スタパ齋藤

雑誌広告見て、うっ!!
エプソン ロカティオ



■雑誌広告見て、うっ!!

エプソン ロカティオ
オープンプライス。GPS、デジタルカメラ、インターネット、PHSの機能を一体化させたハイブリッド電子ガジェット。写真のPHSユニット付きのCOMモデルは、サイズ79×171×32mm(幅×奥行き×高さ)、重量290g、バッテリ駆動時間約6.5時間
 俺は、印刷された文字を読むのは基本的に嫌いだ。このことに特に理由はないのだが、とにかく、紙に印刷された文字が100文字を超えると、俺の脳は強引に睡眠モードに移行しようとするのであり、俺はもう限界であり、最強に弱まってしまうのだ。なので、何となくお恥ずかしい話だが、俺が年間を通して読破する書籍なんてものはほとんどない。しかも自分が書いた本でさえ読破したことがない!! さらに雑誌に載った自分の原稿だって読破したことがない!! 加えて自分が書いた原稿の校正(間違いがないかを仮印刷の段階で読むことだヨ!!)だって読破したことがない!! そうなんだよアニキ!! 俺は文字を読むのが嫌いなんだよブラザー!! 読むのはイヤッ!! 写真とかビデオなら見る!! テレビも!! なんでかって言うと見た瞬間オッケーだし、きっとナレーターの人がどんどん喋って聞かせてくれるから!!

 そんな俺だが、しかし、パソコン雑誌はよく“見る”。読まないけど見る。何を見るかというと、広告を見るのである。何かサイバーでしょうがねえ新製品はねえもんかな、と。どっかから凄まじい製品が登場しねえかな、と。

 そんな調子で先日もパソコン雑誌を見ていたら、ムムッと思える新型装置の広告が。エプソンのGPS付き電子手帳みたいな、ちょいと斬新な装置だ。で、興味急上昇の俺は、速攻でエプソンのウェブページ、そしてロカティオの紹介ページ、さらにはロカティオの詳細が書かれたページを、読んで読んで読みまくったのであった。そう、俺が積極的に読破する文章と言えば、こういった斬新な新製品の広告くらいなモンなのである。

 ロカティオをまだご存じない方は、ぜひ上記のページを見たり読んだりしていただきたいわけだが、ともあれ、俺の場合はロカティオの内容を知って「うっ!!」と思ってしまったのである。



■ うっ、こここ、これは買えない!!

 でまあ、いつも通り速攻でその魅力に溢れた新型の装置が欲しくなったのだが、いくら物欲野郎の俺とは言え、すぐ買う場合と、そうでない場合があるのだ。つまり、「うっ!!」→「くわッ!!」→「購入購入購入!!」という製品と、「うっ!!」で止まる製品が存在するのである。ロカティオの場合、後者の製品となった。

 なぜなら!! 俺がロカティオに対して「うっ!!」と思ったその時は5月末であるからだ!! ロカティオは6月9日発売なのだ!! LAOXのレジ前に1万円札を何枚重ねようと、T-ZONEの前で土下座をしつつ懇願しようと、ヨドバシカメラ店内で暴れようと、まだ店頭では1台だってロカティオを売っちゃいねえのだ!! ていうか単に発売前だから買えなくてつまらねえなぁということでした。

 でも、発売前に物欲的な衝動がマキシマムになってしまうと、発売日までにいろいろ考えちゃうわけで、考えちゃうってぇと人間弱いもので、どっちかと言えば“買わないで済むための理由”という方が浮上しがちなのである。

 例えば、ロカティオでできることは、よーく考えてみると他の何らかの機器でもできる。ロカティオはGPSを利用して自分の位置を割り出してその位置周辺の地図をi-Point network(フツーのプロバイダでありかつロカティオ用の地図データ等を配信しているサービス)からダウンロードしたり、PHSとして通話(COMモデルのみ)できたり、ザウルス的に多機能PDAとして使えたり、27万画素デジカメとして利用できたりする。が、こーゆーコトを1台で済まそうとするからロカティオになるのであって、何のことはない、GPSナビゲーションシステム(やソフト)とかPHSとか“いまどこサービス”とかPDAとかデジカメを使えば、だいたい同じようなコトができるのだ。

 そうそう、できるできる。ロカティオじゃなくてもできる。特に俺なんかできまくりだ。PDAなんか積み重ねると崩れるほど持ってるし、携帯電話とかPHSは数というよりもはや重さで言った方がわかりやすいほど持ってるし、デジカメなんかは撮る写真の枚数よりも多くもってるかもしんないし、DVDカーナビだってある。そんな考えが浮上すると、どうもロカティオ購入意欲というのが薄れるのであった。

 が、それを知ってか、PC Watchの本連載担当編集者のクドーさんが、徹底的にロカティオの貸出機を俺に貸してくれようとする。
「もしもし工藤ですけど〜スタパさんGPSとか軍用衛星とかお好きですよね〜エプソンさんからロカティオお借りしてるんですけど明後日速攻で返さないとアレなんですけどけっこうおもしろいんで今日送りますけど触ってみますかどうすか」
「うっ!! ソレすげぇ興味あります。今すぐただちに送っていただけるといじくりまくりで触りまくりで指紋付きまくりですけど、送ってください。あと分解してもいいですか」
「分解は絶対ダメっス。死んでもダメっス。じゃあ送りますんで」
 そんなわけで、ロカティオをお借りすることにし、ロカティオの箱を届けてくださった宅配便要員がまだ玄関から10メートルと離れていないというのに速攻で箱を開封した瞬間電源を入れた途端外出するやいなやGPS&D-GPSで測位したり地図を表示したりデジカメ機能で写真を撮ったりして堪能した約30分後、俺はLAOXに電話してロカティオを予約したのであった。



■ 合体した魅力

 ロカティオの詳細は前述のエプソンのウェブサイトで見ていただくとして、この製品はやっぱり非常に魅力的なのであった。

 話はちょいと逸れるが、俺がロカティオの貸出機を借りていじくり倒した後、実はやっぱり前述のようなアイデアすなわち“ロカティオじゃなくてもこれとだいたい同じことができる”という考えが浮かびまくったのであった。まあ実際の話、ロカティオを同じようなコトをやろうとすると、機材が増えたりして面倒ではあるのだが、でも新たに機器を買ってやるか、手持ちの機器+αでやるかは、金銭的・無駄遣い抑制精神的に大きな違いがある。ともあれ、俺はロカティオを触って理解した上で、30分ほど考えたわけだ。

 で、出た結論は、このような製品は速攻でゲットだし使いまくりだし遊び倒してウハウハでアメイジングな気持ちになるゼ、ということだ。なんでそう思ったのかは、ロカティオの“全部合体している魅力”を感じたからだ。

 ロカティオは、一言で言えば、GPSデジタルマップ+デジタルカメラ+PHS+PDAという複合端末だ。バラバラの機器でできることを、ひとつの機器でできるようにした、メーカーの挑戦的な態度が非常にいい。ロカティオのスタイルじゃないやり方だってたくさんあったはずだ。例えばPDAを発売して、そこにデジカメやPHSやGPS受信機などの周辺機器を用意して別売する。逆に、そうした方が、機器に対して納得する消費者は多いだろうし、メーカー側のリスクも少ないだろう。しかし、全部合体させてないと、ロカティオ独自の魅力は生まれなかっただろう。

 そういう独特な機器を作れば注目されるだろうし魅力が出ることはわかっているけど、でもアブナいし、大衆受けしないかもしれないから、やりません。とか言うのが、多くのメーカーが最終的に出す結論なのだと思う。開発陣の中ですっげー斬新でユニークな意見が生まれても、そう簡単には製品化されない。会議に会議を重ね、書類が何枚もできて、ハンコが何度もつかれる。そんな中ではきっと、あのメーカーがコレを作ったけど失敗した、このメーカーはこーゆーのを作ったけどダメだった、みたいなネガティブな要素がたくさん浮き上がる。でもそれを乗り越えて、実際に作ってしまう。ロカティオには、もちろん使い物になるハンディなGPSマップ機能だとかPDA機能だとか多くの魅力があるが、俺を最も強く揺さぶるのは、この装置をドーンと世に送り出してしまうという心意気であった。このような、ハードウェア的にアクが強くて尖った製品を実際に出しちゃうメーカーは、特に最近は少なくなったような気がする。



■ 地図機能について

 俺が使ったのは、まあほとんど製品版と言える状態の貸出機なのだが、お借りできた時間が短かっただけに、ザッとしか使えなかった。ここでは、そんな感じで使ってみての感想を書き連ねたい。ちなみに、使った機種はPHSユニット付きのCOMモデル(PNV1000P)。

 まず、GPS。マニュアルを読まずに、とりあえず機器を手にした瞬間ベランダに出て、GPSのアンテナを立てて測位してみた。D-GPSを使って精度を上げての測位である。測位や(インターネット経由での)D-GPS情報の取得、それからマップ表示までに、付属の内蔵ペンによるタッチ操作が数度必要だが、わりとあっさりと自分のいる場所の地図が表示された。D-GPSを使っているだけあって、自分の位置が表示される制度は非常に正確で、例えば駅のどちら側の出口にいるかがハッキリわかるし、場合によっては道のどちら側に立っているのかもわかる。

 地図全体については、初めて訪れた土地などにおいては情報としてかなり役立つと思われる。自宅周辺(埼玉県入間市)で使ったのだがけっこうしっかり地図が表示されている。欲を言えば、もう一段階詳細な地図があって欲しいところ。都心部等など150mスケールの、徒歩でもかなり実用的な地図が表示される。このくらいのレベルになれば、ビジネスマンが仕事において活用するための“徒歩用地図”として役立つだろう。しかし、そうでない比較的のどかな地区は1500mスケールなので、徒歩で使うにはちょっと大雑把な感じの地図までしか出ない。でも、地図はサーバ側にあって、必要に応じてダウンロードするので、きっと先々各地の詳細地図が用意されることだろう(ずっと用意されなかったりして……)。

 あと、日本地図や東京や大阪の地図はあらかじめ本体に入っているのだが、それ以外の場所や各地の詳細図などは地図を検索するたびにiPoint networkへアクセスしたりする必要がある。

 でも、どこにいようが自分の位置がわかるというのは、非常に気分が良いというか安心というか、かなりイイ感じがする。カーナビを使っている人ならおわかりかと思うが、人間の弱点を補えたようなそんな気分になれる。しかもコレが米国国防総省の衛星からの電波を受信しているがために実現しているトコロに、マニア的な満足を感じてしまう。さらにその国防総省がわざとブラしている情報的な精度を定点観測により補正……あ、なんかどんどん話が逸れるのでやめときます。



■ その他の機能

 電話としても普通に使えた。COMモデルにはPHSユニットが付いているので、DDIポケットの端末としてロカティオをそのまま使えるのである。画面上に現れるテンキー等にタッチしても、内蔵のアドレス機能上の電話番号を呼び出してかけけることもできるので、ナイスと言えよう。ただ、ロカティオの画面表面は顔が映るほどツルツルで、バックライトなし(反射型液晶だヨ!!)なので、電話をかけると顔の油が液晶表面に付着して何となく残念&その後画面がちょっと見にくくなるが、イヤホンマイクも使えるから、まぁいいか。

 デジカメ機能は、ちょこっと使ったが、簡単なスナップを撮ったり、雰囲気がわかる現場写真を撮ったりするにはOKと言えよう。27万画素なので、まあ、ヴィジュアルメモという感じだ。

 その他の機能については、時間の都合でほとんど使い込めなかったのだが、特に違和感を感じた部分は(まだ)なかった。PIMにも電話機にもメーラーにもウェブブラウザにもなるので、もしかしたら俺はこれをずっと持ち歩くことになるかもしれない、と期待している。

 また、地図機能とメーラ、デジカメ機能とアドレス帳など、ソフトウェア的な連携もいいようだ。例えば地図をそのままメールに添付して送ったり、アドレスに顔写真を貼り付けたりするのも簡単。コンピュータとの連携は、基本的なパッケージだけ買えばできるようだ。別売のインテリシンクforロカティオを買うと、Outlookとのデータのシンクロができるみたいなので、俺はとりあえず注文してみた。

 というわけで、とりあえずな感じで使ってみてのレポートだったが、恐らく近々いくつかの周辺機器とともにロカティオが買えるので、その後本格的に使い始めたら、またレポートしたいと思う。

□ロカティオのプレスリリース(エプソン)
http://www.i-love-epson.co.jp/products/category/locatio/index.htm
□ロカティオ製品情報(エプソン)
http://www.i-love-epson.co.jp/products/category/locatio/index.htm

[Text by スタパ齋藤]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp