期日:5月11~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center
●ウィル・ライト氏が語る「The Sims」の世界
カメラに向かってひょうきんな表情を見せてくれた、ウィル・ライト氏 | 実際に操作しながら、「The Sims」についていろいろな話を教えてくれた |
今回発表した「The Sims Livin' Large」には、ライト氏が直接開発に参加し、100種類の新しいオブジェと100種類の壁紙(壁や床のデザインとなるもの)が追加されているという。「The Sims」の開発には丸5年を費やし、ここ3年間は30名前後のスタッフが人物やオブジェ、動作の作成に加わったらしい。ちなみに住民たちのユニークな仕草は、モーションキャプチャーではなくアニメとして書き起こされたもの。その間ライト氏自身は、人間の行動パターンの分析とアルゴリズム化に専念し、より人間らしい振る舞いや感情の再現に腐心したという話だった。
気になる今後の活動だが、とりあえず現在は「The Sims Livin' Large」の続編になる拡張キットと拡張ツールの製作を継続中。その後は「The Sims」の世界をそのままマルチプレイ化した作品(タイトルは未定)の開発を行なう予定とのこと。
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●ピーター・モリニュー氏の最新作「Black&White」
EA Gamesのブースでは、ピーター・モリニュー氏の最新作「Black&White」が、モリニュー氏自身によってデモンストレーションされていた。ディスプレイ周辺は黒山の人だかりで、集まった人たちの関心も高いようだ。「Black&White」というのは、ちょっと変わった作品で、既存のカテゴリーには組み込みにくい。強いていえばシミュレーションなのだが、いずれにしても新しいコンセプトの作品であることは確かだろう。
プレイヤーは“神”として、人口500人ほどの小さな世界の管理を任される。この世界の生活に介入し、自分=“神”への信者を増やし、信仰を高めるのが目的だ。そのために、困っている住民を助け、数々の奇跡を起こし、自分を信じない者たちの考えを改めさせなければならない。しかし、いつも住民を助ける優しい神であればよいかというと、それは違う。このゲームでは、ときには厳しく、ときには無視することも大切だ。神は自分を信じる者に寛大であると同時に、信じない者、否定する者にとっては恐ろしい存在であらねばならない。天使のアドバイスに従って助けを与えるか、それとも悪魔の囁きに従って罰を与えるかはプレイヤー自身が考えること……というわけ。
モリニュー氏の説明によれば、このゲームは最大32人が同時に参加し、同じ世界で住民の信仰を奪い合うマルチプレイを楽しむこともできるという。
なおBlack&WhiteはWindows版だけでなく、なんとPlayStation版も作られていることがわかった。たしかに、このゲームはキーボードに依存しない操作なので、解像度の問題さえクリアできれば、コンシューマへの移植も不可能ではないだろう。Midasintaeractiveのブースで手に入れたドキュメントによると、PlayStation版の発売予定は今年の12月15日とのこと。もっともこれはイギリスでの話で、日本でどうなるかは不明だ。
プレーヤーが神を演じる異色作「Black & White」 | ピーター・モリニュー氏自身が会場でデモンストレーション | PS版の登場以前に、まずPC版の日本語移植のほうが気になるところなのだが…… |
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●「DUNGEON SIEGE」は「ディアブロ」を超えたか!?
「DUNGEON SIEGE」と「FREELANCER」の説明は、予約した人たちのみを相手にブース内の個室で行なわれた | 視点を変えながら楽しめる、リアルタイムRPG「DUNGEON SIEGE」 |
「DUNGEON SIEGE」は、最大10人までが1パーティとしてシナリオに参加できるという、「ディアブロ」系のマルチプレイ型アクションRPG。もっとも特徴的なのは、プレイヤーの好みや戦況に合わせて、自由に視点を変えられるという点だ。ズームアウトしてクォータービューにすれば、まさに「ディアブロ」のような画面になるが、ぐっとキャラクターに近づけば3Dアクションのような視点にすることもできる。しかもその切り替えはシームレスで、無段階にできるところがすごい。パーティの数やダンジョンの構造によってベストな視点を選べるというのは、面白い発想だ。操作もシンプルでわかりやすい。たとえば広範囲に散らばって落ちているアイテムのインベントリーやゲットを、マウスの範囲指定で行なえる。
肝心のシナリオや世界観については何の説明も行なわれなかったが、これでストーリーやトラップが面白ければ、いいゲームになるかもしれない。
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●EIDOSの「COMMANDOS 2」で気分はコンバット
今年もEIDOSブースは、3Dアクション系の人気が全開だが、面白そうなシミュレーションゲームがひっそりと展示されているのを見つけた。
第二次世界大戦末期の北ヨーロッパで戦う「COMMANDOS 2」は、マップをクォータービューで見下ろすリアルタイムのストラテジーだ。プレイヤーはアメリカ軍特殊部隊を率いる小隊長として作戦を実行するという、懐かしの戦争ドラマ「コンバット」のような設定。アメリカ軍のウィリスジープやドイツ軍のパンサー中型戦車など、大戦当時に使われていた兵器が次々と登場し、もちろんこれらを利用して戦うこともできる。ちょっとコアな感じもするが、そのぶん奥は深いかも。
そして、たぶんどこかのソフトハウスが出すと思った、オリンピック系のスポーツシミュレーション「Sydney 2000」。一言でいえば「ハイパーオリンピック」の2000年版なのだが、グラフィックはすべてリアルな3D表示で描かれ、まるでTV中継を観ているかのような雰囲気がいい。プレイできるのは、陸上を中心に、自転車、跳び込み、カヤックなど計12競技。このソフトはPC版だけでなく、PlayStationやDreamcast、NINTENDO64、GAMEBOY COLORでも販売されるということなので、タイミングさえよければ売れそうだ。
軍曹人形がにらみつけるEIDOSのブース | 第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台に戦う「COMMANDOS 2」 | その名もズバリ「Sydney 2000」。走って投げて跳ぶシミュレーション |
COMMANDOS 2 DEVELOPD BY PYRO STUDIOS. (C) & PUBLISHED 1998 BY EIDOS INTERACTIVE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
●「AOE」ライクなSIERRAの新作「EMPIRE EARTH」
SIERRAのブースでも、おもしろそうなストラテジーが2本デモンストレーションされていた。
まず1つは、「EMPIRE EARTH」という作品だ。画面デザインも操作性も驚くほど「Age of Empire」に似ているので、オペレーターに尋ねたところ、このソフトは「AOE」を開発したゲームデザイナの1人Rick Goodman氏が独自の視点でデザインしなおしたものであるという。戦い、生産し、文明を育みながら次の時代へ進むという流れは「AOE」とまったくといっていいほど同じなのだが、進歩の度合いが早く、石器時代から遠未来のナノテク時代まで50万年以上もの時が流れるという凄まじさだ。ユニットの種類も豊富で、戦闘機や爆撃機、潜水艦、ロボット兵器などが次々と登場する。進歩が早いぶんゲームの流れにもスピード感があり、「AOE」ライクなゲームが好きな人なら、気に入るかもしれない。
もう1のタイトル「GROUND CONTROL」の方は、近未来の地上戦をイメージしたタクティカルコンバットシミュレーションだ。タイプとしては、EIDOSの「WARZONE 2100」に近い。歩兵や装甲車両のユニットを使って戦う局地戦のシミュレーションで、部隊編成の面白さや、至近距離で撃ち合う楽しさに重点を置いて作られているように見えた。
「AOE」とよく似たデザインの「EMPIRE EARTH」 | 未来の戦場でタクティカルコンバットを楽しむ「GROUND CONTROL」 |
Empire Earth is a trademark of Stainless Steel Studios, Inc.
Copyright (C) 1997-1999 MASSIVE ENTERTAINMENT AB. All Rights Reserved.
(2000年5月16日)
[Reported by 駒沢丈治]