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リコー RDC-i700 インターネット通信機能を備えた 334万画素デジタルカメラ TEXT：薮田織也　Oliya Yabuta

本体手前には、光学ファインダーや電源ボタンなどが配置されているほか、タッチペンも収納される

　横長でスリムな形状が特徴的なリコーのRDCシリーズに、インターネット通信機能を搭載した334万画素デジタルカメラの「RDC-i700」が登場した。このRDC-i700は、ビジネスシーンで活躍できるデジタルカメラとして開発されたもので、そのための機能や使い勝手のよさを追求した作りとなっている。

WWWブラウザにIPアドレスを指定するだけで、撮影した画像を閲覧可能になる

　まず特筆すべきは、充実した通信機能だろう。RDC-i700には、通常のPC用インターフェースであるRS-232CとUSBのほかに、CF TypeIIスロットと、同じくTypeIIのPCカードスロットが各1基ずつ搭載されている。CFスロットにはメモリを装着して、PCカードスロットにはモデムカードやLANカードが装着できるというわけだ。実際に、TDKのLANカードLAK-CD021BXを使ってLAN環境へ導入してみたところ、きわめて簡単に接続することができた。IPアドレスはDHCPで自動発行されて、RDC-i700の液晶画面に表示されるので、PC側でWWWブラウザにそのIPアドレスを打ち込むだけで、右のようなメニューが表示される。このメニューから画像の一覧を表示させたり、カメラの設定ができると言うわけだ。

WWWブラウザやメーラーも内蔵しており、簡易なインターネット端末としても使用可能。ポインティングデバイスとしてタッチペンが付属する

　こうしたLAN接続の場合は、RDC-i700専用のソフトウェアをインストールする必要がないし、LANに接続されたすべてのマシンからRDC-i700にアクセスできるのがよい。ただし、WWWブラウザではRDC-i700内の画像ファイルを移動するなどの管理はできない。このような場合は、付属のIE用プラグインをインストールすると、マイコンピュータにRDC-i700がシステムフォルダとして表示される。このフォルダのプロパティにIPアドレスを設定すれば、RDC-i700をフォルダとしてエクスプローラで管理することができるようになる。こうした管理は、RDC-i700に標準で搭載されているUSBポート経由でも同様に可能だ。

3.5インチ液晶モニタを開くと、操作パネルが表われる。これによって内蔵ソフトなどの各種機能を操作する

　PCカードスロットには、前述のモデムカードなどはもちろん、携帯電話やドコモのP-inのようなPHSデータ通信カードを装着することもできる。こうした通信カードを使って、撮影した画像を内蔵メーラーによってメールに添付して送信したり、FTPにアップロードすることもできるわけだ。

　カメラとしてのRDC-i700を見た場合、光学3倍ズームが可能な334万画素機ということになるが、その画質はビジネス向けにチューニングされたものと言えそうだ。撮影モードの画質設定でノーマルにしても、少し強めのアンシャープマスクがかかっているようで、細部の輪郭がはっきりした画質になる。画質設定にはソフトモードもあるが、こちらはぼかしフィルターをかけた感じだ。これは本機がデフォルトの設定で会議中のホワイトボードや書類の接写に適した画質に調整されているということで、事実、無造作に接写した書類の文字でもはっきりと読めてしまうほど。

本体左側面にはCFスロットのほかにPCカードスロットも搭載されている。これによって通信機能を追加できる点が本機の特徴だ

　また、マクロモードも優れており、最短約1cmまでの接写が可能となっている。これも商品などの細部を記録する際には非常に有効で、遠距離でのズームと併せて活用したい機能である。

　ホールド感はやや気になるところで、液晶ディスプレイを開いた状態だと、ボタン類が多いためにどこを持てばよいのか分からなくなってしまう。実際、筆者も撮影中に何度かストロボを指で隠してしまった。その半面、この形状だとカバンに収納しやすく、頻繁に持ち歩くユーザーにとっては重要なポイントとも言える。

　RDC-i700は、一般的なデジタルカメラとは一線を画すビジネス専用ツールと言えそうだ。その通信機能とマクロ機能を使いこなせば、オフィスの強力なビジュアルデバイスになるだろう。