鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第158回:3月12日~3月16日


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●キーワード


3月13日

■■ Adobe、Webベースでの利用を強化した「Acrobat 5.0」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010313/adobe.htm

ODBC(Open DataBase Connectivity)
オーディービーシー

 Microsoftが開発し'91年に発表した、データベースシステム(DataBase ManagementSystem[DBMS])にアクセスするためのAPI(Application Program Interface)。

 異なるシステム間を統一されたインターフェイスでアクセスできるようにするためのもので、DBMSとアプリケーション間の橋渡しを行なうODBCドライバを用意。このODBCドライバは、ハードウェアのドライバと同様、アプリケーションからの呼び出しに応じてDBMSへの要求を処理するもので、これを介すことによってシステムの違いが吸収され、アプリケーションからは、ODBCが規定する同じアクセス方法で、データベースの基本的な操作が行なえるようになっている。

 データベースのアクセスを前提に設計されたODBCに対し、現在は、OLE DBと呼ばれる新しいインターフェイスも用いられている。こちらは、COM(Component Object Model)インターフェイス(さまざまなプログラムモジュール間の共通インターフェイス仕様)に沿って作られたデータアクセス用のAPIで、データベースはもとより、メールやドキュメントなどさまざまなデータソースにアクセスできるように設計されている。ちなみに、データソースに対するさまざまな処理を行なう、ODBCドライバに相当するモジュールを「OLE DBプロバイダ」という。

【参考】
□リレーショナルデータベース
hhttp://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980708/key37.htm#relationaldatabase
□SQL(Structured Query Language)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971028/key4.htm#sql


3月15日

■■ イージーシステムズ、QSound対応のバーチャルサラウンドソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010315/qmax.htm

QSound
キューサウンド

 '88年に設立された、3Dオーディオ技術をベースとしたソフトウェアの開発で知られるカナダの企業、および同社が開発したオーディオ技術の総称。

 3Dオーディオには、インタラクティブな3Dゲームに用いられ、画面に合せて音場や定位をリアルタイムに制御するポジショナル3Dオーディオ(あるいはインタラクティブ3Dオーディオ)。ステレオソースに広がり感を付けるステレオエンハンサー。Dolby Digital(AC-3)やDTS(Digital Theater Systems)に代表される、複数のチャンネルを使って録再生するマルチチャンネルサラウンドなどがある。

 QSoundは、オーディオソースの音量差や時間差、位相差等を制御したり、音場(部屋の大きさや壁の材質等)をシミュレートして残響等の効果を付加するといったことをリアルタイムで行ない、定位や音場を操作するデジタルプロセッシング技術で、ポジショナル3Dオーディオは「Q3D」、ステレオエンハンサーは「QXpander」と呼んでいる。もう1つの「QSurround」は、マルチチャンネルサラウンド向けの技術である。これには、ステレオソースをマルチスピーカー用にエンコードするQMSS(QSound Multi-Speaker System)も含まれているが、主体となるのは、2つのスピーカーあるいはヘッドホンの環境で、マルチトラックサラウンド効果を得るいわゆるバーチャルサラウンド機能を提供する。

 QSoundは、同社から発売されているコンシュマー向けの「QMax」やクリエイター向けの「QTools」などの製品のほか、各社にOEMされており、サウンドカードやDVDソフト、マルチメディアスピーカーなどに使われている。

□QSound Labs
http://www.qsound.com/
【参考】
□Dolby Digital
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980303/key20.htm#AC-3
□DTS(Digital Theater Systems)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990701/key82.htm#DTS
□DirectSound 3D(DS3D)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000120/key104.htm#DS3D
□EAX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990722/key85.htm#EAX


3月16日

■■ アイ・オー、ノート用内蔵HDDに不具合
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010316/iodata.htm

FDISK(Fixed DISK)
エフディスク

 MS-DOSやWindows(NT、2000を除く~以下同じ)に付属する、ハードディスクにパーティションを設定するユーティリティ。

 '83年にリリースされた、ハードディスクのサポートが加わった「MS-DOS(PC-DOS) 2.0」から添付されるようになったプログラム(※1)で、パーティションの作成や削除、アクティブ領域の設定、パーティション情報の表示など、パーティションに関わる諸機能を提供する。

 MS-DOSやWindowsでは、HDDを最大4つの領域に分割し、別のドライブのように扱うことができる。この分割された個々の領域をパーティション(partition)といい、大容量HDDを複数のドライブとして使用したり、1つのHDDに異なるOSやファイルシステムがインストールできるようになっている。FDISKは、このパーティションの管理を行なうためのユーティリティで、Windows環境においても、MS-DOSプロンプトで実行するコンソールコマンドとして提供されている。

 MS-DOSやWindowsで扱うパーティションには、OSを起動することのできる(システム起動時に実行するブートプログラムが置ける)基本パーティション(primary partition~MS-DOS領域)と、複数の論理ドライブを作成できる拡張パーティション(extended partition~拡張MS-DOS領域)の2種類があり、1つのHDD上には、最大4個までの基本パーティションと1個の拡張パーティションを組み合わせて作成することができる。ただし、同時に利用することのできる基本パーティションは1つだけに限定されており、使用するように設定された基本パーティションのことをアクティブ領域という。すなわち、作成できるパーティションは最大4つだが、同時に利用できる組み合わせは、「基本×1」、「拡張×1」、「基本×1+拡張×1」の3通りとなる。

 拡張パーティションは、パーティション内をさらに複数の論理ドライブに分割することができ、基本パーティションと各論理ドライブそれぞれを、個々のディスク(ボリューム)として認識。ボリューム単位に個別にフォーマットを行ない、各ボリュームにファイルシステムを作成する。

 システムは通常、ATA(IDE)のプライマリマスター、スレーブ、セカンダリマスター、スレーブ、そのほかのインターフェイス(複数ある場合は認識順)の順にドライブをサーチし(設定で変更できる機種もある)、まず全ての基本パーティションに「C」から順にドライブ名を割り当てていく。論理ドライブは、その後にドライブ名が割り当てられるので、後から基本パーティションを作成したドライブを追加すると、論理ドライブのドライブ名が変わってしまう。

※1 国内で広く普及していたNECのPC-9800シリーズ用のMS-DOSでは、FORMATがFDISKの機能を内包していたため、MS-DOS時代にはFDISKは存在しなかった。

【参考】
□パーティション
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991022/key95.htm#partition
□FAT16、FAT32
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#FAT16

[Text by 鈴木直美]


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