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NEW PRODUCTS TESTREPORT


キヤノン販売
BJ M40

出張にも携帯可能な
A4モバイルカラープリンタ

TEXT:薮田 織也 Oliya Yabuta



サイズは2年前に発売された従来機種BJ 50vとほぼ同じだが、A4変形の本誌と比較してみると非常にコンパクトなことが分かるだろう
 キヤノンのBJ M40は、人気の高かったモバイルプリンタ、BJ 50vの後継として今年6月に登場した新機種だ。そのボディは幅302mm、奥行112.5mm×高さ50mmのコンパクトサイズで、用紙はA4までに対応し、720dpiのプリント機能を備える。また、バッテリによる駆動もサポートしており、さまざまな用途、環境に対応できる。

 コンパクトとは言え、M40のサイズは従来機種の50vと幅、奥行が同じで、高さが1mmだけサイズアップしている。また、使用バッテリも50vとまったく同じものだ。だがこれは、プリンタという機器の性格上、用紙幅の限度を超えてサイズダウンできないためで、それだけ50vの完成度が高かったとも言える。当然、50vとほぼ同じサイズの本機も標準的なアタッシュケースにノートPCと一緒に入るわけだし、720dpiカラープリントもできることを考えれば十分にコンパクトと言える。


本体右側面にUSB端子と赤外線ポートが存在する
 また、BJ系プリンタの特徴でもあるモノクロ印字の速さも受け継ぎ、従来同様のA4毎分約5枚の速度を持つことに加え、オプションのスキャナカートリッジを使ってスキャニングを行なうことができる。このスキャナカートリッジも、50vと同じ360dpiのものを使う。インクカートリッジを外して取り付けるタイプのスキャナカートリッジで、サイズが小さいため携帯にも便利だ。


本機のプロパティからは、印字結果に写真のようなスタンプ風の処理を施す設定も可能だ
 では、M40の新機能は何かと言えば、まずインターフェースにUSBが採用されたことが挙げられる。50vはパラレルインターフェースだったので、PCとの接続は電源をOFFにして行なう必要があり、電源OFFの代わりにサスペンド機能などを多用するノートPC環境などでは、接続にやや手間取ることもあった。今回、USB接続になったおかげで、OS起動時にも着脱可能なプラグ&プレイが可能になった。モバイルプリンタと銘打つ以上、PC本体との着脱が容易であることは非常に重要なことと言えるだろう。なお、電源はバッテリか、50vと同じ比較的大きめのACアダプタを使うことになる。欲を言えば消費電力をさらに抑えてバスパワードに対応してほしかったところだ。

 次に挙げられるのは、赤外線通信インターフェースのバージョンがIrDA 1.0から1.1になったことだ。これにより、PCと本機をケーブルで接続しなくとも、赤外線を使った4Mbpsの通信速度で印刷できる。USBの12Mbpsには劣るものの、IrDA 1.0の115.2kbpsに比べれば格段に高速と言える。さらに、IrDA以外の赤外線通信インターフェースとして、IrTran-PやASK方式もサポートされている。このため、デジタルカメラやザウルスから直接印刷することもできるわけだ。


モバイルプリンタといえども、フォトカラー印刷をはじめとしたさまざまな印刷法が使用できる
 三つ目の新機能は、フォトインクカートリッジを使って写真品質のプリントが可能になったことだ。720dpiという解像度は、1,200dpiクラスの最新デスクトップモデルに比べるとさすがに見劣りしてしまうが、携帯型プリンタでフォト印刷ができるようになった点は歓迎すべきことだ。プリンタは1台だけで十分という声も多く、そうしたユーザーであれば、フォト印刷に対応したM40が1台あれば、家でも会社でも出張先でも存分に使い回すことができるだろう。

 以上3点がM40の新機能だ。そのほかの印字品質などは50vと変わらないので、M40はある意味50vのマイナーチェンジ製品とも考えられる。50vが98年5月の発売だったことを考慮すると、進化の速いイメージングデバイスにあって、性能向上の幅が狭く、59,800円という価格が高く感じられる部分もある。しかし、はやりのデジタルカメラとの連係や、フォトカラー印刷にも対応したことで新たなユーザーにもアピールする実力も備えている。競合機種もほとんど存在しないだけに、本機に魅力を感じるユーザーも多いはずだ。

  • 製品名:BJ M40
  • 標準価格:59,800円
  • メーカー:キヤノン販売株式会社
  • 問い合わせ先:0570-01-9000
  • URL:http://www.canon-sales.co.jp/
  • 最大解像度:720×360dpi
  • 印刷方式:ノンインパクト シリアルカラーバブルジェット
  • 用紙サイズ:A4~A5、レター、リーガル、ハガキ・封筒
  • 給紙枚数:普通紙30枚、ハガキ10枚、
  • インターフェース:USB、IrDA1.1(IrTran-P対応)、ASK
  • 本体サイズ(W×D×H):302×112.5×50mm
  • 重量:0.9kg
  • 対応OS:Windows 98/95/2000/CE2.1

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □キヤノン販売のホームページ
    http://www.canon-sales.co.jp/
    □製品情報
    http://www.canon-sales.co.jp/Product/BJ/m70.html
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    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000519/canon2.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp