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NEW PRODUCTS TESTREPORT


カノープス
MD-Port

人気のUSB音源に
ロープライスの新モデルが登場

TEXT:藤本 健 Ken Fujimoto



インターフェースはS/P DIF入出力を各1系統備えている。出力はヘッドホンとの排他仕様だ
 高音質USB音源として人気の高いカノープスのDA-Port 2000(以下DA-Port)に、下位モデルのMD-Portが発売された。MD-Portというネーミングからも想像できるように、そのコンセプトもDA-Portとは少々異なり、PCとMDレコーダとの連係を想定して開発されている。そのため、S/P DIF入出力端子も光角型コネクタではなく、ポータブルMDレコーダなどで多くの採用実績がある丸型コネクタが採用されている。もっとも、角型であれ丸型であれ、機能的になんら変わりはないため、家電機器店などで一般に売られている丸型・角型変換ケーブルを利用して角型コネクタを持つオーディオ機器と接続することも可能だ。また、接続相手がS/P DIF端子を持つ機器であればPCやDATレコーダなどにも接続できる。

 DA-Portと異なる点として挙げられるのは、まず端子の数だ。DA-Portが入出力ともに2系統を持っていたのに対し、本機はそれぞれ1系統となっている。またDA-Portは独立したヘッドホン出力端子も装備しているのだが、MD-Portではデジタル出力端子との兼用になっている。そのため、MDレコーダに録音しながらその内容をモニタリングしたい場合などには、ヘッドホンをMDレコーダ側に接続する必要がある。つまり、普段は本機にヘッドホンを接続している環境で、ポータブルMDプレイヤーを録音時だけ接続したいという場合には、そのたびにヘッドホンを抜き差ししなければならない。


PCとの接続はUSBに対応。バスパワード動作のため、電源ケーブルを必要としない点もうれしいところ
 機能面におけるDA-Portとの大きな違いは、扱うことの可能なサンプリングレートだろう。DA-Portでは48kHz、44.1kHz、32kHzで入出力が可能であったが、MD-Portでは入力のみこの3種類の周波数に対応し、出力に関してはサンプリングレートコンバータによって44.1kHzに変換されてから処理される。これにより、サンプリングレートコンバータを持たないMDレコーダに録音することも可能となっている。DA-Portはコンバータを持たず、リアルタイムのコンバートはできない仕様だったため、手軽さにおいては本機のほうが上と言えるだろう。その半面、いずれの周波数のデータを入力しても44.1kHzに変換されてしまうので、48kHzや32kHzのデータをダイレクトに入出力したいのであれば、この機能を持つDA-Portを選択するとよいだろう。


MEDIACRUISEからは外部入出力の操作や、音楽CD、Video CDなどの再生も可能だ
 電源は従来同様USBケーブルから供給されるバスパワード方式のため、ACアダプタや電池は不要となっている。また金属でできた重量200gのしっかりした筐体であるため、ケーブルの負荷で浮き上がってしまうこともほとんどない。

 ソフトウェアはカノープスオリジナルの統合型マルチメディアコントローラ「MEDIACRUISE」と、ジャストシステムの人気MP3ユーティリティ「MP3 BeatJam」のフルバージョンが添付されている。MEDIACRUISEはオーディオデータであるWAVEやMP3形式のリアルタイムでの録音・再生をサポートしているほか、CD-ROMドライブを通じての音楽CD再生やAVIファイル、Video CDの再生も行なえる多機能ソフトだ。


MP3 BeatJam。音楽CD上の楽曲をMP3化する際にはCDDBの情報を利用して曲名などを自動入力することもできる
 MP3 BeatJamはFraunhofer IIS製のエンコーダを搭載しており、高音質がウリとなっている。4,800円で市販されているパッケージ版と同じフルバージョンであるため、価格的に考えても非常にお買い得と言えよう。このソフトはCDDBサーバーに対応しているので、音楽CDをMP3化する際には曲名やアーティスト名をインターネット上で取得して、MP3ファイルの情報を収めるID3タグとして保存することも可能だ。

 本機を使用するにあたって注意しておきたいのが対応OSだ。Windows 98 Second EditionとWindows 2000には対応するのだが、通常のWindows 98での不具合が発見されたため、6月初旬現在、このOSは動作対象から外されている。

 さて、気になる標準価格はDA-Portの26,800円に対して16,800円と、ずいぶん購入しやすくなっている。これまで、DA-Port 2000にはその価格から手が出せなかった方や、DAポートほどの拡張性は必要ないが、高音質な環境を構築したいといった方は注目の製品だ。


  • 製品名:MD-Port
  • 標準価格:16,800円
  • メーカー:カノープス株式会社
  • 問い合わせ先:078-992-6830
  • URL:http://www.canopus.co.jp/
  • 対応OS:Windows 98SE/2000
  • インターフェース:USB×1、S/P DIF入力(光丸型)×1、S/P DIF/ヘッドホン出力(光丸型)×1、サンプリング周波数
      入力:48kHz、44.1kHz、32kHz
      出力:44.1kHz
  • 本体サイズ(W×D×H):75×94×22.5mm
  • 重量:200g

  • 動作環境
  • CPU(推奨):Pentium II 233MHz以上(Pentium II 400MHz以上)
  • グラフィックス:16bitカラー以上
  • メモリ(推奨):32MB以上(64MB以上)
  • CD-ROMドライブ:ソフトウェアのセットアップに必須

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □カノープスのホームページ
    http://www.canopus.co.jp/index_j.htm
    □製品情報
    http://www.canopus.co.jp/catalog/mdport/mdport_index.htm
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    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000510/canopus.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp