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米Microsoft、反トラスト法訴訟の対抗是正案を提出

5月10日(現地時間)発表



 米Microsoftは10日(現地時間)、米司法省などとの反トラスト法訴訟において、同社による是正措置案をワシントン州連邦地裁のトーマス・ペンフィールド・ジャクソン判事に提出した。
 この提出案は、司法省が28日にワシントン州連邦地裁に提出したMicrosoftの分割を求める是正措置案に対抗するもので、同案の早急な棄却を要求している。

 Microsoftのビル・ゲイツ会長は「われわれは、この問題について、できるだけ早急かつ公平で合理的な解決のために努力を続けてきた。この訴訟において、政府が求める分割案の根拠となるものは一切ない。裁判所が(司法省による)行き過ぎた要求を早急に棄却し、この訴訟が進展することを望んでいる」と語っている。

 今回提出された是正措置案は、以下の通り

  • OEMへの柔軟な対応
    (a)OEMメーカーによる、Windowsデスクトップ上およびスタートメニューからインターネットエクスプローラーのアイコンの削除を許可する。
    (b)Windowsの最初の起動時に、OEMによる独自のインターネットサインアッププロセスを導入することを認める
    (c)(OEM先が独自に)Microsoft製品以外のソフトウェアのアイコンをデスクトップに表示することを認める
    (d)(OEM先が)他社製のブラウザをデフォルトブラウザに設定することを認める

  • 排他的な契約の禁止
    Windowsの提供を交換条件に、他社製のソフトの配布制限を行なう契約、Microsoft製品、サービスの促進を目的とした契約を履行しない。

  • APIへのアクセス許可
    Microsoftがソフト開発者コミュニティに提供している技術情報へ、独立系のソフトウェア開発者がアクセスすることを許可する。また、その際Microsoft以外のプラットホームをサポートしないという合意を条件とすることを禁じる。

  • 他プラットホーム向け製品のリリース
    競合他社製品の、開発、製造、販売の阻害を目的として、リリース可能な他プラットホームソフトウェアの販売開始を遅らせることを禁止する。

  • 前バージョンのOSの提供
    Windows 95/98のような、主要OSを発売する際は必ず、既存のロイヤリティー以下でコンピュータメーカーが以前のOSを利用できるようにする

     この提案は、提出の45日後に発効し、2004年7月1日まで有効となる。提案には政府に対し、同社の記録および文書へのアクセス、職員への聞き取り調査を行う権限、この提案の遵守を保証するための規定が含まれる。

    □米Microsoftのホームページ(英文)
    http://www.microsoft.com/
    □ニュースリリース
    http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/051100doj.htm
    http://www.microsoft.com/presspass/press/2000/May00/ResponsePR.asp(英文)
    □関連記事
    【4月29日】米司法省、Microsoft分割案をワシントン地裁に提出
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000429/msdoj.htm
    【4月10日】後藤弘茂のWeekly海外ニュース
    和解したくなかったMicrosoftと和解したかったゲイツ氏
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000410/kaigai01.htm
    【4月4日】米Microsoft、司法省との独占禁止法訴訟で敗訴
    /http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000404/ms.htm

    (2000年5月10日)

    [Reported by usuda@impress.co.jp]


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp