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日本HP Brio BA410 ProSavage PM133搭載の ハイコストパフォーマンスマシン TEXT：水島伸行　Nobuyuki Mizushima

スイス人デザイナーの手による独特のフロントマスク形状は好みの分かれるところ	GAME/MIDIポートの代わりにCOM2ポートがある点はビジネスモデルならでは

　日本HPの「Brio BA410」は、同社のビジネス向け新ラインナップ、Brioシリーズの第1弾となるモデルだ。従来から、同社のビジネス市場向けデスクトップモデルには、Vectraシリーズが用意されているが、こちらは中、大企業向けとされており、本機はこれよりもよりコスト面を重視した構成で、小規模オフィス、SOHO環境向け製品に位置付けられている。

　BA410の価格は78,000円という比較的安価なものでありながら、基本性能を重視した点が特徴となる。そのコンセプトの中核をなしているのが、チップセットに採用されたVIAのProSavage PM133だ。このチップセットは、従来デスクトップ向けのビデオチップとして定評を得ていたS3のSavage4コアを統合しており、現在低価格PC市場に多く採用されているi810/815系列と比較して、2D/3D描画性能ともに若干上回る点がメリットとなる。さらにPM133は外部AGPバスを備えるため、本機のマザーボード上にはこれを利用したAGPスロットが設けられており、将来的により高速なビデオカードが必要となった場合にはここへ装着することも可能だ。

CPUの手前に位置する電源ユニットを外したところ。ケース内部へのアクセス性の高い本機だが、ドライブベイの空きが外部5インチベイが一つだけである点は少々残念と言える

　このチップセットと組み合わされるのはCeleron 633MHzである。FSBクロックこそ66MHzだが、動作周波数自体は高速であるため、総じて処理速度は高くなる。本機のターゲットが3D描画性能を必要としないビジネス市場であることから、CPU性能は十分過ぎるほどのものであると言えよう。また、メモリはPC133規格に対応したSDRAMを64MB搭載している。できれば128MB欲しかったところだが、多数のアプリケーションを同時に起動したりしなければ、スワップもあまり発生しないので許容範囲と言えるだろう。もちろんマザーボード上には1本の空きDIMMスロットが残されているので、これを使ってメモリの増設を行なうこともできる。

　ストレージは、容量10GBのATA/66接続HDDと最大48倍速CD-ROMだ。やはりこれもビジネス向けという点を考慮すると、過不足のない妥当な構成と言える。また、インターフェースはシリアル、パラレル、USBのほか、10BASE-T/100BASE-TX対応のネットワークポートも備えており、すぐにでもオフィスなどのLAN環境に導入することができる。

i815と同程度のスペックを持ちながら、価格も安価なVIA ProSavage PM133。本機の要となるチップの一つである

　ケースもこだわりのある作りで、背面の手回しネジ2本を外すだけでL字型に一体となったケースの左側面パネルと天板が開き、メモリスロットにアクセスする際には電源もジャマにならない位置へと簡単に移動するなど、メンテナンス性は良好だ。AGPスロットのほか、PCIスロットには2本の空きがあるが、ここに装着したカードを固定する際もネジを必要としない。安価でありながらも末永く使えるようにと、将来的な拡張を見据えた設計は使う側にとってうれしい配慮だ。

　ビデオまわりとCPU性能、そして拡張性に重点を置いた構成だが、これはムダを省き、多数のユーザーが必要とする点にコストをかけたためで、総じてバランスのよいマシンに仕上がっている。ビジネス用途だけでなく、家庭用のセカンドマシンなどにも利用したい1台と言えよう。