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NEW PRODUCTS TESTREPORT

日本HP
hp pavilion 2270
スタイリッシュな省スペースPCがテレビ表示・録画機能を搭載
TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima


USB、IEEE 1394といった、はやりの機能だけでなく、シリアル、パラレルポートやFDDもサポートされている
 日本HP初のコンシューマ向けデスクトップモデルとなったhp pavilionシリーズ。メタリックブルーを基調とする落ち着いたデザインのスリム筐体に、豊富なインターフェイスを搭載するという構成は、日本のユーザーニーズにも合ったもので、その存在は市場でも広く認知されたようだ。

 今回紹介するhp pavilion 2270は、6月に発表された新しいpavilionシリーズの最上位モデルだ。筐体デザインは従来機hp pavilion 2250と同様で、CPUにPentium III 1.0BGHz、チップセットにi810Eを採用し、128MBのメインメモリを搭載する基本構成に変更はないのだが、AV機能が大幅に強化されている点が最大の特徴だ。

 もっとも注目されるのは、同シリーズとして初めてテレビチューナー・キャプチャカードが搭載され、はやりのテレビパソコンとしても使用することができるようになったことだろう。Windows上でのテレビまわりの機能はInter VideoのWinDVRによって実現されており、地上波1~64チャンネルの表示に対応する。録画形式はMPEG-1、およびMPEG-2で、最大720×480ドットまでの解像度が利用できる。


スリムな筐体ながら、Low Profile PCIではなく通常のPCIスロットを備える点はありがたいが、空きスロットはない
 もちろん、放送中の番組を巻き戻すことが可能なタイムシフトモードや、インターネット番組表iEPGを利用した録画機能、放送中の番組を分割画面で一括表示するサーフィン機能など、テレビパソコンに求められる機能はほぼ揃えられている。

 MPEG-2形式による録画はファイルサイズが大きくなりがちだが、HDDの容量は従来の40GBから60GBへと強化されており、640×240ドット/bitレート5.6MbpsのMPEG-2画像を最大約21時間録画することが可能だ。

 豊富なインターフェイス類も従来と同様に装備しており、前面部右側のフタの内側には2基のType2のPCカードスロットとIEEE 1394、シリアルポート、左側のフタの内側には二つのUSBポートと音声まわりの端子が用意されている。背面にはUSB、PS/2、パラレル、モデムなどの一般的な端子に加え、10BASE-T/100BASE-TXに対応したイーサネットポートも用意されているため、LANへの参加や、ADSLやCATVインターネットへの接続で利用されるブロードバンドルーターとの連係もオプションの増設なしで可能だ。このほか、2250のウリの一つであったDVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブも、書き込み速度が従来の4倍速から8倍速タイプへと変更されており、CDの作成もより手軽に行なえるようになった。


本機のテレビ機能はWinDVRによって実現されている。比較的マシンパワーを必要とするソフトだが、Pentium III 1.0BGHzを搭載する本機では問題なく動作する(画面ははめ込み合成)
 やや不満な点を挙げるとすれば、3本のPCIスロットがすべて使用済みで、内部拡張が難しい点だろう。ただ、イーサネットポート経由でインターネットに接続する場合、モデムはほとんど使用されないはずなので、モデムカードを取り外すといった工夫で回避できる。また、筐体の開閉にドライバーを使用する必要がなく、カバーをずらすだけで内部にアクセスできる構造はよく考えられているが、従来と同様カバーを取り外すのにかなりの力が必要となる点は改善が望まれるところだ。

 とはいえ、スリムな筐体にコンボドライブやDVキャプチャ機能、さらにテレビ表示機能までを搭載した本機の完成度は高い。デザイン、省スペース性、多機能性という、両立の難しい要素を1台で満たしたい場合に貴重な選択肢となる製品だ。


・製品名:hp pavilion 2270
・標準価格:オープン(hp select価格184,800円)
・メーカー:日本HP
・問い合わせ先:03-5350-7827
・URL:http://www.hp.com/jp/
・CPU:Pentium III 1.0BGHz
・チップセット:Intel 810E
・メモリ(最大):128MB SDRAM(512MB)
・HDD:60GB(Ultra ATA/66)
・FDD:3モード
・DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ:DVD-ROM読み出し最大8倍速、CD-R書き込み最大8倍速、CD-RW書き換え最大4倍速、CD-ROM読み出し最大32倍速
・ビデオチップ:Intel 815E内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共用(最大11MB)
・最大解像度:1,600×1,200ドット/256色
・サウンドチップ:AC '97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90、K56flex対応)
・キーボード:109キー(PS/2接続)
・拡張スロット(空き):PCI×3(0)、PCMCIA Type2×2(Type3×1、CardBus対応、空き×2)
・インターフェイス
 ■本体前面:USB×2、IEEE 1394(S400、6ピン)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1
 ■本体背面:USB×2、IEEE 1394(6ピン、S400)×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub15ピン)×1、ディスプレイ(DFP)×1、LINE OUT×1、マイク×1、スピーカー×1、GAME/MIDI×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
 ■テレビチューナーカード部:S-VIDEO IN×1、VIDEO IN×1、LINE IN×1、アンテナ(F型)×1
・本体サイズ(W×D×H):99×370×326mm
・重量:7.8kg
・OS:Windows Me
・付属ソフト:WinDVR、MegaVi DV、エンカルタ百科事典 2001 Basicなど


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□日本HPのホームページ
http://www.hp.com/jp/
□製品情報
http://www.jpn.hp.com/hho/pavilion/2270/
□関連記事
【5月23日】日本HP、世界初のPentium III 900MHz搭載デスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010523/hp.htm


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