★ ゲームソフトインプレッション ★

'98年度のF1グランプリを体感!
オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング


スクリーンショット

 
【ゲームの内容】
     '98年度のF1グランプリを再現したカーレースシミュレータ。全22コース、全16サーキットを収録。20以上のカメラアングルが用意されているほか、ユーザーで設定することができ、TV番組の様なアングルも再現可能。
【動作環境】
  • CPU:Pentium 133MHz以上(Pentium 166MHz以上推奨)
  • RAM:16MB以上(32MB以上推奨)
  • HDD:10MB以上(100MB以上推奨)
  • 解像度:DirectX6対応グラフィックカード(Direct3D対応の3Dグラフィックアクセラレータ)
  • サウンド:DirectX6対応サウンドカード
  • CD-ROMドライブ:6倍速以上のCD-ROMドライブ(16倍速以上推奨)

ビデオシステムのホームページ
http://www.dreamsquare.co.jp/
アイドス・インタラクティブのホームページ
http://www.eidos.co.jp/index-hi.html
「オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング」のホームページ
http://www.eidos.co.jp/keytitle/index.html
Eidos Interactiveのホームページ(英文)
http://www.eidos.com/
「OFFICIAL FORMULA1 RACING」のホームページ(英文)
http://www.eidosinteractive.com/formulaone/home.htm
「OFFICIAL FORMULA1 RACING」Demo版ダウンロード(英文)
http://www.digitalriver.com/dr/v2/ec_MAIN.Entry17c?SP=10007&PN=5&CID=0&SID=18237&PID=163852



円熟期を迎えたレースゲームの代表作

オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング
 国内でも圧倒的な人気を誇るモータースポーツであるフォーミュラ 1。いわゆるF1は、今年50周年を迎える歴史を持つレースでもある。世界でも最高水準のメカニックとドライバーが技術の粋を競うF1は、ある意味モータースポーツの最高峰と呼ぶにふさわしいレースだといえるだろう。“ある意味”というのは、F1とラリーを同じ土俵で語ることはできないと個人的に思っているからに過ぎないのだけれど、この話を始めると長くなってしまいそうなので、とりあえずここでは割愛させていただくことにしよう。

 ビデオゲームの世界でも、カーレースを題材にしたものは黎明期からコンスタントな人気を誇って存在し続けている。今ほど3D技術が進歩していなかった時代ですら、擬似的に3D空間を作り出すことによって、車を運転する気分を味わうことのできたゲームは数知れない。そして、3Dグラフィックアクセラレータの普及など、3D技術の発展によって、その表現力はますます深みを増したといえるのではないだろうか。今回紹介する「オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング」も、そんな円熟期に入ったレースゲームを代表する1本ということができるだろう。

シミュレーションとゲーム性がうまくミックス

オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング
 「オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング」は、その名の通りF1レースの運営/管理を統括するFOA公認のレースゲーム。もちろん、ゲーム内に登場するチームやドライバーも実名で登場する。これまでにもこうしたソフトは存在したが、一部のドライバーとの契約がうまくいかず、中途半端なイメージを受けるものも少なくはなかった。'98年のデータを使用しているということで、これまでのソフトに不満を抱いていた方でも安心してプレイすることができるはずだ。

 この種のソフトには、概して2つの方向性がある。1つは徹底してリアリティを追求した「シミュレータータイプ」。ウィングの角度やギア比、エンジン特性など、細かな点までプレーヤーが調整を加えることができるタイプだ。この種のソフトは車好きには高い評価を得ることができるが、初心者や気軽にゲームを楽しみたいプレーヤーには敷居が高く、敬遠されてしまうという弱点を持っている。もう1つは、こうしたシミュレーター性を廃して走る楽しさを追求した「ゲームタイプ」。走行時の挙動などは実際の車とは異なる部分もあるが、ゲームとしての評価は高いものが多い。ただし、シミュレータータイプとは逆に車にこだわりを持つプレーヤーからは不満の声が聞かれることも確かだ。

オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング


 さて、それではこの「オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング」はどちらに分類されるのだろう。結論からいえば、このソフトは「シミュレーター性も持つゲームタイプ」に位置づけるのが最も適当だろうと思う。なんとも玉虫色な表現ではあるけれど、とりあえずその理由に言及してみることにしよう。

 まず、ゲームのセッティングを見ると、レベルが3段階に設定できるようになっている。レベルは最高速度の差に影響しているのだけれど、ブレーキングポイントなどにも大きく関わってくるので、初心者は速度の遅い「NOVICE」からプレイするといいだろう。また、ガソリンやタイヤの消費量を変更したり、スピンやマシンクラッシュの確率を下げることで、よりゲームとしての性格を高くすることもできる。さらに、アシスト機能としてAT車設定の「自動ギアチェンジ」、カーブ前に自動的に減速する「ブレーキアシスト」、カーブでステアリングを補助する「ステアリングアシスト」、衝突時のマシンの破損を無効にする「ダメージフリー」などの機能をオンにすれば、さらにゲーム方向にシフトすることになる。一方、これらの機能をオフにすればシミュレーター性が高くなり、加えてウィング角やサスペンション、ギア比、タイヤの種類などを自由に変更することもできるので、シミュレーター性を高めることも可能だ。これらの項目を自由に変更していくことで、プレーヤー好みのゲームスタイルを確立することができ、あらゆるニーズに応えることができるように考慮されているといえるだろう。

 こうしたきめ細かな設定変更は、実際のレース中にも様々な点で行なうことができる。その中で最も顕著なのが視点の変更で、その総数は20以上にも及ぶ。ドライバーに主点を置いた「コクピットビュー」だけでも4種類。また、車外に視点を置くエクスターナルビューではテンキーを使用して視点を変更することもできるので、実際には無限の視点変更が可能ということになる。中には実際のレースには向かない視点もないわけではないが、後述のリプレイモードと組み合わせると楽しいだろう。また、他車のアクシデントなどが表示されるポップアップウィンドウや後方の確認ができるサイドミラー、コースマップのオン/オフなどもプレーヤーが任意に変更できるので、プレイに使用するマシン環境や好みなどで設定するようにするといい。

オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング1 オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング2 オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング3

鈴鹿サーキットもリアルに再現

オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング
 レースに使用できるコースは全部で16。もちろん、実際にF1レースで使用されているものと同じコースだ。鈴鹿サーキットでは名物の観覧車も実際に回っていたりして、初めて見たときにはちょっと感動してしまった。雨が降れば視界は悪くなるし、さらに激しくなると目の前のカーブさえ見えなくなってしまうなど、天候の変化もレースにダイナミックな変化を与えてくれる。こうしたメリハリが、ゲームを飽きずに楽しませるための、いいスパイスになっているといえるのではないだろうか。

 レースには基本的に、これらのコースを自由に選択して行なう「SINGLE RACE」と、そこからいくつかの手順を省いてすぐにレースを楽しめるようにした「QUICK RACE」、それに、'98年度のデータに従って16レースを転戦し、ドライバーズポイントを競う「CHAMPION SHIP」の3つがある。「QUICK RACE」以外では、最初にヘリコプターによるコース紹介が行なわれ、続いて自由にコースを走る練習走行、スタート時のポジションを決めるクオリファイ(予選)、レース前のウォームアップという手順を踏み、いよいよ本戦に臨む。レースは3周から、最大72周まで選択することができるが、72周のレースは心身共にヘトヘトになるので、よほどのことがない限りプレイしない方がいいかもしれない。ちなみに72周するのには、短いコースでも2時間近くかかる。途中、ポーズをかけられるのが救いかもしれない。

 レースが終わると、結果発表に加えて今のレースのリプレイを観戦することができる。ここでは視点を自由に変更して、自分の華麗な(またはスピンしまくりのはずかしい)プレイを堪能することができるほか、任意のポイントからレースに再度参加することもできるので、途中で致命的なミスをしてしまった場合などは、改めてレースに挑戦するのもいいかもしれない。また、このリプレイをシナリオとしてセーブしておくことができ、これを使用することで第4のプレイモード「シナリオモード」をプレイすることができる。シナリオモードでは、セーブしたリプレイの通りに他車が行動するので、基本的には常に同じ展開となる(ただし、他車を巻き込んでクラッシュした場合には、この限りではない)。練習走行では自分以外の車が存在しないので楽しくないという方は、ぜひこのシナリオモードをプレイしてみることをおすすめしたい。また、クラッシュの情報も保存されるので、どの車がどこでクラッシュするかわかっていれば、その後を追っていくのもいいだろう。ただし、自分がクラッシュに巻き込まれないように注意する必要はあるかもしれないけれど。

アナログデバイスでさらにゲームを面白く

オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング
 ネットワーク対応も、最近では当たり前のこととなってきた。改めて書くのもはばかられるが「オフィシャル フォーミュラ 1 レーシング」もご多分に漏れず、ネットワークプレイが可能だ。接続はTCP/IP、IPX、モデム、シリアルケーブルのいずれかで、レースの前後には他のプレーヤーとチャットで会話することもできる。ただし、ここでは2バイト文字が使用できないので注意する必要があるだろう。

 最後になるけれど、このゲームを快適にプレイしたいのであれば、ぜひアナログコントローラを用意してほしい。キーボードやデジタルのジョイパッドでも操作は可能だし、レースに勝つこともできるけれど、複雑なコーナーの続くテクニカルコースを存分に楽しむには、やはりアナログデバイスの方が向いている。高価なハンドルコントローラでなくても構わない。今回のテストプレイではSEGA-I/F経由でセガサターン用のデジタル/アナログ兼用パッド「マルチコントローラ」を接続しているが、これでも十二分に楽しむことができた。最近では安価なコンシューマ用のアナログデバイスを接続できるインターフェイスも数多くリリースされてきているし、ゲームをより楽しむために、ほんの少しだけ投資を考えてみてはいかがだろう?

(C)1998,1999 Video System/Eidos Interactive Limited. All trademarks are the property of their respective owners. An official product of the FIA Formula One World Championship. Licensed by Formula One Administration Limited.

【筆者紹介】
  • 名前:山城 宏
  • プロフィール:  企画・著述業兼システムエンジニア。ゲーム制作のお手伝いもちょっとだけ。仕事を離れるとただのゲーム好き。今年も猫が連れてきたノミの大群に襲われて大変な毎日。この時期、殺虫剤とかゆみ止め、それにガムテープが手放せません(どう使うかはお察しの通り)。
レビューハード環境】
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機(Pentium II 400MHz、RAM 224MB、HDD 約20GB、2倍速DVD-ROM(20倍速CD-ROM)、3D BLASTER Banshee(AGP 16MB)、SOUND BLASTER AWE64、IF-SEGA/ISA+セガサターン用マルチコントローラ)

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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp