価格:250,000円
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パイオニア株式会社は、DVD-RWディスクを採用したビデオレコーダ「DVR-1000」を12月上旬から250,000円で発売する。同時に、DVD-RWディスク「DVS-RW47」も3,000円で出荷される。なお、レコーダは月産1万台、メディアは月産6万枚が見込まれている。
DVD-RWは相変化方式の書き換え可能なディスク。容量は12cm径で4.7GB。相変化材特有の反射率の低さを除くと、DVD-ROMやDVD-Rと完全互換となっており、ファームウェアレベルのアップデートで対応可能とされている。また、DVR-1000では録画フォーマットにDVDフォーラムが'99年に策定した、ビデオ録画用のDVD規格「DVDビデオレコーディング・フォーマット」を採用している。これらのことにより、DVR-1000は録画したディスクを現在市販されているDVDプレーヤーで再生することはできない。しかし同社では、2000年夏よりDVDビデオレコーディング・フォーマットに対応したプレーヤーの発売が予定されており、「当初は(DVDビデオレコーディング・フォーマットには)上位モデルで対応するかもしれないが、最終的には全モデルで対応したい」(同社)としている。DVD-RWにはケンウッド、シャープ、ビクター、三菱など9社が賛同を表明しているので、これらのメーカーからも対応DVDプレーヤーが順次発売されていく可能性が高いと考えられる。
DVD-RW1枚の録画時間は標準モードで2時間、マニュアルモードでは圧縮率を変えることで1時間~6時間まで32ステップで任意に設定可能。エアチェックなどでは十分な時間を確保している。また、ディスクの残り容量と録画したい時間から、最適な記録レートを自動的に設定する「ジャスト録画」機能も搭載している。映像の圧縮方式はMPEGで可変ビットレート(VBR)に対応。音声はDDCE(Dolby Digital Consumer Encoder)を搭載しており、2チャンネルのDolby Digitalで記録される。
また、ディスクメディアを使用したメリットとして、静止画一覧表示による一発頭出しや、ノンリニア編集機能も備えている。さらに面白い機能としては、ディスクに予約内容を記録して、ディスクを挿入するだけで予約録画の準備が完了する「ディスク予約機能」も搭載している。
著作権保護機能としてはCGMSやマクロビジョンのほか、メディアID検出にも対応。さらに、ブランクDVD-RWディスクにはCSSビデオディスクの複製を防止する保護技術が施されている。またCSデジタルや、パソコンからのデジタル入力には対応していないので、この点でもデジタル-デジタルの劣化なしのコピーはできないようなっている。なお、DVR-1000が再生できるのは、DVDビデオとDVD-RWのみとなっており、音楽CDや、ビデオCDは再生できないので注意が必要だ。
ディスクビデオレコーダは既に、NECが9月にメディアに独自規格の「MVDISC」を採用した「GigaStation」を発売している。メディアの容量的にはMVDISCが5.2GB(両面では10.4GB)と、DVD-RWの4.7GB(単層のみ)を上回っている。しかし、MVDISCではメディアがカートリッジに入っているが、DVD-RWはむき出しで対応プレーヤの発売が予定されていほか、レコーダーもGigaStationではDVDビデオの再生に対応していないなど、DVDビデオとの親和性ではDVR-1000の方が勝っている。書き換え可能なDVDメディアとしては、松下・日立陣営のDVD-RAM、ソニーのDVD+RWなどもあり、いずれがポストVTRとなるのか、あるいは共存するのか注目される。
【主な仕様】
('99年11月26日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]