会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center
展示最終日となる13日は会場も空いていて、歩き回るには絶好の状態だった。おかげで昨日は回りきれなかった小さなブースや、人が多すぎてよくわからなかったブースを改めて見ることができた。そんな中で見つけた気になる作品をできるだけ多く紹介し、てみたい。
■「Black&White」はPS版も開発中
PS版の登場以前に、まずPC版の日本語移植のほうが気になるところなのだが…… |
■新たなる新化を遂げた「EverQuest」
さて、実は最終日にオンライゲームで一世を風靡した「EverQuest」の新作「EVER QUEST:THE RUINS OF KUNARK」の説明会があると思っていたのだが、実際に行なわれたのはパッケージのアートワークを手がけたリトグラファー、Keith Parkinson氏のサイン会だったのだ。そんなわけで期待していた説明会はなかったのだが、SONY ONLINEのブースで行われていた実演デモを見ることはできたので、ざっとリポートしよう。
「EVER QUEST:THE RUINS OF KUNARK」は、「EverQuest」の拡張キットだ。なにが拡張されたのかというと、まずひとつは“lksar”と“ancient lizard”と呼ばれる種族が新たに加わったこと。次に、50レベルを超えるキャラクタに、新しいアビリティとスペルが用意されたこと。マップも増え、「EVER QUEST:THE RUINS OF KUNARK」には20ゾーンが追加された。基本的な操作は変わらないが、ゾーンや魔法が追加されたことによって、新しい冒険を始めることができる。キャラクタのレベルアップも終わり、次に何をすればいいのか遊びあぐねていたプレーヤーには、まさに待望のパッケージかもしれない。
SONY ONLINEでは、同時に「SOVEREIGN」というマルチプレーヤーゲームの実演も行なっていた。こちらは架空の惑星を舞台に戦うストラテジーで、参加人数は1サーバーあたり最大500人。プレーヤーは、自分が支配する帝国の支配者として、生産や経済活動をコントロールし、富国強兵に努める。資源と人口を蓄え、十分な軍隊を持つことができたら、競合する他のプレーヤーと星系の覇権を掛けて戦う……という内容だ。まあ、よくあるタイプといってしまえばそれまでだが、500人が入り乱れて戦うとなると、結構おもしろいかも。誰と敵対し、誰と同盟を組むか。そして、自分がネットから抜けている間の管理をどうするのかなど、考えることの多いゲームになるだろう。
■MICROPROSEも新作を投入
このところおもしろい作品が多いHASBRO Interactiveでは、MICROPROSEの新作シミュレーション「BATTLESHIP 2 SEA COMBAT STRIKE FORCE」と「ALLIANCE」の2本が展示されていた。
戦艦を操作して戦う「BATTLESHIP 2 SEA COMBAT STRIKE FORCE」 | 「ALLIANCE」。実際の戦闘シーンはどうなるのか? | |
(c)2000 Hasbro Interactive, Inc. All Rights Reserved. (C)2000 Hasbro, Inc. All Rights Reserved. |
「BATTLESHIP 2」は、プレーヤーが戦艦を操作しながら敵艦や要塞を破壊し、ミッションを遂行するというもの。戦艦は、敵に対して真横を向いたときに最大の火力を発揮するため、見た目よりも操艦が難しい。敵の攻撃方法も多彩で、なかなか楽しめる作品だ。
「ALLIANCE」は何度か繰り返して説明を聞いたのだが、いまひとつ内容がよくわからない。未知の惑星(自然環境も地球とは異なる)で、グレイ型のエイリアンを相手に戦う小隊単位のタクティカルコンバットとの説明だが、実際の戦闘シーンがどうなるのかを確認することはできなかった。まだそこまで出来ていない。開発の初期段階ということなのだろう。戦いながら敵の技術や武器を奪い、こちらの装備をグレードアップしていくシステムはとてもおもしろそうなので、順調な開発を期待したい。
■独立系ソフトハウスにも注目の作品が
小さなブースがぎっしり並ぶKENTIA HALL |
韓国のソフトハウスHeksplexが展示していた「The BOSS」は、禁酒法時代のシカゴを舞台にした、マフィア同士の抗争シミュレーションだ。プレーヤーはシカゴの一角を仕切るマフィアの親玉として、自分の勢力範囲の拡大を目指す。密造酒の販売や武器の売買などイリーガルなビジネスで資金を稼ぎ、個性ある部下たちを使って敵を襲撃するという、なかなかクールな内容。経営シミュレーション+マフィアという組み合わせがいい。
オーストリアのJoWood Productionのブースでは、「シムシティ」系の育成型シミュレーションゲームを3本見つけた。20世紀の産業発展をテーマにした「INDUSTRIAL GIANT」。交通システムの整備で都市開発を行なう、「TRAFFIC GIANT」。「AOE」をそのままSFにしたような、帝国育成シミュレーション「Alien Nations II」。ちょっとパチものくさい気がしないでもないが、実際にデモ機に触れてみた印象は悪くはない。オーストリアにこんなゲームを作るソフトハウスがあったとは、正直、ちょっと驚きだ。
フライトシミュレーション系のソフトもあった。「Microsoft Flight Simulator」シリーズのアドオンや、パラグライダーソフトの開発などで知られるベルギーのWilco Publishingからは、「AIRPORT 2000 VOLUME2」と「737!」の2本。いずれも「Fly!」のアドオンで、旅客機のシミュレーターだ。Abacusのブースでは、Microsoftの「Combat Flight Simulator」用のアドオンが展示され、第二次世界大戦中に使われていたレシプロ戦闘機のパッケージが5箱並べてあった。
禁酒法時代のアメリカで戦うマフィアの抗争シミュレーション「The BOSS」 | Wilcoのブースでは「Fly!」用のアドオンが実演されていた | 「コンバットフライトシミュレータ」用のアドオンを揃えるAbacus |
■スタトレ系シミュレーションをチェック
最後に、筆者の好みでスタートレック系のソフトを何本か紹介しておきたい。
会場のエントランス正面にブースを構えるSimon&Schuser Interactiveでは、「Ster Trek:Deep Space Nine:The Fallen」、「Ster Trek:Deep Space Nine:Dominion Wars」、「Ster Trek:Starship Creator - Warp II」などを展示していた。スタトレシリーズ3作目、「ディープスペースナイン」に登場する戦闘艦やステーションを操作してバトルできるのがうれしい。いずれもTVドラマの雰囲気が実によく再現されていて、十分納得できる内容だった。ただし、難易度はかなり高め。
Activiosnのブースでは、スタトレシリーズ4作目「ヴォイジャー」をネタにした「Star Trek:Voyager Elite Force」が展示されていた。宇宙船ヴォイジャーに乗船するセキュリティチームの一員として、ボーグと戦うリアルタイムシューティング。3Dエンジンは「QUAKE III」のものを使っているという。こちらもかなりマニアックな内容だが、「ヴォイジャー」が好きな人なら、それなりに楽しめるのではないか。なお、開発はRaven Softwareが担当しているとのこと。
□E3のホームページ(英文)
http://www.e3expo.com/
(2000年5月16日)
[Reported by 駒沢丈治]