平澤寿康の周辺機器レビュー

BLUEDOT「WikiReader 日本語版」
〜いつでもWikipediaが参照できる小型リーダー



BLUEDOT「WikiReader 日本語版」

発売中
価格:オープンプライス



 BLUEDOTは、Wikipediaのコンテンツを参照できる小型デバイス「WikiReader」の日本語版を発売した。手元にPCがなくても、いつでもどこでもWikipediaの情報を参照でき、まさしくコンパクトな電子辞書といった雰囲気のデバイスとなっている。価格はオープンプライスで、実売価格は13,000円前後だ。PC周辺機器ではなく単独のデバイスなのだが、面白いので取り上げてみた。

●小型軽量で持ち運び楽々

 WikiReader本体は、手のひらにすっぽり収まるほどコンパクトだ。本体サイズは、100×100×20mm(幅×奥行き×高さ)。幅と奥行きはどちらも100mmだが、完全な正方形というわけではなく、左側のほうが右側よりもわずかに奥行きが長くなっている。また、高さに関しては、手前が薄く、奥が高いくさび形のような形状となっており、手前側は10mmほどの高さしかない。重量は、乾電池込みで実測138.5gと非常に軽量。サイズや重量的には、電卓や小型の電子辞書といった雰囲気だ。

 電源は、単4形乾電池が2本で、本体底面の電池ボックスに収納する。電池の持ちは、1日あたり15分利用する場合で約1年とされており、すぐに電池が切れてしまう心配はほぼないと考えて良さそうだ。

 ボタン類は、後方に電源ボタンが、正面の液晶ディスプレイ下部に「search」、「history」、「random」の3個のボタンが配置されている。searchボタンを押すと検索文字入力画面が、historyボタンを押すと過去の表示履歴が、randomボタンを押すとランダムで選ばれた見出し語の記事がそれぞれ表示される。

 液晶ディスプレイは、3.6型のモノクロタッチパネル液晶が搭載されている。表示解像度は240×208ドット。液晶パネルは反射型で、バックライトは搭載しない。表面がやや光沢感が強いため、天井の照明などが映り込んで見づらく感じる場面もあるが、通常の明るさの室内であれば文字の視認性は十分に優れている。もちろん昼間の野外での利用時でも同様だ。

本体正面。フットプリントは100×100mmだが、完全な正方形とはなっていない 2.5インチドライブとの比較。サイズは十分に小さく、手にもすっぽりと収まる 重量は単4形乾電池2本込みで実測138.5gと非常に軽量だ
本体側面。手前が薄く、奥が高くなっている 本体背面。左側のボタンが電源ボタンだ 液晶画面下には「search」、「history」、「random」のボタンが配置されている
底面には単4形乾電池2本を収納する電池ボックスがある 3.6型モノクロタッチパネル液晶を搭載。表示解像度は240×208ドットで、反射型となっている 液晶表面にはタッチパネルが取り付けられており、タッチ操作で検索や閲覧を行なう

●記事の検索や閲覧はタッチ操作で行なう

 液晶下に3つのボタンが用意されてはいるが、基本的な操作は全て液晶表面のタッチパネルを利用して行なうことになる。

 まず、本体の電源を入れてsearchボタンを押し、検索画面を呼び出す。検索画面ではスクリーンキーボードが表示されるので、そのスクリーンキーボードを利用して検索したい見出し語を入力する。

 スクリーンキーボードは、右上の地球儀アイコンをタッチすることで、ローマ字入力とかな入力を変更できる。かな入力モードは、携帯電話などと同様のテンキーかな入力となる。また、「ABC」ボタンや「123」ボタンをタッチすることで、英字入力モードや数字・記号入力モードへの切り替えも可能。さらに、この地球儀アイコンは検索言語の選択も兼ねており、日本語入力モード(ローマ字入力およびかな入力)選択時には日本語の記事が検索され、「English」を選択すれば英語の記事、「中文」を選択すれば中国語の記事が検索対象となる。

 スクリーンキーボードでの文字入力は、次々に文字を入力していってもしっかりと追従し、かなり軽快に行なえる。また、インクリメンタルサーチで検索候補が絞り込まれていくため、全ての文字を入力せずとも目的の見出し語が見つかるはずだ。そして、目的の見出し語をタッチすれば、その見出し語の記事が表示される。ちなみに、検索時の候補表示時や、記事を呼び出す場合には、一瞬待たされるような感覚があるが、基本的には動作が重いと感じることはほぼない。

 表示される記事は文字のみとなっており、画像や動画などは表示されない。動画はともかく、画像が表示されない点は少々残念だ。記事の閲覧時には、画面上で指を上下にスライドさせることで記事のスクロール操作が行なえる。また、記事中のアンダーライン部分はハイパーリンクとなっており、その部分をタッチすれば、その見出し語の記事にジャンプする。前に閲覧していた記事に戻りたい場合には、表記がないので少々わかりにくいが、液晶画面左下隅をタッチすればよい。

 記事表示中、画面右上に△ボタンが表示されることがある。これは、英語や中国語の記事が存在する場合にのみ表示され、そのボタンをタッチすることで、記事言語を切り替えられる。

 過去に検索し表示した記事は履歴に保存され、「history」ボタンを押せば履歴が一覧表示されるので、その中から選択して再度表示させることも可能だ。履歴の保存上限は不明だが、実際に試した限りでは100件以上の履歴が保存されることを確認した。ちなみに、履歴情報は、記事などの情報が保存されているmicroSDHC内に保存される。

 記事表示機能で面白いのが、「random」ボタンを押すことで、見出し語がランダムに選択され記事が表示されるというものだ。通常でも、特定の見出し語の記事を表示させ、そこから気になる見出し語へ次々とジャンプして記事を閲覧するというのはなかなか楽しく、時間潰しなどで実践している人もいるだろう。それと同じようなことをランダムで行なえるため、全く想像もしない見出し語が表示されるなど、想像以上に楽しめる。単に知りたい言葉の意味を調べるだけでなく、読み物として楽しむという意味でも、このrandomボタンはかなり活用できそうだ。

記事検索は、スクリーンキーボードを利用して行なう スクリーンキーボードは、テンキー方式のかな入力も用意されている 日本語の入力方式の切り替えに加え、英語、中国語の検索も行なえる
他言語の記事がある場合には、右上に△ボタンが表示される △ボタンを押すと言語切り替えボタンが表示され、そのボタンを押すことで他言語の記事に切り替わる
こちらは中国語の記事だ 一度閲覧した記事は履歴に蓄積され、「history」ボタンを押すことで呼び出せる
【動画】操作している様子
【動画】スクリーンキーボードを切り替えている様子
【動画】ハイパーリンク先に飛び、前の記事に戻る様子
【動画】ランダムに記事を表示させている様子

●記事情報はmicroSDHCに保存、アップデートは年4回以上
電池ボックスの中にmicroSDHCスロットが用意され、標準で8GBのmicroSDHCが取り付けられている。このmicroSDHC内に全データが保存されている

 WikiReaderで検索・表示されるWikipediaの記事は、表示のたびにインターネット経由でダウンロードし表示しているわけではない。記事情報は、全て本体に取り付けられた容量8GBのmicroSDHCに保存されており、その保存されている情報が表示されることになる。つまり、基本的にはその時点での最新の記事が表示されるわけではないということだ。

 記事のアップデートは、年4回以上行なわれるとアナウンスされている。アップデートは、インターネット経由で配布されるアップデータをPCにダウンロードし、microSDHCをPCに取り付けて行なうことになる。microSDHCスロットは、本体底面の電池ボックス内に用意されている。ちなみに、現在の最新アップデータは2010年春に公開されたものとなっている。

 記事の内容が、必ずしもその時点での最新のものではないとしても、年4回以上のアップデートがあるため、よほど頻繁に更新が行なわれているものや、最近追加されたの見出し語などを除いて、表示される記事内容はほぼ最新に近い。唯一の懸念は、製品の販売が終了してしまった場合にアップデートが継続されるか、という点だ。ただ、Wikipediaの運営団体であるウィキメディア財団が存続している限り、アップデートが継続されるように配慮される可能性もあるので、あまり心配する必要はないだろう。

 Wikipediaの記事は、手元にインターネットに接続できるPCがあれば、無料で閲覧できる。とはいえ、WikiReaderは、PCを利用するよりも手軽に扱えるのはもちろん、インターネットの接続に関係なく記事を検索し閲覧できるため、使い勝手はなかなか優れる。映像や画像が表示されるとさらに良かったが、Wikipediaで頻繁に検索を行なっているという人や、手軽に利用できる電子百科事典が欲しいと思っていた人なら、十分便利に活用できるデバイスだろう。

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(2010年 8月 10日)

[Text by 平澤 寿康]