NEW PRODUCTS TESTREPORT

	JCS
	Vintage VC82000XA
	高い信頼性が魅力のPentium 4＋Intel 850搭載機
	TEXT：橋本新義　Shingi Hashimoto

ケースはYEOU CHIH製。作りは重厚で信頼性が高い。また、背面部にはUSBの増設ブラケットも装着されている

　8月に登場したPentium 4 2GHzは、Intel製CPUのハイエンド製品として、またx86系CPUで初めて2GHz台に到達したCPUとしてパワーユーザーの注目を集めている。こういった需要を受けて、各メーカーも続々とラインナップにこのCPUを搭載したマシンを用意し始めた。

　ハイエンドマシンでは実績の高いJCSこと日本コンピューティングシステムも、早速ラインナップを拡充し、Pentium 4 2GHzマシンを投入した。それがこの「Vintage VC82000XA」である。同社は、速度と安定動作の両立を図りつつ、パーツ自体は拡張性に優れる汎用品でまとめるという、難しいバランスをうまく保つベンダーとして評価が高いが、本機でもそうしたこだわりは健在だ。

　本機の目立った特徴としては、Socket423版のPentium 4を採用している点が挙げられる。Socket478版と比較して将来のアップグレードという面では不利だが、すでに実績があるプラットフォームである。堅いシステム構成をウリとする同社の考え方が色濃く出ている選定と言えるだろう。

　そして、マザーボードにはASUSTeKのP4Tを搭載。チップセットにIntel 850を採用しているため、メモリはRDRAMとなる。Intel 850とRDRAMの組み合わせは、安価なSDRAMをPentium 4システムで使用可能にする代わりにパフォーマンスでやや劣るIntel 845が登場したことにより、その性能の高さがパワーユーザーの間で再び話題を集めている。確かに価格的にはIntel 845システムにおよばないものの、Pentium 4の性能を100％発揮するためには不可欠な構成と言え、ハイエンドマシンとしては妥当な製品選択と言えるだろう。

マザーボードはASUSTeKのP4T。Intel 850搭載ボードとしてはスタンダードなものだが、その分相性問題なども少ない

　今回の試用機は標準構成であるが、その内容はハイエンドモデルにふさわしいものだ。HDDには容量80GB、7,200rpmのWestern Digital WD800BB、光学ドライブにはDVD-ROM/CD-RWコンボドライブとして評価の高いリコーのRW9200Aが採用されている。また、特徴的なのはビデオカードで、GeForce3を搭載したELSAのGLADIAC 920が搭載されるが、こちらは黒色基板の新バージョンが早くも採用されていた。各パーツの構成はBTOで選択可能だが、一部のメーカーでは供給の問題から対応していない512MBのメモリモジュールを4本使って、2GB構成も可能とするなど、ハイエンド用途にも対応できる構成を採ることも可能である。

　ケースには、設計の優秀さから採用例が多いYEOU CHIH製だ。このケースには、ケースの左側面から拡張カードを押さえて、緩みを防止する「拡張カード用スタビライザ」などがオプションとして用意されているが、本機はこれもしっかりと装着された状態で組み上げられている。また、BTOでケースまでも選べるようになっているため、デスクトップ用ケースなどへの変更も可能と、非常に柔軟な構成が可能だ。

　ソフトウェア面でも、光学ドライブやサウンドカードの主要付属アプリケーションがすべてインストール済みとなっているなど、JCSらしいていねいな作りは健在だ。

本機に搭載されていたPentium 4 2GHz。ソケットの形状はSocket 423に対応する

　試用機の構成で、価格は300,000円オーバーとなるが、各パーツの信頼性としっかりした保証を考慮すれば、決して高価なものではない。Pentium 4 2GHzの絶対的な性能の高さと安定性が重要な各種用途、とくに3Dグラフィックス作成やヘビーな動画編集などにお勧めできるマシンに仕上がっていると言えよう。