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ソースネクスト 凄速2000 TCP/IP設定の最適化、
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
広告自動カット機能が働いて広告バナーがカットされた状態。目的のコンテンツだけが素早く表示される |
このうち、TCP/IP設定の最適化とDNSキャッシュ機能は、プロトコルレベルでの高速化を行なうものだ。TCP/IPによる通信はパケット単位に行なわれるが、このときの最大転送ユニット(MTU)のサイズを最適化することで、効率よくデータを転送できるようにしている。もう少し具体的に説明すると、MTUのサイズは通信するサーバーやルーターなどの機器によって異なる。このため、通常、異なるサイズのMTUを持つ機器間で通信を行なうと、ルーターなどによってパケットが断片化されるか、より小さなMTUを使って再送信を行なうよう送信側の機器に伝えられ、同じデータを再度送信する必要が生じる。このむだを省くために凄速2000では、目的の機器まで、MTUが一番大きくなる経路を自動的に選択し、通信を行なう仕組になっている。
モデムだけではなく、LAN環境を通じてインターネットに接続する場合でも本製品を活用することができる |
また、今回のバージョンでは、先読みのロジックが改善されており、使い方に合わせた先読み方式を選択できるようになった。通常の前進型先読みに加え、一つ前のページのリンクを重点的に先読みする往復型先読みや、指定したサイトを優先的に先読みさせる登録先読みが選択できる。これらは、ニュースサイトや検索エンジンなど、複数のリンクを次々とチェックするサイトを高速に閲覧したい場合に効果的だ。使用感は快適で、先読みが効いているサイトに関してはテキストが瞬時に表示され、画像もいくぶん読み込みが速くなった。
先読みの設定画面。簡単な説明を見ながら各種の先読みモードを設定することが可能だ |
一方、ダウンロードに関する機能は、ファイルを分割してダウンロードすることで高速化を図る高速ダウンロード機能と、ダウンロードを中断しても続きから再開できるレジューム機能がある。実際にテストしてみたところ、ダウンロードの高速化に関してはあまり効果が認められず、ダウンロード元のサイトによっては、速度が低下する場合もあった。なお、レジューム機能に関しては、とくに問題なく使用できた。回線状態が不安定でダウンロードが中断されてしまう環境や、大きなサイズのファイルを数日間に分けてダウンロードする場合などに効果を発揮するはずだ。
本製品をインストールすると、ダウンロードのダイアログは高速ダウンロードに対応したものへ変化する |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ソースネクストのホームページ
http://www.sourcenext.co.jp/
□製品情報
http://www.sourcenext.co.jp/products/seisoku00/
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http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0524/seisoku.htm