|
NEW PRODUCTS TESTREPORT |
カノープス | ||
SPECTRA F11 PE32 | ||
高画質と価格の両立を図ったGeForce2 MX 400搭載ビデオカード | ||
TEXT:本間 文 Bun Honma |
カードの設計は画質面で高い評価を受けた従来製品のSPECTRA F11とほぼ同一になっている |
むろん、この高速化こそ、3Dグラフィックス性能が飛躍的に向上した要因でもあるのだが、5、6年前のように、高性能ビデオカードが100,000円前後でも売れる時代とは違い、ハイエンド製品でも50,000円以下の価格帯が要求される。このため、チップが高速になっても、それに見合ったカード設計がなされない場合が多い。しかも、nVIDIAチップを搭載したビデオカードの場合、同社のリファレンスカードをベースに開発しているケースが多く、GeForce2 GTSから50%近くもクロックが上がったGeForce2 Ultraを、同じカードベースで実装すること自体にムリが生じ、ノイズが発生してしまうのだ。
標準状態ではDsub15ピンのコネクタを装備。オプションによってBNCコネクタに変更することもできる |
nVIDIAの開発者によれば、このGeForce2 MX 400は、GeForce2 GO同様プロセスを0.18μmから0.15μmへとシュリンクしたバージョンで、プロセスが進化した分、高速化が可能になり、コアクロックは183MHzから200MHzへ、またメモリクロックは166MHzから183MHzへと高められたモデルだと言う。当然、ビデオチップのコアクロックが上昇すれば、ノイズは発生しやすくなる。しかし、カノープスがSPECTRA F11専用に開発した基板は、オーバークロック動作時にも画質が劣化しないように余裕を持って設計されていたこともあり、1,600×1,200ドットを超える高解像度で使っても、チップの変更による画質への影響は感じられなかった。
本製品に搭載されているGeForce2 MX 400。高性能で安価なGeForce2 MXの後継として、採用例は多い |
それもそのはず、実はメモリについては、従来のSPECTRA F11においても185MHz(5.4ns)動作のSDRAMを166MHzで駆動させていたが、このSPECTRA F11 PE32でも、従来のGeForce2 MX同様メモリクロックは166MHzのまま動作させているのだ。これは、メモリクロックを引き上げることでノイズが発生することを嫌っての処置と思われる。
もちろん、SSH(Signal Super Highway)やDFI(Dual Filter System)も健在で、組み合わされるディスプレイに応じて、信号レベルを調整することができるのは従来製品どおりだ。むろん、画質よりスピードを優先するユーザーが多いことも確かだが、リテール販売されるビデオカードの大半が、nVIDIA製チップを搭載したカードになった今、あくまでも画質にこだわった作りをした本製品のようなカードこそ貴重な存在と言えるだろう。
ベンチマーク環境 CPU:Pentium III 1.0BGHz、マザーボード:ASUSTeK CUSL2、メモリ:PC133 SDRAM 256MB(CL=3)、HDD:IBM DTLA-307030(Ultra ATA/100対応 30GB)、OS:Windows Me(DirectX 8.0aインストール)、1,024×768ドット/32bitカラー、Vsync=OFF |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□カノープスのホームページ
http://www.canopus.co.jp/
□製品情報
http://www.canopus.co.jp/catalog/spf11/spf11pe32_index.htm
□関連記事
【5月2日】カノープス、GeForce2 MX 400搭載の「SPECTRA F11 PE32」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010502/canopus.htm