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NEW PRODUCTS TESTREPORT

日本HP
hp jornada 720
基本性能が大幅に向上した最新Windows CEマシン
TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya


コンパクトなボディながら定評のあるjornadaシリーズのキーボードは本機でも健在だ
 サーバーからワークステーション、家庭用PC、携帯用PCまで幅広いラインナップを揃えている日本ヒューレット・パッカードから、Windows CE系OSの最新版、Windows Powered Handheld PC 2000を採用した「hp jornada 720(以下、jornada 720)」が発売された。本機は、同社がこれまで販売してきたWindows CE搭載機「jornada」シリーズの最新機種となる。

 今回のjornada 720は、CPUにStrongARM SA1110 206MHz版を採用し、SH-3 133MHzを搭載した前モデルjornada 690と比べて処理速度が飛躍的に向上している。また省電力性能も向上し、バッテリでの連続稼動時間もjornada 690の約9時間に対して約10時間となっている。


ドッキング・クレードルを使用することでUSB経由でのActiveSyncが行なえる。シリアルポートを持たないノートPCなどで重宝するだろう
 幅189、奥行き95、厚さ34mmという本体サイズに、510gという重量は、現在発売されているWindows Powered Handheld PC 2000搭載機としては、もっとも小型で軽量なものだ。このコンパクトな本体に搭載されたキーボードは、キーピッチ13.2mmというサイズの小さなものながら、1.5mmのキーストロークが確保され、十分キー入力を行なうことができる。液晶画面はバックライト付きのSTN液晶で、640×240ドット表示の、いわゆるハーフVGAサイズだ。反応速度の遅いSTN液晶ではあるが、発色は比較的良好で、視認性も高く感じられる。

 jornada 720は、コンパクトでありながら拡張スロットを豊富に備えており、CF Type Iスロット、PCMCIA TypeIIスロット、スマートカードリーダースロットが搭載されている。CF Type Iスロットはjornada 690や680と同様に本体底面に配置されているが、CFカードを挿入した際に、これまでのようにせり出してくることはなく、きれいに収まるようになった。こうした構成により、32MBの内蔵メモリとCFに多くのアプリケーションやデータを収めながら、PCカードスロットに携帯電話カードやPHSの通信カード、LANカードなどを装着できるため、汎用性は高い。


本体の裏側にはType IのCFスロットを搭載しているため、大容量のデータも扱いやすくなっている
 本体にはV.90対応モデムも内蔵されているため、アナログ回線を使った通信を行なう場合に、別途通信機器を用意する必要はない。また、本体背面には独自形状のシリアルポートがあり、専用ケーブルでWindowsマシンと接続し、ActiveSyncを利用することによって、Windows側のOutlookなどとスケジュールや住所録などのデータを共有することができる。また、付属のドッキング・クレードルにはUSBポートが装備されており、こちらを使ってActiveSyncを利用することも可能だ。

 さらに、本体右側面のヘッドホン端子を使えば、Windows Media Player for Handheld PCで、MP3やWMAのデータをステレオ再生することができる。これに加えて本体前面にはMedia Playerの操作ボタンが用意されているため、画面を閉じた状態でも音楽を楽しむことが可能となっている。


本体前面には、新しくWindows Media Player対応の音楽コントロールボタンが用意された PCカードスロットに加え、個人認証のために使われることの多いスマートカード用のスロットも備える

ハーフVGAのディスプレイはSTNタイプとしては視認性の高いものを採用している
 アプリケーションとしては、Internet Explorer for Handheld PC、Pocket Word、Pocket Excel、Pocket PowerPoint、Pocket Accessに加え、Windows Media Player for Handheld PC、Terminal Server Clientなどが搭載されている。

 jornada 720はjornada 690/680のウィークポイントであった動作速度が改善され、同時に省電力性能も向上するという、携帯機器としての基本能力が高められた点が高く評価できる。実用性を重視する方にとっては目の離せない製品だ。


  • 製品名:hp jornada 720
  • 標準価格:オープン(実売95,000円前後)
  • メーカー:日本ヒューレット・パッカード株式会社
  • 問い合わせ先:0570-000511
  • URL:http://www.hp.com/jp/
  • CPU:StrongARM SA1110 206MHz
  • メモリ(最大):32MB(32MB)
  • ディスプレイ:6.5型1/2VGAバックライト付きカラーSTN液晶
  • 最大解像度:640×240ドット/65,000色
  • モデム:56kbps(V.90対応)
  • キーボード:77キー
  • 拡張スロット(空き):PCMCIA TypeII×1(1)、CF Type I×1(1)、スマートカードリーダースロット×1
  • インターフェース:シリアル(専用コネクタ)×1、IrDA×1、モデム(RJ-11)×1、ヘッドホン×1
  • 電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
  • バッテリ駆動時間:約10時間
  • 本体サイズ(W×D×H):189×95×34mm
  • 重量:510g
  • OS:Windows Powered Handheld PC 2000
  • 付属ソフト:Pocket Word、Pocket Excel、Pocket Access、Internet Explorer for Handheld PCなど

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □日本HPのホームページ
    http://www.hp.com/jp/
    □製品情報
    http://ext8.jpn.hp.com/grp4/handheld/720/index.html
    □関連記事
    【2000年11月9日】日本HP、Handheld PC 2000搭載の「jornada720」(ケータイ Watch)
    http://k-tai.impress.co.jp/news/2000/11/09/jornada.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp

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