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エイサー周辺機器 FP751 コストパフォーマンスに優れた SXGA対応17インチTFT液晶ディスプレイ TEXT：青海文哉　Fumiya Chinhai

1,280×1,024ドット表示、コントラスト400：1の画面はアナログRGB入力とは言え精細だ。写真はカノープスのSPECTRA 5400を接続したもの

　Acerグループで周辺機器の開発・販売を担当しているAcer Communications & Multimedia（正式名称Acer Peripherals）の日本法人であるエイサー周辺機器から、17.0インチの大型TFT液晶ディスプレイ「FP751」が発売された。これまでも、Acer C&Mでは17インチTFT液晶ディスプレイとしてFP750を発売してきており、本製品はその強化モデルとなる。

　最大の特徴は、FP750での輝度は200cd、コントラストが200：1であったのに対し、FP751では、輝度250cd/平方メートル、コントラスト比400：1にまで高められていることであろう。このスペックは、現在市販されている同サイズの液晶ディスプレイと比べてもトップクラスに位置付けることができるものだ。一般的に、液晶の輝度を上げる場合は、マスクの開口部を狭くすることでバックライトの光を効率よく利用する（光を強くする）ことが必要となる。しかし、この手法を用いると、液晶素子一つ一つの開口面積は小さくなり、必然的に視野角は狭くなる。このため、FP750では上下左右とも80度の視野角があったものが、FP751では左右が60度、上が45度、下が70度とやや狭まっているのも事実だ。とはいえ、コンシューマ市場に液晶ディスプレイが登場した頃に比べれば、このスペックでも十分と言える上、オフィスでは機密性を保つために視野角を狭めるフィルムなどを貼るところがあることを考えると、この点がFP751の魅力をスポイルする要素になるとは考えにくい。

OSDのコントロールは写真上の三つのボタンと、写真では見えないが、ディスプレイ下部に配置されたダイヤルを使用する

　FP751では、オートアジャストメント機能をサポートしており、フロントのi Keyボタンを押すことで、垂直・水平位置や位相、ピクセルクロックを自動調整してくれる。そのためか、OSDメニューは項目も少なく、調整の幅も狭目に設定されている。メーカーとしては、ユーザー側で調整する必要がある部分は少ないと考えて、あえてメニュー項目も比較的頻繁に調整する可能性のある調整項目、輝度やコントラストは、本体下のダイヤルで簡単に調整できるようにしてあるため、OSDメニュー項目が少ないことで不満に感じるユーザーは少ないかもしれない。ただ、一つだけ難点を挙げれば、マニュアルまでもが簡素になっていて、OSDメニューで調整可能な範囲が分かり難いところだ。この部分についてはオンラインマニュアルなどによる改善を望みたい。

液晶パネルを使用しているため、17インチというサイズながら、その奥行きはわずか186mmに収まる。狭い机を有効に活用するための貴重な選択肢となるだろう

　解像度は1,280×1,024ドット／1,677万色で、表示面積では19インチCRTにも迫る17インチ液晶のメリットを最大限に活かせるもの。信号入力は、アナログRGB 1系統のみであり、残念ながら、最近増えつつあるDVIによるデジタル入力には対応していない。このあたりはコストパフォーマンスを最優先にした結果であろう。それでも、画質に定評のあるビデオカードと組み合わせれば、コントラストが高いことも手伝って、その画質は細かな文字までクリアに認識できるもので、表計算ソフトなどを多用するビジネス用途には十分なクオリティと言える。

背面部には電源、RGB、USBの各ケーブルが接続されるが、通常はカバーが被せられており、スッキリとまとまる

　FP751に採用されたTFT液晶パネルは、画素ピッチこそ0.264mmと変わらないが、応答速度は45ms（FP750では70ms）と速く、3Dゲームや動画再生を試してみた場合でも、液晶ディスプレイ独特の残像が気になるようなことは少なかった。しかも、液晶そのものの輝度が高いため、どうしても画面が暗くなってしまうPCでのDVD-Video再生などにも威力を発揮する。また、ディスプレイ下部には、ステレオスピーカーが装備されているほか、ディスプレイ背面にはアップストリーム×1、ダウンストリーム×2のUSBハブも用意されている。しかも、実売価格は150,000円前後と、このサイズの液晶ディスプレイとしてはかなりお買い得なレベルだ。これならば、ビジネスユースに限らなくとも、パーソナルユースにもオススメできるほど、コストパフォーマンスに優れた製品と言えるだろう。