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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
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ソニー |
VAIO GT PCG-GT1 |
ライブ番組配信も可能なビデオカメラ搭載ノート |
TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima |
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大型のカメラを搭載しているため、本体サイズに対してキーボードはやや小さめになっている |
VAIO C1シリーズでノートPCとCCDカメラの融合というスタイルを確立したソニーから、新モデル「VAIO GT PCG-GT1」が発売された。そのコンセプトは「パーソナルキャスティング」(個人放送)と呼ばれるもので、個人が撮影した映像をインターネットを使って発信しようというものだ。
VAIO GTの筐体を見て誰もが気付く点は、幅241×奥行き155.5×高さ40mmというコンパクトなボディの右側面に取り付けられたカメラ部だろう。これは1/4型68万画素CCDと光学10倍ズームレンズを組み合わせたもので、オート/マニュアルフォーカスに両対応するほか、電子式の手ブレ補正機能も備えている。また、マクロ撮影にも優れ、被写体の1、2cm手前での接写も可能だ。録画映像はMotion JPEG形式で保存され、640×480ドット/15fpsもしくは320×240ドット/30fpsの品質が選択できる。
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URecSightのCastaDriveモード。画面中央のエフェクトをジョグダイヤルで選択し、カメラ上部のボタンで決定する |
PC部もカメラによる撮影を大きく意識しており、野外でのバッテリ駆動時間を長く取れるよう、CPUにはCrusoe TM5600 600MHzを採用している。なお、メモリは128MB、HDDの容量はサブノートとしては比較的大容量の20GBが確保されているほか、ビデオチップとして8MBのビデオメモリを内蔵したRAGE Mobility-M1を搭載しているため、Windows Meの動作も快適だ。ただし、コンパクトな本体サイズのためキーピッチはやや狭く、14mmとなっている。
ディスプレイには、6.4型のTFT液晶パネルを用いているが、リアルタイムに録画画像を確認しながらエフェクトなどの作業を行なえるように、解像度は1,024×768ドットとパネルサイズに対して非常に精細なものとなっている。また、ディスプレイ部は時計回りに180°回転し、撮影専用のスタイルに変形する。この形態ではキーボードが隠されてしまうが、撮影ツールの「URecSight」(ユーレックサイト)などは、ディスプレイ右側に用意されたジョグダイヤルと、カメラ上部に配置されたボタン群による操作が可能となっている。
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液晶ディスプレイを回転させると、撮影専用のスタイルへと変形する |
URecSightはライブ撮影用の「CastaDriveモード」と、録画撮影用の「ImageStationモード」と呼ばれる二つのインターフェースを持っているが、パーソナルキャスティングの要とも言える前者では、単純な撮影のみならず、ジョグダイヤルでエフェクトを選択し、撮影中の映像に対してリアルタイムにこれを反映させることもできる。なお、エフェクトにはボタンを押している間だけ表示されるものと、一度ボタンを押すと再度同じボタンを押すまで続くものの2タイプがあり、前者では簡易なCGアニメやテロップがオーバーレイ表示、後者では映像をセピア調にしたり、波打たせたりするような全画面効果が使用できる。撮影できる映像はRealPlayer形式で、ネットワークトラフィックを考慮して、160×120ドット固定の最大45kbpsに制限されている。
URecSightで撮影した映像を配信するWebサイトが、「パーキャスTV」だ。なお、このサイトを使って映像を配信する際には、ISDNもしくはDDIのPHS回線経由で接続し、最大受信者数に合わせて10分単位で1,500円から8,000円の料金を支払う必要がある。受信者側は無料となっており、同サイトにインターネット経由でアクセスし、番組表から見たい番組を選べばよい。
パーソナルキャスティングの利用法はさまざまだが、ライブという形の情報発信は従来のPCでは難しかったものだ。本機の登場は、インターネットとPCの利用法に新たな流れを作り出すポイントとなるかもしれない。
製品名:VAIO GT PCG-GT1
標準価格:オープン(VAIOスタイル価格285,800円)
メーカー:ソニーマーケティング株式会社
問い合わせ先:03-5454-0700
URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
CPU:Crusoe TM5600 600MHz
チップセット:Transmeta Crusoe TM5600+Intel 82371EB
メモリ(最大):128MB PC100対応SDRAM(192MB)
HDD:約20GB
ビデオチップ:ATI RAGE Mobility-M1
ビデオメモリ:8MB
ディスプレイ:6.4型ポリシリコンTFT液晶
最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
サウンドチップ:Intel 82371EB内蔵
CCD:1/4型68万画素(有効34万画素)
レンズ:光学10倍ズーム
モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
キーボード:86キー
拡張スロット(空き):PCMCIA TypeII×2(CardBus対応)、メモリースティックスロット×1
インターフェース:USB×1、i.LINK(S400、4ピン)×1、ディスプレイ(Dsub15ピン)×1、AV出力(専用ケーブル用)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1
電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
バッテリ駆動時間:約2~5時間
本体サイズ(W×D×H):約241×155.5×40mm
重量:約1.1kg
OS:Windows Me
付属ソフト:DVgate Ver.2.2、URecSightなど
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ソニーマーケティングのホームページ
http://www.vaio.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCG-GT1/
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【10月16日】ソニー、カメラ付きCrusoeミニノート「VAIO GT」正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001016/sony1.htm
ウォッチ編集部内PC Watch担当
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