Click


←Presario 1400 14XL343 ↑今月のインデックスへ TravelMate200T→

NEW PRODUCTS TESTREPORT


東芝
DynaBook DB70P/5MC

DVD-ROM・CD-R/RW
コンボドライブ搭載の
AVノートPC

TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya



ポインティングデバイスには定評あるアキュポイントIIが装備されており、操作性は高い
 近年、PCの高性能化に伴って、インターネットやゲームを楽しむだけでなく、DVD-Videoを鑑賞したり、動画や音声の編集なども行なうユーザーが増えてきている。ただ、これらの用途に使用されるのはデスクトップ機が中心となっており、家庭向けのPCの流れがノートPCに移行しつつある現在では、ノートPCで高度なマルチメディア作業を行なえる機種が望まれている。今回紹介する東芝のDynabook DB70P/5MC(以下、DB70P)は、こうしたニーズに応えるスペックを持ったハイエンドA4ノートPCだ。

 その特徴は多いが、もっとも注目される点は、薄型DVD・CD-R/RWコンボドライブを世界で初めて内蔵したことだろう。これまでも、DVD-ROMを読み出し可能なCD-R/RWドライブは存在していたが、すべてデスクトップPC向けの製品だった。今回初めて東芝がノートPC向けにこのドライブを開発し、本機に採用したのだ。従来のノートPCでは、使用するメディアに合わせてUSB経由で外付けドライブを用意したり、内蔵ベイのドライブを交換したりする必要があったが、このコンボドライブによって主要な光ディスクメディアの大部分を簡単に扱うことができるようになった。オールインワンノートという、ある意味完結した環境だけに、このメリットは大きなものがある。


本体前面にはサブウーファーが搭載されているため、音楽CDやMP3などの再生も迫力ある表現になる
 次に挙げられる特徴は、解像度1,024×768ドットの15インチのFLサイドライト付きTFT型液晶ディスプレイである。15インチ液晶画面の表示面積は17インチCRTとほぼ同じ広さであり、ノートPCとしてはもっとも大きなサイズになる。表示品質も良好で、文字の認識性も高く、再現性のよい発色を実現しているため、DVD-Videoを再生しても迫力ある映像を楽しむことができる。


東芝製の薄型DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ。ノートPCの限られたスペースの筐体を有効活用できる
 DB70Pの基本スペックは、CPUに700MHz駆動のモバイルPentium IIIが採用され、20GBの容量を持つ内蔵HDD、128MB(最大384MB)のメモリといった構成で、OSにはWindows Meが採用されている。大きさは、A4ファイルサイズと言っても、15インチの液晶が搭載されているためにノートPCとしては大型の部類に入るのだが、その半面、余裕あるスペースを活かしてデスクトップPC並のサイズを持つキーボードや、非常に広いパームレストなどが実現されている。ポインティングデバイスは、定評あるスティックタイプのスクロールボタン付きアキュポントIIだ。

 インターフェースも充実しており、パラレル、外部ディスプレイ、二つのUSB、マイク、ヘッドホン、V.90対応56kbpsモデム、10BASE-T/100BASE-TX対応LAN、ビデオ出力をはじめ、i.LINK、S/P DIF光オーディオ出力なども装備する。これまでノートPCには装備されることが少なかったS/P DIF出力を利用すれば、MDレコーダなどの機器を接続して、DB70Pで作成した音楽をデジタルデータのまま録音することができる。


本体背面部。USBやi.LINK、シリアル、パラレルとさまざまなポートを備えている
 さらに、音楽CDやDVDの再生は画面下に装備されたワンタッチボタンだけで行なうことができ、画面下部の左右にステレオスピーカー、本体前面にはサブウーファーが装備されているために、充実した音楽再生環境が実現されている。

 DB70Pは、多彩な機能によって、DVD-VideoやMP3再生などのマルチメディア処理のみならず、CD-ROMタイトルの作成やDV編集などの目的にも利用できるマシンに仕上がっている。本機のような重装備のノートPCが個人向けに発売されることは、PCユーザーの裾野をより広げてくれることになるだろう。


  • 製品名:DynaBook DB70P/5MC
  • 標準価格:オープン(実売350,000円前後)
  • メーカー:株式会社東芝
  • 問い合わせ先:0570-00-3100
  • URL:http://www.toshiba.co.jp/
  • CPU:Pentium III 700MHz
  • チップセット:440BX
  • メモリ(最大):128MB(384MB)
  • HDD:20GB
  • FDD:3モード
  • DVD-ROM・CD-R/RWドライブ:書き換え最大4倍速、書き込み最大4倍速、DVD-ROM読み出し最大6倍速(CD-ROM読み出し最大24倍速)
  • ビデオチップ:S3 Savage IX
  • ビデオメモリ:8MB
  • ディスプレイ:15″FLサイドライト付きTFT液晶
  • 最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:AC '97 CODEC
  • モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
  • キーボード:90キー
  • インターフェース:USB×2、i.LINK(S400、4ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)、CRT(Dsub 15ピン)×1、VIDEO OUT×1、S/P DIF OUT(光丸型)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、PCMCIA TypeII×2(TypeIII×1、CardBus対応)
  • 電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
  • バッテリ駆動時間:約2.2時間
  • 本体サイズ(W×D×H):328×277×44.7mm
  • 重量:約3.5kg
  • OS:Windows Me

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □東芝のホームページ
    http://www.toshiba.co.jp/
    □製品情報
    http://www2.toshiba.co.jp/pc/catalog/dynabook/pa_0010/db_hard.htm
    □関連記事
    【9月22日】東芝、世界初DVD/CD-RWマルチドライブ内蔵A4ノート
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000913/toshiba.htm


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp