NEW PRODUCTS TESTREPORT

エプソンダイレクト EDiCube TP715MR CD-R/RWドライブと Pentium III 700MHzを搭載した バランスのよい低価格PC TEXT：橋本新義　Shingi Hashimoto

背面のコネクタ類はUSB、シリアル、パラレルなど、一般的なものが一通り揃っている

　各社から相次ぐ新製品の登場で、ディスプレイセットの低価格PCはすっかり市民権を得た感がある。ここ最近では、価格と同時に機能も充実させた10万～15万円のモデルの需要が急速に伸び始めており、その中でもCD-R/RWドライブを搭載した製品にはとくに注目が集まっている。今回紹介するエプソンダイレクトの「EDiCube TP715MR」（以下、TP715MR）は、こうした激戦区に投入される新製品だ。本機は4月17日にモデルチェンジが行なわれた同社の低価格PC、EDiCubeシリーズの上位機種に位置付けられ、その価格は139,800円と廉価ながらも高い性能を備えている点が最大の魅力だ。

　まず、本機はCD-R/RWドライブに、プレクスターのATAPI接続モデル「PX-W8432Ti」を搭載している。これはCD-R書き込み8倍速、CD-RW書き換え4倍速と高速なだけでなく、動作音や安定性といった使い勝手においても抜群の完成度を持つベストセラー製品だ。市場では高性能かつ高価なイメージがあるプレクスター製のドライブを装備したことは、本体価格を考慮すると贅沢な仕様と言えよう。

ケースはメンテナンス性の高さが好評だった従来機と同じもの

　そしてCPUは、Pentium III 700MHz（FC-PGA版）が採用されている。従来はハイエンドモデル用のCPUといった印象のあった製品だが、4月23日に行なわれた価格改定によりこのクラスの製品にも搭載できるようになったようだ。昨年の秋頃は 高級機のみに搭載されていたCPUだったことを考えると、これも非常に贅沢な仕様と言えるだろう。さらにメインメモリについても、このクラスとしては大容量の128MBを搭載している。DIMMスロットは2本だけだが、空きスロットが１本残されているのでこれを利用して増設することも可能となっている。

　マザーボードは、エプソンダイレクトのマシンではおなじみとなった、ASUSTeKの「MEW-AML」だ。ビデオ機能はこのボードに搭載されたi810に内蔵となる。ディスプレイキャッシュは搭載されていないため、3Dゲームでの描画速度は正直なところ決して高速ではない。しかし、サウンドに関してはi810のソフトウェアサウンド機能を使用せず、Crystal SemiconductorのCS4280を搭載しており、単体カードに見劣りしない音質を実現している。また、4本のPCIスロットを備え、高い拡張性を持ち合わせている。

CD-R/RWドライブは定評のあるプレクスター製。メディアとの相性問題の少ない安定した書き込みが魅力

　HDDには15GBの容量を持つSamsung Electronicsの「SV1533D」が搭載されていた。5,400rpm、1プラッタ10.2GB仕様の最新モデルである。同社のHDDはリテール市場でこそあまり見かけないが、標準的な性能を持ち、OEM市場では多くの採用例がある。また、通常時のモーター回転音、シーク音の静粛性も平均以上の水準と感じた。ただしスピンアップ時のモーター音は少々目立つようだ。ディスプレイは、従来機と同様の17インチCRT「WB770」で、セット用の製品としての表示品質は高いレベルにある。

　対してソフトウェア構成は、エプソンダイレクト製品らしく、非常にシンプルである。ほかのメーカー製マシンに搭載されているユーティリティ類などはほとんど存在せず、目立つのはBHAのCDライティングソフト「B's Recorder GOLD Ver.1.66」と、ネットワークアソシエイツのウィルススキャンソフト「Virus Scan for Windows」といったところだ。

付属のB’s Recorder GOLD。多彩なCDフォーマットに対応した定番ライティングソフトだ

　総じて本機は、贅沢な仕様でありながらコストパフォーマンスの非常に高いPCとして、特筆もののバランスを実現した製品と言える。とくにPentium III 700MHzの処理能力とCD-Rの8倍速書き込みの安定度の高さは、1年前のハイエンド機を上回るものだ。従来モデルに続き、今回も大ヒットとなることは間違いないだろう。