Click


元麻布春男の週刊PCホットライン

ハードディスクの最近の動向 その5



■ Windows 2000でのATA/ATAPIサポート

 先週まで、IDEとSCSIについて触れてきた。その中で筆者は、括弧の中ではあるものの、Winodws NT 4.0のIDEサポートは古臭いと書いた。しかし、間もなくリリースされる予定の(かどうか、だんだん怪しくなりつつあるが)Windows 2000では、こうした問題も解消されるハズだ。そこで今回は、現在リリースされている日本語版のWindows 2000β3で、ATA/ATAPIのサポートがどう変わったのか見てみたいと思う。

 まず最初に断っておかねばならないのは、これはあくまでもβ版のソフトウェアに基づいたものであり、必ずしも正式にリリースされるWindows 2000がこの通りになるとは限らない、ということだ(当たり前のことだが、一応、「お約束」なので)。このことを頭に刻み込んだら、早速デバイス周りについて見てみよう。

 Windwos 2000の「システムのプロパティ」(デスクトップの「マイコンピュータ」のアイコンを右クリックして出てくるウィンドウ)から、ハードウェアタブを選び、デバイスマネージャのボタンをクリックすると、システムに装着されているデバイス一覧が表示される。このあたり、完全に同じ、というわけではないものの、Windows 95/98に非常に近い。

Windows 2000のシステムのプロパティ
同デバイスマネージャ

 ATA/ATAPIの設定、特にデータ転送モードの設定をどう行なうか、ということだが、Windows 9xでは、デバイス側、つまりCD-ROMドライブやハードディスクドライブ側のプロパティを開き、そこのオプションで設定していた。しかし、Windows 2000ではインターフェイス側で行なうよう改められている。デバイスマネージャのIDE ATA/ATAPIコントローラと書かれたアイコンがそうだ。Windows 9xと似て非なるという点では、ややこしい気もするが、どちらが自然かといえば、Windows 2000の方だろう。現実にデータ転送モード(特にDMAモードやUltra DMAモード)の選択に際してカギを握るのは、デバイス側のサポートより、コントローラチップをサポートしたドライバ(特定のサウスブリッジチップをサポートしたIDEドライバ)であることが圧倒的に多いからだ。

 デバイスマネージャの中からIDE ATA/ATAPIコントローラをダブルクリックすると、Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controllerを親デバイスとして、その下にセカンダリIDEチャネルとプライマリIDEチャネルが見える。データ転送モードの設定は、ここで行なう。

 また、プライマリIDEチャネルのプロパティから、詳細設定のタブを選択すると、プライマリIDEチャネルには、マスター側、スレーブ側ともに、Ultra DMA/33対応のハードディスクが接続されている。ここに示した設定がインストール直後の状態である。どうやらWindows 2000はハードディスクに関しては、DMAモードを積極的に利用しようとしてくれるらしい。また、Ultra DMAモードの何番なのか、までは教えてくれないものの、Ultra DMAモードをサポートしていることは明らかである。

 一方、セカンダリIDEチャネルのプロパティを開くと、こちらにはマスター側にDVD-ROMドライブ、スレーブ側に第2世代のSuperDisk(LS-120)ドライブが接続されている。いずれのドライブも、DMAモードをサポートしているのだが、インストール直後は強制的に(?)PIOモードを使うように設定されてしまった。しかし、転送モードをマニュアルで変更すると、両方のデバイスともにDMAモードが利用可能になる。ここでちょっと意地悪をして、転送モードの設定をDMA(利用可能な場合)にしたまま、スレーブ(デバイス1)側に接続されたSuperDiskドライブを、DMAモードをサポートしていない第1世代のものに変えてみた。すると、転送モードの設定はそのまま、ちゃんと現在の転送モードがPIOモードに変更された(もちろん、この状態でちゃんとデバイスは機能している)。Windows NT 4.0と違い、Windows 2000のIDEサポートは、かなり「使える」との印象が強い。

セカンダリIDEチャネルのプロパティ
転送モードをマニュアルで変更すると、両方のデバイスともにDMAモードが利用可能になる
DMAモードに対応していない、第1世代のSuperDiskに変えたところ、PIOモードに変更された

 Windows 2000は、大企業向けのクライアントOSという印象が強い(Microsoft自身がそのような売り方をしている)せいか、こうしたハードウェアサポートのような泥臭い部分に触れられる機会が少ないようにも感じる。しかし、Windows 2000ではIDE以外にも、DVD-ROMの地域コードサポートが加わる(ただし、まだまだラフな印象が強く、ローカライズもされていないようだが)など、大きく改良されていることは間違いない。

バックナンバー

[Text by 元麻布春男]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当pc-watch-info@impress.co.jp