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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
日本IBM | ||
Aptiva E Series 4DM 2197-DM7 | ||
Celeron 733MHzを搭載したハイパフォーマンスエントリーPC | ||
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
フロント部にIEEE1394端子を持つため、DVカメラなどを頻繁に接続する際には非常に便利だ |
新シリーズには、今回試用した17型CRTディスプレイセットモデル「2197-DM7」と15型CRTセットモデル「2197-DM5」、15型TFT液晶ディスプレイセットモデル「2197-DMT」の3機種が存在するが、各機種のディスプレイを除いた基本構成は共通の仕様となっている。
その本体部分における従来からの主な強化点は、CPUとチップセットというシステムの心臓部だ。従来機4BMシリーズはCPUにAMD K6-2 533MHz、チップセットにグラフィックス機能を内蔵したSiS540を搭載していたが、今回の4DMシリーズではそれぞれCeleron 733MHz、SiS630を採用している。チップセットの性能はほぼ同等であるが、CPU性能は大幅に向上したと言えよう。
実際のところ、4BMでもWebブラウジングやビジネスソフトを中心とした使い方であれば何の問題もなかったが、最近では、これらの処理よりも高いCPUパワーを必要とするマルチメディア処理に注目が集まってきている。本機でもバンドルアプリケーションの「MP3 Jet-Audio 2000」を使ってのMP3ファイル作成・再生や、「Panasonic MotionDV STUDIO」によるDVキャプチャ・編集といった作業を行なうことが可能だが、Celeron 733MHzクラスの処理性能であれば、速度に大きな不満を持つ場面は少ないはずだ。
小さな筐体の内部には多くのパーツが配置されているが、3本のLow Profile PCIスロットが用意されている |
メインメモリ容量は64MB、HDD容量は40GBで、書き込み/書き換え4倍速のCD-R/RWドライブが標準で内蔵されている。また、インターフェースは本体背面部に、4ピンのIEEE1394端子を二つ備えるほか、USBや10BASE-T/100BASE-TX対応のイーサネット、56kbps対応モデム、シリアル、パラレルなどの各種ポートが揃えられている。これに加えて、本体前面にもIEEE1394、USB、S/P DIF OUTおよびLINE IN/OUT端子が配置され、DVカメラやMDレコーダの接続も容易に行なうことが可能だ。
こうした数々の機能を標準搭載し、それらが扱いやすく工夫されている4DMだが、小型ケースに多くの機能を盛り込んだために、その拡張性はやや制限されている。本体内部にはドライブ類を増設するための空きベイが一切なく、PCIスロットも3本用意されているうちの2本が、IEEE1394と56kbpsモデムで占有されている。また、このPCIスロットはLow Profile PCIに準拠したものだ。この規格に対応したカードは近頃市場で増え始めているものの、その選択肢はあまり多いとは言えないのが現状だ。ただ、多くのユーザーが必要としている機能はほぼ標準で用意されているため、後から拡張する必要のあるユーザーは少ないかもしれない。
必要十分な基本性能と、多くのインターフェースに加え、Word 2000、Excel 2000などをはじめとした実用性の高いアプリケーションをバンドルした4DMは、PCを初めて購入する初心者に最適のモデルと言える。価格も17型CRTディスプレイセットで140,000円前後となるので、お買い得感も十分に高い。家族全員が使う家庭用マシンとしても、学生向けのパーソナルマシンとしてもお勧めできる1台だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□製品情報
http://www.ibm.co.jp/pc/aptiva/apes0b4d/apes0b4da.html
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【2000年11月20日】IBM、Aptiva Eを一新、ThinkPad i1620にワイヤレスモデルを追加
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001120/ibm.htm