.5mmとゆったりしており、タッチタイプも余裕だ
ストロークはかなり浅くタッチも軽めだが、クリック感はしっかりしている
キーボードバックライト搭載で、暗い場所での利便性は優れる
タッチパッドはクリックボタン一体型。十分に面積が広く、扱いやすさは申し分ない

プロセッサはCore M-5Y70を採用

 スペック面も大きく変更されている。従来モデルはCore i7-4500Uと、Ultrabookとしてトップクラスの処理能力を誇るプロセッサを採用していた。それに対しYOGA 3 Proは、Intelの最新超省電力プロセッサであるCore M-5Y70を採用している。Core Mの採用によって、処理能力に関しては従来モデルよりやや低下している。ただ、筐体の薄型軽量化はプロセッサにCore Mを採用がなければ実現できなかったことであり、性能低下にも大きな不満は感じない。

 プロセッサ以外のスペックはハイエンドマシンに匹敵する内容となっている。メモリはLPDDR3-1600を標準で8GBと十分な容量を標準搭載。また、内蔵ストレージは標準で512GBと大容量のSSDを採用。競合製品の多くが128GBや256GBのSSDを搭載することを考えると、大きな魅力だ。

 無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を搭載。無線LANが5GHz帯域の11acに対応し、最大867Mbpsの高速通信が可能となったのは従来モデルからの大きな進化点だ。

 側面のポートは、左側面に電源コネクタ兼USB 2.0ポート、USB 3.0ポート×1、Micro HDMI出力、SDカードスロット、右側面にヘッドフォン/マイク共用ジャック、USB 3.0ポート×1をそれぞれ配置。ポート類は必要最小限で、特に有線LANが省かれている点は残念だが、無線LANが高速な11acに対応したことでカバーできるので、大きな不満はない。

 電源コネクタがUSBコネクタをベースとする特殊なものを採用している点も、従来からの大きな変更点。このコネクタは、右上の角が鋭角に飛び出した特殊形状で、本体への電源供給には専用のケーブルと専用のACアダプタを利用する。汎用のUSBケーブルは本体への電源供給には利用できない。ACアダプタの出力は40W。コネクタ形状などが変わって、ACアダプタの汎用性が失われている点は少々気になるが、利便性が損なわれているわけではない。なお、この電源コネクタは、ACアダプタ非接続時にはUSB 2.0ポートとして活用できる。

プロセッサはCore M-5Y70を採用するがファンレス仕様ではなく、空冷ファンが取り付けられている
ファンの排気口はヒンジ部の奥に用意されている
左側面には、電源コネクタ兼USB 2.0ポート、USB 3.0ポート、Micro HDMI出力、SDカードスロットを備える
右側面には、ヘッドフォン/マイク共用ジャックとUSB 3.0ポートを用意。電源ボタン、画面回転オン/オフスイッチ、ボリュームボタンもこちらに配置している
液晶上部には720pの撮影に対応したWebカメラを搭載する
本体底面にJBL製ステレオスピーカーをー搭載
電源コネクタは、USBコネクタをベースに右上の角が鋭角に飛び出した特殊な形状となっている。ACアダプタを接続していない状態ではUSB 2.0ポートとして動作する
付属のACアダプタ。ケーブルはUSBケーブルに似ているが専用品で、汎用のUSBケーブルは利用できない
電源コネクタの形状。汎用のUSB ACアダプタを利用しても充電は不可能
付属のACアダプタは出力40W。ケーブル接続部はUSBコネクタを利用しており、USB充電対応機器を接続した充電にも対応している
ACアダプタの重量は、専用電源ケーブル込で実測191.5gだった

従来より性能低下も体感では大きな差は無い

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.0.282」、「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.4.778」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」の5種類。比較として、従来モデルとなる「Yoga 2 Pro」と、レノボ・ジャパンの「ThinkPad 10 20C1002PJP」、マイクロソフトの「Surface Pro 3」の結果も加えてある。なお、一部ベンチマークテストではバージョンが異なるものがあるため、結果は参考値として見てもらいたい。

 結果を見ると、Core i7-4500U搭載のYoga 2 Proと比べて多くのスコアが低下していることが分かる。Core Mは第5世代Coreプロセッサと同等のBroadwellアーキテクチャを採用してはいるが、さすがにCPUコアの動作クロックに大きな開きがあるため、仕方がないだろう。

 ただ、Surface Pro 3の結果と比べると、それほど大きな開きがないことが分かる。Surface Pro 3は、高負荷時にプロセッサが高温となり、CPUコアの動作クロックが低下する頻度が高いという傾向があるが、それを考慮したとしても一部でSurface Pro 3に近いスコアが得られているという点は注目に値する。実際にアプリを利用してみても、動作の重さなどを感じる場面はほとんどなかった。動画エンコードなど高負荷の作業を行なうと性能差も体感できると思われるが、WebブラウザやOfficeなどを利用する範囲内であれば、体感での快適度はほぼ変わらないと言えそうだ。

YOGA 3 ProYoga 2 ProThinkPad 10 20C1002PJPSurface Pro 3
CPUCore M-5Y70(1.10/2.60GHz)Core i7-4500U(1.80/3.00GHz)Atom Z3795(1.59/2.39GHz)Core i5-4300U(1.90/2.90GHz)
ビデオチップIntel HD Graphics 5300Inte HD Graphics 4400Intel HD GraphicsInte HD Graphics 4400
メモリLPDDR3-1600 8GBPC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GBLPDDR3-1066 4GBPC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB
ストレN/Aジ512GB SSD256GB SSD64GB eMMC256GB SSD
OSWindows 8.1 Update 64bitWindows 8.1 64bitWindows 8.1 Pro Update 64bitWindows 8.1 Pro Update 64bit
PCMark 8 v2.0.282
(Yoga 3 Proを除く3製品はv2.0.228を使用)
Home Accelarated 3.02124N/AN/A2190
Creative accelarated 3.02786N/AN/A2540
Work 2.03038N/AN/A3282
Storage4930N/AN/A4882
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score3998503923004816
Lightweight score2783338913923209
Productivity score2055248410412428
Entertainment score2673366915483107
Creativity score7811962642668691
Computation score1114017148563114289
System storage score5270528238605135
Raw system storage score5318488115014015
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/AN/AN/AN/A
CPU Score6601945346329081
Memory Score7318878029838446
Graphics Score2788N/A807N/A
HDD Score46113394221325938847
3DMark Professional Edition v1.4.778
(Yoga 2 Proはv1.1.0、ThinkPad 10/Surface Pro 3はv1.3.708を使用)
Ice Storm30836297991060529479
Graphics Score34632309171020732413
Physics Score22286264521228422387
Ice Storm Extreme18903N/AN/AN/A
Graphics Score18417N/AN/AN/A
Physics Score20827N/AN/AN/A
Cloud Gate30464222N/A2791
Graphics Score37475048N/A3254
Physics Score18422685N/A1864
Sky Diver1516N/AN/AN/A
Graphics Score1468N/AN/AN/A
Physics Score2262N/AN/AN/A
Combined score1253N/AN/AN/A
Fire Strike398614N/A1679
Graphics Score440676N/A1589
Physics Score25333788N/A2672
Combined score134N/AN/A1478
3DMark06 Build 1.2.0 1901
3DMark Score3832N/A13874288
SM2.0 Score1543N/A4801881
HDR/SM3.0 Score1409N/A5051376
CPU Score1963N/A19562459

 次にバッテリ駆動時間だ。YOGA 3 Proの公称のバッテリ駆動時間は、JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver1.0で約8時間とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「省電力」、バックライト輝度を40%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約9時間43分と、公称の駆動時間を大きく上回った。

 それほど負荷のかからない状況での結果とは言え、これだけの駆動時間が記録されたことはなかなか大きな魅力と言える。ちなみに、従来モデルではほぼ同等の計測で約7時間26分だったため、2時間以上も駆動時間が延びた計算となる。これは、やはり省電力性に優れるCore Mを搭載しているためだ。この駆動時間なら、1日の外出時にACアダプタを携帯する必要はほぼないだろう。

スペックは魅力もキーボードの仕様にやや難あり

 YOGA 3 Proは、Core M採用によって従来モデルから若干性能の低下はあるものの、その他スペックの充実や、新型ヒンジやアプリの採用による利便性の向上、本体の薄型軽量化など、YOGAシリーズ最強モデルとして全体的な魅力は優れる。特に、薄型軽量化とバッテリ駆動時間の延長は、2-in-1モバイルとしての完成度を大きく高めており、毎日PCを持ち歩いている人にとってかなり魅力的な製品と言える。

 ただ、気になる部分もある。特に大きな懸念が特殊配列のキーボードで、これに納得できるかどうかで評価は大きく分かれると思われる。キー自体の打鍵感はそれほど悪くなく、タッチタイプも軽快に行なえるが、やはりファンクションキー列がなく、一部キー配列が特殊な部分は、慣れるまでは違和感を覚えるはず。キーボードの利便性も製品の魅力を大きく左右することを考えると、もう少し煮詰めてもらいたかった。

 税別210,500円前後という価格については、標準で512GBの大容量SSDを搭載することなど充実したスペックを考えると納得の範囲内。ただ、できれば256GBや128GBの低容量SSDを搭載し価格を抑えたモデルが用意されていても良かったように思う。

 YOGA 3 Proは、2-in-1モバイルとして大きな進化を遂げてはいるが、従来よりも独特の個性が強まり、より使う人を選ぶ製品になった印象が強い。購入を考えているなら、まずは量販店などで実機を触り、キーボードなどの仕様をチェックすることをお勧めする。

(平澤 寿康)