この発表資料によると、マイクロソフトはパソコンメーカーに対し、同社の表計算ソフトExcelをパソコンにバンドルして出荷する権利を許諾する際に、不当にワープロソフトWordおよびPIMソフトOutlookを併せて搭載または同梱させているなどの事実が認められたため、これが抱き合わせ販売にあたるとして勧告を行なったとしている。
違反事実としては、'95年1月ごろ、マイクロソフトがExcelとWordを合わせてバンドルする契約の締結を富士通に申し入れたが、富士通はExcelとジャストシステムの一太郎のバンドルを希望。Excelのみをバンドルする権利許諾の締結を要請したところ、マイクロソフトはこれを拒否、ExcelとWordを併せてプリインストールして出荷する権利許諾の締結を受け入れさせた、など具体的な実例を複数挙げている。
公正取引委員会はさらに、マイクロソフトは一部のパソコンメーカーに対して競合ブラウザを取り外すことを条件としてOSのライセンス料を引き下げた、あるいは引き下げることを提案していた疑いが認められたとしている。また米Microsoftが日本国内の大手プロバイダー11社との間で、OSで会員獲得サービスを提供することと引き換えに、競合ブラウザの取り扱いを制限する内容の契約を締結していた事実、およびマイクロソフト日本法人がこの契約の締結に加担していた事実が認められた。そこで公正取引委員会はこの2件に関して、公正な取引方法の規定に違反するおそれがあるため、マイクロソフトおよび米Microsoftに対し、警告を行なったとしている。
□公正取引委員会のホームページ
http://www.jftc.admix.go.jp/
□プレスリリース(PDFファイル)
http://www.jftc.admix.go.jp/pressrelease/98.november/98112001.pdf
□マイクロソフトのホームページ
(11月24日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.microsoft.com/japan/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981120/ms.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980114/ms.htm
('98年11月24日)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]