NEW PRODUCTS TESTREPORT

	メルコ
	IFC-USB2P / CRWU2-B1610
	USB 2.0対応インターフェースカードとCD-R/RWドライブ
	TEXT：中嶋敦司　Atsushi Nakajima

採用するチップはNEC製。カード自体の縦幅は短く、付属の交換用ブラケットを使用することで、Low Profile PCIスロットに装着することも可能

コネクタは従来のUSB 1.1と同じUSB Aコネクタ。USB 1.1と2.0の機器を同時に接続しても問題ない

　現行のUSBはUSB 1.1と呼ばれるバージョンで、最大転送速度は12Mbpsとなっているが、この夏に入ってから、最大転送速度480MbpsのHi-Speedモードを持つ次世代規格、USB 2.0をサポートした機器が各社から発売され始めている。メルコが販売するUSBインターフェースカード「IFC-USB2P」と外付けCD-R/RWドライブ「CRWU2-B1610」もそうしたUSB 2.0対応デバイスの一つだが、両者とも800社以上が加盟するUSB Implementers Forumによる認証テストに合格した製品に与えられる“Hi-Speed USB”ロゴを世界で初めて取得した点が注目される。USBが登場した当初はデバイスの互換性に問題がある場合も少なくなかったが、USB 2.0の場合はこのロゴを持った製品同士の接続が先述の団体により保証されているので、新しいデバイスとはいえ、安心して使用することができるというわけだ。

　IFC-USB2PはNEC製のUSB 2.0対応コントロールチップを搭載したPCIスロット用のカードで、ブラケット部に外部機器接続用のコネクタを二つ、ボード上に内部機器接続用のコネクタを一つ装備している。

　Hi-Speed USBロゴを一早く取得した本製品だが、その購入にあたって認識しておかねばならない点がある。対応するOSはWindows Me/98/2000だが、同梱されるドライバはUSB 2.0に対応していないため、480Mbpsの転送速度を活かすことができないのだ。ただ、これは本製品に限ったことではなく、現在発売されている、ほとんどの他社製USB 2.0インターフェースカードでも同様で、将来的に提供されるUSB 2.0対応ドライバの提供待ちの状況だ。メルコによれば、Windows Me/98用のドライバに関しては、7月中旬には正式版のドライバが同社のWebサイトからダウンロード可能になる予定だと言う。また、Windows 2000用ドライバは当面登場せず、NT系OSで使用できるのは、Windows XPに含まれる標準ドライバが最初になるようだ。

CRWU2-B1610の内部では、従来のUSB接続ストレージと同様に、ATAPI-USB変換が行なわれている

CRWU2-B1610の背面。PCとの接続には、こちらもUSB 1.1対応デバイスと同様、USB Bコネクタを使用する

　こういった状況のため、Hi-Speedモード対応ドライバが入手できない環境では、速度面での恩恵はほとんど受けることができない。むろん、USB 1.1互換インターフェースとしては問題なく利用できるので、将来のUSB 2.0のサポートを副次的なものと考えて、標準搭載のUSBポートが足りなくなった場合などにハブ代わりとして増設カードを使用する、といったように割り切って使用するのであれば問題はない。ちなみに、440BXなどの一部のチップセットでは二つのUSBポートを同時に利用した場合に速度低下が起きたが、本製品ではこうした現象はなくなっている。

　Hi-Speed USBロゴを持ちながら、その価格は10,000円を切っているので、USB 2.0対応環境を一早く試してみたい場合には、手頃で安心感も高い有力な選択肢となるだろう。

　一方、CRWU2-B1610は書き込み最大16倍速、書き換え最大10倍速、読み出し最大40倍速のスペックを持った外付けUSB接続のCD-R/RWドライブで、スタイリッシュなメタリックパープルの筐体の中に、プレクスターのATAPI接続ドライブPX-W1610TAと、ATAPI-USB 2.0変換アダプタを内蔵している。ただし、本製品が先述のスペックで動作可能なのは、Hi-Speedモードでの動作時のみとなっており、従来のUSB 1.1環境でも動作が保証されているものの、その速度はUSB 1.1の速度がネックになり、書き込み/書き換え/読み出しともに、最大8倍速に制限される。

　実際にWindows 2000をインストールしたマシンに、IFC-USB2Pと同梱のドライバを導入し、これと接続したところ、16倍速での書き込みを指定しても、書き込みエラーが発生してしまった。もちろん、8倍速での書き込みは正常に完了し、通常のUSB 1.1対応ドライブとしての動作はまったく問題なかった。

　USB 1.1対応CD-R/RWドライブとしてみても最大8倍速書き込みは最速であり、バッファアンダーランエラー防止機能BURN-Proofを備えていることも考慮すると、今後USB 2.0環境への移行を予定しているユーザーはもちろん、従来のUSB 1.1環境での使用を考えているユーザーにも注目してほしい製品だ。

【7月12日追記】USB 2.0用ドライバはβ2版がWindows 98/98SE用が12日に公開されている。Windos Me/2000用は7月末に公開される予定。(PC Watch編集部)

・メーカー：メルコ
・問い合わせ先：03-5350-7897
・URL：http://www.melcoinc.co.jp/

・製品名：IFC-USB2P
・標準価格：8,500円
・対応スロット：PCI
・インターフェース：USB 2.0×3
・データ転送速度：最大480Mbps
・本体サイズ：120×61×2mm
・重量：50g

・製品名：CRWU2-B1610
・標準価格：31,000円
・インターフェース：USB 1.1/2.0
・書き込み速度：最大16倍速
・書き換え速度：最大10倍速
・読み出し速度：最大40倍速
・平均シークタイム：140ms
・バッファサイズ：2MB
・書き込みエラー防止技術：BURN-Proof
・本体サイズ：160×274×65mm
・重量：1.8kg

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□メルコのホームページ
http://www.melcoinc.co.jp/
□製品情報
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/i/ifc-usb2p/(IFC-USB2P)
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/c/crwu2-b1610/(CRWU2-B1610)
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010517/melco.htm