フォトジェニック
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このコーナーでは初めて紹介するPC-9800シリーズ専用モノ。コンシューマ機への移植が決定している「フォトジェニック」を取り上げる。パッケージを見ると「恋愛フォトシミュレーション」と書かれているが、じつは違う(笑)。いままでの生ぬるい恋愛モノとはひとあじ違った、純愛をテーマにしたゲームなのだ。
●コンテストで賞を獲るのが目的?
最初に言っておこう。フォトジェニックはシミュレーションではなく、恋愛アドベンチャーだ(と思った)。これについては、後半で説明するつもり。
まずは、あまりメジャーなゲームではなさそうなので、詳しくゲーム内容を紹介しよう。主人公、瀬田雄吾(プレイヤー)は、風景写真を中心に活動しているカメラマン。ある日、瀬田が仕事をしている小談社「グラウンドフォト」の編集長「沢渡誠信」に呼び出されるところからゲームは始まる。瀬田は沢渡編集長に「フォトコンテスト」に参加するよう勧められる。このコンテストは18歳以下の女性をテーマにしたもので、風景しか撮れない瀬田のカメラマンとしての幅を広げるために、編集長は参加を勧めたのだ。コンテストの締め切りは来年の3月で、ゲームは4月から始まるため、撮影期間は1年弱である。この期間にモデルを探し、撮影しなければならない。といっても、モデル候補はすでに決まっていて、3人いる。それぞれをカンタンに説明しておこう。
この3人のモデルは、4月から1か月にひとりずつ登場する。登場のしかたは順番によって変化するので、すべての登場パターンを見るには6回プレイしなくてはならない。このほかにも3人のモデルの関係者が数人登場する。この関係者との関わり方が後半大切になってくる。
と、ストーリーはこんな感じだ。一応、目的はコンテストで金賞を取ることなのだが、恋愛シミュレーションといっているだけに、これで終わるわけはないのだ。
●友好度を上げるには……
ゲームの流れは、最初にプレイヤーの1週間の行動を指定し、その中でどの曜日に休むかを決める。そして、指定した休みに町をウロウロして、目的の女の子を探す。もし、女の子に町で出会い、条件がそろえば、イベント発生というワケだ。すごく単純そうに見えるが、これがまた難しいのだ。
一応、フォトジェニックはシミュレーションなので、パラメータが存在する。撮影技術に関するものがふたつあり、人物技術値と風景技術値がある。この値はそれぞれの特訓をすることで上昇するのだが、あまり訓練することは考えなくていい。というのも、プレイヤーは1週間に1日だけ自由に行動できるのだが、そのとき沢渡編集長の家にいけば、このふたつの値を上げられるからだ。だから、とくに特訓することはない。それよりも大切なのが、行動限界値。これは1日に移動可能な範囲を広げることができる。これをまめに上昇させれば、イベントとも遭遇しやすくなる。後は、それほど重要でもないが、お金もいる。ヒマなときは、仕事をしてお金をかせごう。
さて、フォトジェニックに関わらず、恋愛モノには友好度というものが隠れている。もちろん、フォトジェニックにもあって、これを上げるには、できるだけふたりの関係を深める必要がある。その手段のひとつとしてイベントがあるのだ。フォトジェニックの場合、友好度を見極める手段として、町で出会ったときの会話から判断する。これがぎこちなかったりすると、まだまだ友好度が低いということだ。で、友好度が高ければ、どんどんイベントが発生するし、撮影も進むというしくみになっている。つまり、撮影をしたければ、モデルと仲良くなれ、ということ。この辺は、よくできてるなぁ、と感心する。
最初にフォトジェニックはアドベンチャーだといったが、これは登場する女の子が3人しかいないところに起因している。巷にあふれかえっている恋愛モノを見てみると、登場人物が10人近くいるものがほとんどだろう。それを考えると、3人というのは少ない。それだけ、ひとりに対するイベントの数もたくさん用意されているということなのだ。そして、結局、個々のストーリーはすでに用意されており、プレイヤーはイベントを通過するために、その女の子のストーリーを追いかけるだけになってしまっている。でも、それはそれでおもしろいので、まあいいか。
●イベントを発生させることが重要
3人の女の子と仲良くなるなんて、簡単! と思った人、それはかなり甘い。とにかく、イベント発生条件が複数あるので、セーブ&ロードの繰り返しが必要になってくる。フォトジェニックを同級生と同レベルに考えてると、バッドエンディングの繰り返しになることは間違いない。
似たようなシステムを採用している「同級生」の場合、けっこう親切に日時と場所を教えてくれるが、フォトジェニックではまずない。と同時に、「同級生」はひとりと決別すれば、必ず別の誰かと仲良くなれるようになってるが、フォトジェニックには、そういうこともない。そのあたりが難しいと感じる理由だ。言いかたは悪いが、かなり不親切に感じるゲームだとも言える。でも、そんなに悪意は感じないし、難しければ、また攻略に燃えてくる。これもまた、フォトジェニックのいいところなのだ。とにかく、クリアへの近道は、まめにセーブすること。
私自身、ファーストプレイではバッドエンディングだった。2回目でやっとひとりを攻略。ひとりのストーリーを理解すると、イベント発生のトリガーがどこにあるのかだいたいわかるので、ゲームもプレイしやすくなる。まずは、とにかく誰でもいいからクリアしよう。
フォトジェニックのおもしろいところは、いかにモデルの女の子と仲良くなるか、その過程にあるのだから、ここでイベント発生条件を書いてしまうと、楽しみが減ってしまうことになる。だから、3人のモデルの娘たちの背景も書かなかった。でも、それだけでは寂しいので、ちょっとヒントだけでも書いておこう。まず、学校イベント。プレイを進めていくと、必ずヒントがみつかるはずなので、逃さずにチェック。そして、大切なのがクリスマスイブ、元旦、バレンタイン。なんとなく、いい写真が撮れそうな気がしない? あとは早めに狙いを定めて、女の子の話をよく聞いておくことかな。これらを頭に入れてプレイすれば、ハッピーエンディングも少しは近づくかもしれない。とにかく、久しぶりに楽しいと感じた恋愛モノだ。
[Reported by 尾道晃]
□Weekend Summary
●マイクロマウス、「Shadows of the Empire(帝国の影)」 ほか