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シャープ メビウス PC-X2001 E-mailでの録画予約に対応した 液晶ディスプレイ一体型PC TEXT：中嶋敦司　Atsushi Nakajima

背面のカバーを外すと、TypeIII対応PCカードスロットやIEEE1394、ビデオ入出力などの端子が姿を現わす

　デスクトップ分野において、液晶ディスプレイ一体型機を中心としたラインナップで独自の地位にあるシャープから、新モデル「メビウス PC-X2001」が発売された。新設計の筐体が印象的な本機は、E-mailを利用しての録画予約が特徴で、新たに、PCだけでなくiモード端末からも予約を行なうことが可能となった。これはリモコンメールと呼ばれる機能で、本機へと送られてきたメールを解析し、その中に録画予約情報が含まれていれば自動的に予約を実行するものだ。予約情報を送る側は、PCであれば“ON TV JAPAN”で無料ユーザー登録をすませ、同サイトの番組表から希望の番組を選択後、ユーザー情報を入力すれば予約情報がメールで送信される。iモード端末も基本的に同じ原理だが、こちらはiモード専用ページを利用する。予約情報はメールの本文として扱われる簡単な文字列であるため、ユーザーが手書きで編集することも可能だ。つまり、E-mailが送信できれば端末を問わないので、汎用性は高い。

　従来機のテレビ録画にはMPEG1フォーマットが利用できたが、本機ではハードウェアMPEG2エンコーダとしてGlobe SpanのiTVC12を搭載したことにより、最大解像度720×480ドット、bitレート8MbpsでのMPEG2録画が可能となった。その再生品質は従来よりも精細で、シャープ独自の低反射ブラックTFT液晶が持つコントラストの高さと相まって、VHSビデオ以上の品質と感じられるものだった。録画時間は上記のモードで1時間あたり約3.6GBと、比較的大きなHDD領域を必要とするが、本機には27GBの容量を持つHDDが搭載されているため、7時間以上の連続録画が可能だ。録画時間を重視する場合にはMPEG1形式を使って30時間以上の連続録画も可能と、ユーザーの目的に合わせて柔軟に対応できる点も魅力だろう。

本体右側面にはTypeIIのPCカード、左側面にはDVD-ROMドライブを備える	台座部にもテレビ、CD、DVDなどの操作パネルが配置されている

電子番組表はADAMS-EPGに対応する

　また、付属の「QV browser Ver.2.0」を利用すれば、本機に録画された映像をネットワーク上のほかのPCから再生することも可能だ。本機やネットワークの負荷による再生品質の劣化を防ぐために、同時に再生可能なクライアントは1台に限定されるが、異なる部屋にいるユーザーがネットワーク経由で録画予約から再生まで可能となる。

　録画映像やIEEE1394端子経由で取り込んだ映像の編集は、PixeDV 2.6によって行なう。さらに、ノートPCで録画番組を持ち出したり、自分で撮影した映像をWeb素材などに加工したりするために、MPEG1映像をよりコンパクトなMPEG4形式へと変換する機能も備えている。

無線キーボードは、カバーを閉じるとリモコンになる。この状態ではキーによる入力はできないが、トラックボールによってポインタの操作には対応する。なお、電池が切れた際には付属のUSBケーブルで接続することも可能だ

　もちろん、タイムシフト再生や、電子番組表ADAMS-EPGを使った録画予約や「ニュース」、「スポーツ」、出演者の名前などをキーワードに、ユーザーの好みに合った番組を検索することも従来どおり可能だ。本体台座部にはテレビ、CD機能の呼び出し、チャンネル、ボリューム変更などのボタンが装備されている点も従来機「PC-PN200」などと変わらないが、本機では無線式キーボードのカバー部にもこれらのボタンが装備されており、カバーを閉じればリモコン感覚で扱うことができる。こうした多彩なAV性能と、使い勝手のよさを兼ね備えた家電的なスタイルが本機の魅力で、PCに不慣れな初心者でも気軽に利用できるマシンと言えよう。