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NEW PRODUCTS TESTREPORT


カノープス
WinDVD DH

高画質ソフトDVDプレイヤーが
Dolby Headphoneに対応

TEXT:天野 司 Tsukasa Amano



ブルーを基調とした操作パネルは、今後登場する同社のビデオ関連ソフト「WinCinema」シリーズと統一されている
 カノープスは、同社が発売するソフトウェアDVDプレイヤー「WinDVD 2000」をバージョンアップし、「WinDVD DH」として新発売した。Dolby Digitalマルチチャンネルオーディオのソースを、ヘッドホンで立体的に再生する「Dolby Headphone」機能をサポートした点が最大の特徴だ。


今回のバージョンでは、新たにDolby Headphone機能を搭載した。音場の広さは3段階に設定できる
 WinDVDシリーズは、数あるソフトウェアDVDプレイヤーの中でも、新機能を一早く取り入れる点が特徴的な製品である。過去の例を見ても、画質面で優れていたり、S/P DIF出力やマルチスピーカー出力、さらにWindows 2000対応など、多くの機能を率先して実現してきたりした実績を持つ。ただ、新機能のサポートが早くとも、最近では他製品も同様の機能をサポートしてしまい、WinDVDの優位性も薄れがちであった。

 今回のもっとも大きな強化点であるDolby Headphone機能は、Dolby Digitalでマルチチャンネル収録された音声をソフトウェアで加工し、ヘッドホンで聞いたときに多数のスピーカーが存在するかのような音場を作り出す機能だ。つまり、2チャンネルのヘッドホンで5方向にスピーカーがあるかのように聞かせるわけである。


動画再生に関する設定が細かく行なえる点は従来と同様だ。デフォルト設定以外にカスタマイズすることも可能
 Dolby Digitalによる多チャンネル音声収録は、映画を中心としたDVDタイトルではごく一般的に使われているが、これをPCのソフトウェアDVDプレイヤーで再生するハードルは意外に高い。一般的な方法としては、Dolby DigitalのデータをそのままS/P DIFで出力し、これを外部のデコーダで多チャンネル再生させるといった方法となるだろうが、この方法では外部デコーダやスピーカーなどに意外とコストがかかる。スピーカーを置く場所も部屋のレイアウトなどによっては問題となるだろう。これに対し、WinDVD DHのDolby Headphone機能であれば、市販のヘッドホンさえあればそれ以外のコストは一切かからない。かなり安価な多チャンネル再生ができると言えよう。

 さて、実際の効果だが、フロントの左右、およびセンターチャンネルに関しては、かなり明確に前方、斜め左右に音源があることが実感できた。リアの左右スピーカーに関しては、後ろと言うよりは、どちらかと言うと自分の真横か、やや後ろ辺りにスピーカーが存在するように感じた。結果として、ヘッドホンであっても音の奥行きはかなりはっきり感じられる。さらに、単なる2chステレオ再生の場合、頭の内部に音場があるかのように感じられ、ヘッドホン再生であることを強く意識させられるのに対し、Dolby Headphoneでは、まるで外部スピーカーを使っているかのような広がりを感じられるというメリットもある。


再生ウィンドウに従来と大きな違いはなく、操作パネルを使わなくとも基本的な機能が使用できる(画面ははめ込み合成)
 また、操作パネルはデザインが一新された。操作性が向上したのはもちろん、今後発売が予定されている、テレビチューナーやMPEGエンコーダソフトの「WinCinema」シリーズと操作感が統一されるようになる模様だ。ヘッドホンを使わない場合のマルチスピーカーやS/P DIF経由のDolby Digital出力などもサポートしているので、すでにAVシステムを持っている人は、そちらと組み合わせて利用してもよいだろう。もちろん、再生画質や、記録した任意の位置から再生可能なブックマーク機能、ズーム機能などの多機能性、使い勝手についてはこれまでどおり一線級だ。

 本製品最大の魅力であるDolby Headphoneの効果は一度体験してみるのが一番だろう。店頭デモなどで、ぜひとも試してみてほしい。


  • 製品名:WinDVD DH
  • 標準価格:5,800円
  • メーカー:カノープス株式会社
  • 問い合わせ先:078-992-6830
  • URL:http://www.canopus.co.jp/
  • 対応OS:Windows 98/95 OSR2/2000/NT 4.0+SP4以降
  • 動作環境
     ・CPU:Pentium II 350MHz以上
     ・メモリ:32MB以上(Windows 2000/NT 4.0の場合64MB以上)
     ・HDD:30MB以上の空き領域
     ・ビデオカード:ハードウェアオーバーレイをサポートしたもの
     ・オーディオ:48kHzステレオ再生の可能なオーディオサブシステム
     ・DVD-ROMドライブ:2倍速以上

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □カノープスのホームページ
    http://www.canopus.co.jp/
    □製品情報
    http://www.canopus.co.jp/catalog/wincinema/windvddh_index.htm
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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp