★ ゲームソフトインプレッション ★

スターウォーズの世界を満喫できる極めつけ3Dシューティング
「ローグ スクワドロン3D」/「X-WING ALLIANCE」


STARWARS
STARWARS ローグ スクワドロン3D
 第1作が公開されてから20年が経過した、映画「スターウォーズ」。当時の特撮技術の粋を結集し、多額の制作費をかけて制作されたこのSF映画は、それまで映画史上においては軽視されていたSFというジャンルを一躍メジャーエンターテインメントの座に押し上げた作品としても名高い。昨年、20周年を記念して制作された特別篇「スターウォーズ・トリロジー」は特撮シーンを最新のCG技術に置き換えての再編集版だったが、20年前のオリジナル版にCGが使用されていなかったという事実の方が驚きに値するという声もあったほど、そのクオリティは高かった。我々30代以降の世代にとっては、SF映画のカリスマ的存在ともいえる「スターウォーズ」なのだけれど、残念ながら若い世代にはそれほど認知されていないようだ。先日、大学出たての友人と映画の話をしていると「スターウォーズって面白いんですか?」という質問が出てしまい、さすがにジェネレーションギャップを感じてしまった。でも、断言してしまおう。「面白い」。

 ゲームの世界でも「スターウォーズ」は多くの作品を輩出している。フライトシミュレーター系の「X-Wing vs Tie Fighter」やQUAKEライクな「Dark forces」など、独特の世界観やメカニックを十分に盛り込み、また、ただのライセンス製品ではなく映画制作会社みずからが設立したゲーム会社が着手した作品らしく、画面の見せ方ひとつ取っても「これぞスターウォーズ」という作品が多い。昨年あたりから活発な新作リリースが続いているが、今回紹介するのはそんな「スターウォーズ」作品の最新作2本だ。どちらも3Dシューティングっぽい作品ではあるけれど、その方向性はかなり異なっている。それでは、早速この2作品を見ていくことにしよう。

エレクトロニック・アーツ・スクウェアのホームページ
http://www.japan.ea.com/
LucasArtsのホームページ(英文)
http://www.lucasarts.com/menu.html



STARWARS ローグ スクワドロン3D


 
【動作環境】
  • CPU:Pentium 166MHz以上(Pentium 200MHz以上推奨)
  • RAM:32MB以上(64MB以上推奨)
  • HDD:55MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上のCD-ROMドライブ
  • Direct3D、Glide対応



STARWARS
気分はもうルーク・スカイウォーカー

 スクリーンショットを見る限りではフライトシミュレーターに見えるこの「ローグ スクワドロン3D」。しかし、プレイしてみると操作は簡略化され、失速することもない。また、残機制+ダメージ制で地表に接触しても耐久度が下がる程度ですむし、目的地への方向もレーダー上で指示されるなど、かなりプレイアビリティを意識して難易度の設定がされている。システム的に近いゲームというと「Fury³」が思い出されるけれど、これももう数年前のゲームなので、ご存知のない方もおられるかもしれない。フライトシミュレーターというよりは3Dシューティングゲームと呼んだほうが適切だといえるゲーム内容なので、フライトものに「難しい」という先入観のある方にもおすすめできるタイトルだ。

 一度ゲームをはじめると、これがもうスターウォーズファンには涙ものの内容。ミッションクリアによるステージ進行タイプのゲームなのだけれど、使用できる機体がX-Wingはまあ当然として、Y-Wing、A-Wing、エアスピーダ(インコムT-47)など、映画でおなじみの反乱軍の名機が名を連ねている上、ステージによってはプレーヤーが任意に機体を選ぶこともできるのだ。敵の方もAT-AT、AT-ST(チキンウォーカー)等の地上兵器や、Tie-Fighter(爆撃機のTie-Bomberや迎撃用のTie-Intercepterも登場)の他、着陸艇や、そこから出てくるタンク・ドロイド。はては帝国軍の一般兵士ストーム・トルーパーに至るまで「これでもか!」というくらいに登場してくる。おまけに主人公は映画版「スターウォーズ」第1期(Episode:IV~VI)の主人公ルーク・スカイウォーカーとくれば、これはまさに映画の中に入り込んでしまったような感覚を味わうことができるというわけだ。

 ゲームは4章構成で、それぞれの章にいくつかのミッションが用意されている。それを順にクリアしていくことで、1つの大きなストーリーを作り上げているといった感じだ。ミッションには敵の迎撃や輸送部隊の護衛、行方不明になった味方機の捜索など、さまざまな種類のものがある。各ミッションをクリアすると、そのステージの成績に応じたメダルをもらえることがある。メダルには金/銀/銅があり、クリアしたミッションはいつでも再挑戦が可能なようになっているので、上のランクを目指して再挑戦するのもいいのではないだろうか。成績はクリアタイムや敵の撃破数、味方の被破壊数などで左右され、上のランクに到達するために必要な条件も同時に知らされるので、再挑戦にも熱が入ることだろう。また、各ステージには新兵器開発のためのテクノロジーが隠されていて、これを発見することで武器のパワーアップもできるようになっている。戦闘の激化する後半戦のためにも、これらの隠し要素をしっかりおさえていくようにしたい。

 プレイしていて感じることのは、相変わらず世界観を大事に、ていねいに作ってあるのが実感できるし、難易度もそれほど高くはない。もちろん、後半のステージは相当歯ごたえがあると思うけれど、それでも「やってみようかな」という気にさせてくれるゲームであることは確かだ。
 ちなみに、LucasArtsのサイトを見にいったら、実はこのゲーム、第4章のステージ16が最後ではなく、その先にも新しいミッションが待っていることが報じられている。そのスクリーンショットには見なれた側溝を飛ぶX-Wingの勇姿が!……ああっ! これはまさかデス・スター様っ! これは、どうしてもクリアしなければならない理由ができてしまったようだ。自分的に。

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「ローグ スクワドロン3D」のページ
http://www.japan.ea.com/archive/brand/lucas/rogue/index.html
Rogue Squadronのホームページ(英文)
http://www.lucasarts.com/products/rogue/
Rogue Squadronのデモ版
http://www.lucasarts.com/products/rogue/rogue_demo.htm



STARWARS X-WING ALLIANCE


 
【動作環境】
  • CPU:Pentium 200MHz以上(Pentium II 266MHz以上推奨)
  • RAM:32MB以上(64MB以上推奨)
  • HDD:140MB以上(280MB以上推奨)
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上のCD-ROMドライブ(8倍速以上のCD-ROMドライブ)
  • DirectX 6以上必須


フライトシミュレーター要素が強い

STARWARS
 一方こちらの「X-WING ALLIANCE」は、かなりフライトシミュレーター色が強い。ジョイスティック(パッドでも可)必須というあたりからも、その差がわかることだろう。また「ローグ スクワドロン3D」が惑星の軌道上、地表近くを転戦するのと対照的に、こちらは宇宙空間を舞台としている。ただし、無重力空間特有の慣性飛行は行なわないなど、ゲーム性を高めることも考えられているのでプレイ感覚自体は極めて良好だ。
 ミッション遂行型のゲームシステムは「ローグ スクワドロン3D」同様だけれど、その内容は大きく違っている。このゲームの主人公は運輸貯蔵会社を営むアッツアミン一家の末子“エース”。輸送船を駆って貨物の運搬をしたり、瓦礫の除去や密輸、スパイ任務などが当初の主なミッション内容となっている。ライバルであるヴィラーゾ一家の妨害工作や乗っ取り工作から家族や会社を守るべく、さまざまなミッションを遂行していくエースは、やがて大きな時代の波に取り込まれていくことになるのだが……。ゲームの後半には、建造中のデス・スターIIも登場するようなので、ストーリー的には映画「ジェダイの復讐」と同じ頃のサブストーリーということになるだろう。

 ミッションの内容もかなり複雑だ。「コンテナをAからBまで輸送し、Cに移動してコンテナの中身をチェックし、サンプルを回収して帰ってくる」などのようにミッションが与えられ、各ポイント間の移動には航法ブイに接近してのワープを使用、コンテナを奪おうとする海賊を撃破する(ただしコンテナは破壊してはいけない)など、事前のブリーフィングでは知らされない突発的な事件も発生する。何をすればいいかは画面上に表示されるし、ミッションに失敗すれば、成功するためのポイントなども教えてはくれるけれど、表示は全て英語なので、それなりの読解力は必要になる。感覚的にプレイできた「ローグ スクワドロン3D」とは、かなり趣が異なり、しっかりとミッションを把握しておかなければ手詰まりになってしまうことも少なくない。こうした面でも両者は好対照ということができるだろう。

 ゲームが進行すると、やがてプレーヤーは反乱軍に参加することになる。ここではX-Wingをはじめとする各種の機体や、ミレニアム・ファルコン号に搭乗することにもなる。一度クリアしたミッションは、Combat Simulatorとしていつでも再プレイできるようになるのは「ローグ スクワドロン3D」と同様だ。
 このCombat Simulatorは、クリアミッションの再プレイのほか、ネットワークプレイに対応し、LANやインターネットを介しての協力/対戦プレイができるようになっている。ここでは“Quick Skirmish”モードを使用し、自分でミッションを製作することも可能なので、より深い楽しみ方ができることだろう。

 マルチプレイ専用のプレイモードもある。こちらはミッションも何もなし。チーム編成を行ない、互いに攻撃しあうバトルロイヤルが繰り広げられる。英語力が不要な分、こちらの方がプレイしやすいことだろう。ここでは、LANなら8人、インターネット経由なら4人、シリアル直結やモデム接続なら1対1の対戦が可能で、インターネット接続の場合はMSN Gaming Zoneを利用しての不特定多数によるプレイや、1人のマシンをホストにして友人同士でのプレイが選択できるようになっている。このとき、各々が搭乗する機体を選ぶことができるのだけれど、その機種はなんと28にも及ぶ。中には聞いたこともないような機体もあるけれど、それぞれに運動性能や攻撃特性などが異なるので、好みに応じた機体を選ぶのが最初の課題になるだろう。あるいは、上級者と初心者のハンディを埋めるのに使用するのもいいかもしれない。

(お詫びと訂正)4月28日掲載時には、Combat Simulatorにおいてクリアミッション後、ミッションクリアステージをネットワークゲームでプレイ可能とした記述がありましたが、誤りでありプレイすることはできません。関係各位にご迷惑をおかけしたことをここにお詫びいたします。(編集部)

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「X-WING ALLIANCE」のページ
http://www.japan.ea.com/archive/brand/lucas/xwing/index.html
X-Wing Allianceのホームページ(英文)
http://www.lucasarts.com/products/alliance/
X-Wing Allianceのデモ版
http://www.lucasarts.com/products/alliance/xwa_demo.htm


 同時期にリリースされた、同じ「飛びもの」である2本の「スターウォーズ」。しかし、その方向性は明確に異なる。これは「X-WING ALLIANCE」がPC版のみのリリースなのに対して「ローグ スクワドロン3D」は海外版のみとはいえNINTENDO64版もリリースされていることからも明らかだ(国内では「出撃! ローグ中隊(仮題)」として発売を予定しているが、発売日は未定)。プレイ環境やゲーム内容、英語力などを吟味しながら、どちらが自分のスタイルにあっているかを選択するといいだろう。もちろん、生粋のスターウォーズファンは両方プレイするに決まっているのだけれど。

 映画の第2期(Episode:I "THE PHANTOM MENACE")も公開が迫っている。ルークの父であり、ジェダイの騎士であり、フォースの暗黒面に取りこまれダース・ベイダーとして帝国皇帝に仕えたアナキン・スカイウォーカーの若き日の物語。この映画をモチーフにしたゲームタイトルもリリース予定で、引き続き活発な展開が期待できそうだ。映画を見る前に、ビデオではなくゲームで世界観をつかんでおくというのも、手法としては面白いかもしれない。映画の情報は公式サイトでも公開されているので、ゲームをプレイした方はこちらもチェックすれば、よりイメージもふくらむことだろう。

(C) Lucasfilm Ltd. & TM. All rights reserved. Used under authorization.

【筆者紹介】
  • 名前:山城 宏
  • プロフィール: 企画・著述業兼システムエンジニア。ゲーム制作のお手伝いもちょっとだけ。現在、某単行本の仕事と並行していて、てんてこ舞い状態継続中。スターウォーズはかなり好き。16年ぶりの新作映画公開には、いろいろと複雑な心境もあったりしますが、とりあえずは楽しみにしています。でも、アナキン9歳なんだよなぁ。どんな話になるのやら。
【総プレイ時間・ハード環境】
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機(Pentium II 400MHz、RAM 224MB、HDD 約20GB、2倍速DVD-ROM、3D BLASTER Banshee(AGP 16MB)、SOUND BLASTER AWE64、IF-SEGA/ISA+セガサターンパッド)

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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp