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NEW PRODUCTS TESTREPORT


ソフトボート
AutoSave

リアルタイムにファイルを保存する
新タイプのバックアップソフト

TEXT:竹内慶人 Yoshito Takeuchi



現在のバックアップ状況を確認することも可能。バックアップ対象ファイルが削除されている場合も知らせてくれる
 ソフトボートが発売した「AutoSave」は、数あるバックアップツールのなかでも、非常に特徴的な機能を持った製品だ。

 通常のバックアップツールでは、対象となるデータが存在するデバイスとは異なる記録デバイス(テープやCD-R 、MO、HDDなど)に対して保存する手法が取られている。また、バックアップ作業中は、ほかのアプリケーションによって対象データが更新、削除されないようにファイルアクセスを禁止するため、実質的にバックアップ以外の作業は行なえない。AutoSaveもこうした従来のバックアップツールと同様の使用法も可能だが、メインとなるのは、指定したファイルやフォルダ(これらをAutoSaveではインクルードファイルと呼ぶ)が更新されるたびに過去のファイル状態のバックアップを自動で取る、リアルタイムバックアップ機能だ。

カスタムセットアップから呼び出されるインクルードファイルの指定画面
 標準設定でのインクルードファイルは、テンポラリやHTMLファイル、5MB以上のサイズを持つファイルなどを除いたすべてのファイルとなっているが、ユーザーが指定することも可能だ。指定法の一例を挙げると、「*.DOC」を指定した場合は、システムに存在するすべての拡張子DOCのファイルがバックアップ対象となり、「C:\USER\*.TXT」とするとCドライブのUSERフォルダ下の拡張子TXTのファイルが対象となる。これとは逆に、エクスクルードファイルと呼ばれる、バックアップの対象から除外するファイルも同様に指定できるので、インクルードファイルをCドライブ全体として指定し、その中にある一つのファイルだけをバックアップ対象から外すといった設定も可能である。


リストアウィザード。ファイル単体のほかにドライブやフォルダごと一気に復元することも可能だ
 AutoSaveはインストール後、マシンを再起動するとWindowsに常駐し、インクルードファイルに対するアクセスを常に監視する。ここでインクルードファイルの更新や削除が行なわれることを察知すると、更新前のファイルを圧縮し、指定された場所へとバックアップする。この作業はすべて自動で行なわれているので、ユーザーがバックアップ作業をとくに意識する必要はない。そのため、日常的に更新が行なわれるファイル、たとえば日々の会計結果をまとめたExcelファイルやメールの保存フォルダなどに重点を置いて、それをリアルタイムにバックアップを取るといった使用法に向いている。こういった日常的に更新、削除されるファイルは、ユーザーにとって重要なデータであることが多い。アプリケーションプログラムなどは仮に障害が発生しても、再インストールの道が残されているが、ユーザーのオリジナルデータにその道はない。AutoSave はこの点にスポットを当てたバックアップツールと言える。

 ファイルの復活は、リストアウィザードにより行なうが、このウィザードからは、人為的ミスやウイルスの被害で変更、消去されてしまったファイルはもちろん、更新が行なわれた直前ではなく、数世代前のファイルを復活させることも可能だ。


「バージョン」と表記されているダイアログに、何世代前までのバックアップを残すかを入力しておく
バックアップを保存する世代はデフォルトで5世代前までに設定されているが、1,000世代前まで保存することができる。ただし、保存する世代数を増やすと、バックアップに使用されるディスク領域が増大するので注意が必要だ。

 また、バックアップ先にネットワークドライブを指定している環境で、ネットワークへの接続が切断されていると、AutoSaveはファイルの変更記録を残すロギングモードと呼ばれるモードに自動的に移行し、ローカルマシン上に一時的な更新記録を作成する。そして、再びネットワークドライブとの接続が復旧した際に、記録にもとづくバックアップを一挙に行なう仕組になっている。

 一般のバックアップツールではバックアップ作業をユーザーが手動で行ない、バックアップ中はほかの作業を行なえなくなる。タイマーによる自動バックアップを行なうにしても、ファイル更新の行なわれない時間を指定するなどのスケジューリングが必要だ。これに対してAutoSaveでは、ユーザーがほとんど意識することなく必要なファイルのバックアップが行なわれるため、使い勝手は非常によい。

 なお、AutoSave には体験版が用意されており、ソフトボートのホームページからダウンロードできるので、興味のあるユーザーは試用してみるのもよいだろう。


  • 製品名:AutoSave
  • 標準価格:9,800円
  • メーカー:ソフトボート株式会社
  • 問い合わせ先:03-3256-4711
  • URL:http://www.softboat.co.jp/
  • 対応 OS: Windows 98/95/2000/NT 4.0
  • 動作環境
     HDD:8MB以上の空き容量


    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □ソフトボートのホームページ
    http://www.softboat.co.jp/
    □製品情報
    http://www.softboat.co.jp/product/autosave/index.html


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp