パソコンと大画面テレビが融合する日

●米消費者の50%がパソコン/テレビ融合製品を望んでいる

 「2フィートの世界と10フィートの世界」これは、先週の松下電器産業の家庭用パソコンWOODYの新機種発表の際に飛び出したセリフだ。2フィート(約60cm)とはパソコンのモニタとユーザーの距離、10フィート(約3m)とはテレビと視聴者の距離を指す。そして、同社は将来10フィートの世界へパソコンの技術をもたらすことを示唆した。つまり、大画面でテレビもパソコンも使える、新しいリビングルーム向け家電の世界へ踏み込もうというわけだ。
 しかし、これは松下だけの発想ではない。それどころか、すでに米国では、こうした大画面テレビとパソコンの融合製品が大きな潮流になりそうな気配を見せているのだ。
 まず、今年前半に、米NetTV社と米Gateway 2000社が、それぞれ30インチクラスの大画面のホームパソコンを発表。さらに、米Compaq Computer社も、5月22日に大手テレビメーカー米Thomson Consumer Electronics社と提携して、大画面テレビとパソコンを融合させた新しいホームエンターテイメント家電を97年に発売すると宣言した。
 こうした、PC/TVが相次いで登場し始めた背景には、2つの要因がある。ひとつは大画面ディスプレイの低コスト化だが、もっと重要なことはニーズの急激な高まりだ。米国の家電業界団体Consumer Electronics Manufacturers Association (CEMA)が5月22日に発表した調査結果では、一般家庭のなんと約50%が、パソコンとテレビの融合型製品を買う気があると答えたという。
 つまり、テレビ感覚でリビングで使えるなら、CD-ROMやインターネット、Eメールも使ってみたいという層がどっさりいるというわけなのだ。ニーズは確かと見れば、さらに参入メーカーは増えるのは当然。今後は、ますますこの潮流が膨れ上がる可能性が高い。
 結局、テレビに接続したり組み込んでインターネットアクセスやネットワークアプリケーションの利用を可能にするインターネット端末やインターネットテレビも、これと同じニーズを狙った製品。違いは、パソコンのアプリケーションの継承を重視するか、低コストを重視するかだけだ。この調子では、そのうち、単純にテレビ放送だけが映るオリジナル「テレビ」なんて、なくなってしまうかも知れない。

NetTV
Consumer Electronics Manufacturers Association (CEMA)のレポート
Gateway 2000のWWWサイト
CompaqのWWWサイト

('96/6/3)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp