NEW PRODUCTS TESTREPORT

	ティアック
	RW-02USB
	USB接続の可能なオーディオ用CDレコーダ
	TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

高い質感を持ったRW-02USB。オーディオラックに収めてもまったく違和感はない

　ティアックからちょっとユニークなCD-R/RWドライブが発売された。RW-02USBというその製品名からも分かるように、USB接続のドライブなのだが、一般のPC用CD-R/RWドライブとはやや製品ジャンルが異なるのだ。

　RW-02USBは基本的にPC周辺機器ではなく、オーディオ機器の一つ、“CDレコーダ”であると言ってよい。これは、本機の発売元がPC用のCD-R/RWを販売するティアックシステムクリエイトではなく、その親会社でオーディオ機器を手がけるティアック本社であることからも分かるだろう。また、本機の派生型としてUSBインターフェースを省いたオーディオ専用モデルRW-02という製品が50,000円で発売されている。

CD-Cooker。シンプルな操作系のため、あまり知識を持っていなくともある程度の作業を行なうことができる

　CDレコーダとは、MDやDAT同様のデジタルレコーディング機器で、CD-R/RWメディアに対して、アナログ経由での録音はもちろん、CDやMDなどからのデジタル録音が可能というものだ。ただし、著作権保護機能SCMSにより、第一世代のソースからしかダビングはできない。ここで用いることができるメディアは一般のCD-RやCD-RWではなく、音楽用のCD-RやCD-RWである。もっとも音楽用と言っても、こちらのほうが音質的に優れているというわけではない。このメディアには著作権保護情報が書かれているとともに、JASRAC（日本音楽著作権協会）に支払われる著作権料が含まれているため、一般のCD-RやCD-RWメディアよりも少し価格が高くなっている。

　RW-02USBも上記のようなCDレコーダであるため、PCと接続せずに単体での利用が可能になっている。見た目にもオーディオ機器という感じであり、リモコンも添付されている。本体背面には、S/P DIFとLINE入出力が1系統ずつ用意されており、これをオーディオ機器などと接続する。

背面部にはS/P DIFとLINEの入出力端子が、それぞれ一系統ずつ用意されている

　本機がほかのCDレコーダと異なる点はフロントパネルにUSB端子が付いていることだ。これを使ってPCと接続すると、USBモードで動作し、PC用のCD-R/RWドライブへと変身する。このモードで初めて音楽用CD-R/RWだけでなく、一般のCD-R/RWメディアも利用できるようになる。速度的には、読み出し6倍速、書き込み・書き換え4倍速というUSB接続のCD-R/RWドライブとしては標準的な仕様だ。

本機付属のリモコン。CDの再生はもちろん、録音や消去も行なうことができるため、使い勝手はよい。こういった作り込みのよさもオーディオ機器的な特徴と言えるだろう

　また、他社のドライブとちょっと異なるのが添付ソフトだ。多くのドライブではCDライティングソフトとして、B's Recoder GOLDやWinCDRが添付されているのに対し、RW-02USBはティアックシステムクリエイトの「CD-Cooker」が添付されている。これは、CDライティングソフトとして一通りのことができるようになっているものであるが、HDDのバックアップ機能やVideo CDの作成機能が搭載されていないなど、前述のソフトなどに比べると機能的に多少見劣りする。しかし、音楽関連の機能については充実しており、このソフト自体に音楽CDからWAVEファイルをリッピングする機能やCDDBへのアクセス機能、CD TEXT対応機能などを備えている。また、音楽CDを焼く際にできるトラック間の空き時間であるプリギャップが、2秒のほかに0秒という設定も選ぶことができる。こうすることによってライブ版のCDなどで音が途切れる心配もなくなるのだ。

　これまで、CDレコーダは欲しいが、せっかくCD-R/RWが扱えるのであればPCからも使用したいという意見は多かった。それを人気の高い外付けUSB接続のCD-R/RWドライブと合体させた点は、コンセプト的に非常におもしろい。USBポートが前面にしか存在しない点や、CD-Cookerの機能にはやや不満も残るが、本機のような複合機の登場は多くのユーザーが喜ぶことだろう。