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エプソンダイレクト EDiCube Pico FX615D-CRT エプソンダイレクトの新機軸を打ち出した
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto |
フラットな上にFDDを装備しないため、非常にシンプルな印象を受ける。背面部のコネクタ構成は、FlexATXマザーボードを採用していることもあり、一般的なもの |
Picoで新たに採用されたはケースは、キューブという表現がこれまで以上に似合うシンプルなデザインとなっている。さらに、従来のEdiCubeのmicroATXタイプより小型のFlexATXフォームファクターと、LowProfile PCI規格に対応したケースを採用したことによって、幅128mm、奥行き258mm、高さ291mmという非常にコンパクトなサイズを実現している。
LowProfile PCIの採用となれば、拡張性は比較的高いと考えられるが、本機は基本的にユーザーによる内部拡張をサポートしないというコンセプトが取り入れられている。これは、拡張性を制限することでビギナーの混乱を減らし、確実なサポートを提供したいという同社の考えからだ。
本体内部。CPUファンの左にあるメモリスロットには1本の空きがあるが、ユーザーの手によるメモリの増設はサポート対象外となる |
また、8倍速のDVD-ROMドライブが装備され、DVD再生ソフトとしてWinDVD Millenniumがバンドルされているので、これを使用してDVD-Videoを楽しむこともできる。なお、ラインナップにはCD-R/RW搭載モデルも用意されており、目的に応じて選ぶことが可能だ。
FDDは、USB接続の外付けユニットとなっている。一般的な用途ではしだいに使用されなくなってきているFDDだが、1MB以下のデータのやり取りなどでいまだに必要となる場面も多く、オプションではなく標準添付である点はありがたい。
マザーボードはi810Eチップセットを採用した、ASUSTeKの「CUWE-FX」が採用されている。このボードのPCIスロットには、56kbps対応モデムが搭載されていることに加え、Intel 82559チップがオンボード実装されており、ネットワーク機能を使用することもできる。インターネット、LANの両方に接続可能な仕様は、パワーユーザーにもアピールできる、見逃せない点だ。
従来機種はBTO以外でのソフトウェアのプリインストールはしていなかったのだが、Picoではジャストシステムの統合ソフト「ジャストホーム」がプリインストールされている。操作を簡略化した統合ソフトにフォーカスし、最小限のソフトウェアのプリインストールで最大限の効果を狙っていると言えよう。
そしてディスプレイは15インチながら、FDトリニトロン管を採用した「CR-570MA」がセットとなっている。映像のシャープさは従来のEdiCubeにセットとなっていた17インチ以上で、この価格帯においてディスプレイの評価が高い、ソニーのVAIO Jシリーズとほぼ互角と言える品質になっている。
新コンセプトのモデルでありながら、品質へのこだわりや、実用度を優先させるという同社の特徴を引き継いだ本機は、筆者個人としても「家庭用PCとして、こういった良質なマシンが売れてほしい」と思える完成度の製品だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□エプソンダイレクトのホームページ
http://www.epsondirect.co.jp/
□製品情報
http://www.epsondirect.co.jp/pico/index.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000710/epsond.htm