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NEW PRODUCTS TESTREPORT


日本エリートグループ
DIVA 500

ユニークなデザインと
扱いやすさが魅力の新コンセプトPC

TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima





マザーボードはFlexATX仕様の汎用品だが、斜めに装着されているのが印象的だ。電源は台座部に位置する バックパネルのコネクタ類はUSBやシリアルといった一般的なもの
 マザーボードやベアボーンキットの製造、販売で知られるECS(ELITEGROUP Computer Systems)の日本法人、日本エリートグループが、この春ユニークなコンセプトのPC「DIVA(ディーヴァ:オペラの歌姫の意)」を発売した。その設計は従来のPCが持つ「難しさ」を感じさせないことに主眼が置かれており、随所に独自のアプローチが光っている。今回はこのDIVAのラインナップの中から、英語版Windows 98 Second Editionがバンドルされたワールドワイドモデル、「DIVA 500」のレポートをお届けしよう。

 このDIVAを目にして誰もが注目するのは、曲線を多用した奇抜な筐体デザインだろう。配色も特徴的で、メタリックシルバーを基調色として、台座部にスケルトンブルーのカバーと各種ランプを組み合わせることで、鮮やかなコントラストが作り出されている。このカバーは開閉式になっており、内側には二つのUSB端子とLINE OUT、MIC IN端子が搭載されている。ゲームパッドやデジタルカメラ、MP3プレイヤー、ヘッドホンなどの機器は頻繁に抜き差しするため、アクセスしやすい本体前面部にコネクタが存在することは実に都合がよい。ただし、このUSBポートは前面、背面合わせて2ポートだけが使用できる排他仕様になっているため注意が必要だ。


本体に付属するキーボード、マウス、スピーカーにも同じカラーリングが施してある
開閉式カバーの内側にはUSBとLINE OUT、マイクの端子が存在する
 基本的なスペックは、CPUにCeleron 500MHz、メインメモリに64MBのSDRAM、容量8.4GBのUltra ATA/66対応HDDというエントリーレベルのPCでは一般的なもの。マザーボードはECS製の「P6IWP-Fe」で、このボードにビデオ機能内蔵型チップセットのIntel 810Eが実装されている。サウンドチップにはC-MediaのCMI8738が採用されており、ドライバの設定を変更することで、本体背面のLINE OUTをフロントスピーカー用の2チャンネル、先に挙げた本体前面のLINE OUTをリアスピーカー用の2チャンネルとして割り振ることができ、合計4チャンネルの出力が可能だ。また、DAVICOMの9102Fも実装されているため、10BASE-T/100BASE-TXのネットワークにも対応している。

 また、P6IWP-FeはFlexATXフォームファクターに対応した汎用モデルで、2本のPCIスロットと1本のAMRスロットを備えているが、スリムな筐体デザインの本機ではこれらに増設カードを取り付けることはできない。これには汎用品を使用することでコストを削減することのほかに、ユーザーが内部増設を行なう手段をなくすことで、リソースの競合問題や接続不良などのトラブルを回避するというメリットがある。さらに、本機にはFDDも搭載されていない。近年はFD程度のファイルサイズであれば、メールに添付するなどの方法で他人とやり取りできるため、FDDを利用するのはOSのインストール時に必要な起動ディスクを使用する際のみ、というユーザーも多い。しかしながらWindows 2000やLinux、本機に付属するOEM版のWindows 98SEなどの最新OSはCD-ROMからのブートに対応しており、これらの環境ではFDDが必須のデバイスとは言えなくなっている。その結果、コストやデザインを優先してFDDレスという選択肢を選んだわけだ。


 本機の標準価格は100,000円と手の届きやすい値付けになっているが、性能面を見てもこの価格帯としては十分なレベルであり、使用していて不満を覚える場面も少ないだろう。もちろん、i810Eを使った標準的な構成のため、周辺機器、アプリケーションとの互換性問題も発生しにくい。ラインナップには日本語版Windows 98SEと、56kbps対応モデムを搭載した日本仕様モデル「DIVA 2000」も同等価格で今後発売される予定となっているので、好みに応じてこちらを選ぶのもよい。人とは違ったPCが欲しい方や、先進のコンセプトを味わってみたい方は注目してほしいマシンだ。


  • 製品名:DIVA 500
  • 標準価格:100,000円
  • メーカー:日本エリートグループ株式会社
  • 問い合わせ先:devin@ecsjpn.co.jp
  • URL:http://www.ecsjpn.co.jp/
  • CPU:Celeron 500MHz
  • チップセット:Intel 810E
  • メモリ(最大):64MB(256MB)
  • HDD:8.4GB
  • CD-ROMドライブ:読み出し最大24倍速
  • ビデオチップ:Intel 810E内蔵
  • ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共有(最大10MB)
  • 最大解像度:1,280×1,024ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:C-Media CMI8738
  • キーボード:101キー(PS/2接続)
  • インターフェース:USB×4(同時使用は2ポートまで)、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×2、マイク×2、GAME/MIDI×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
  • 本体サイズ(W×D×H):180×380×450mm
  • 重量:非公開

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)


    「DIVA500」はインプレスダイレクトにて、初回20台、国内先行発売!!
    (今回販売モデルのOSは英語版Windows 98 Second Edition。また、紹介記事の仕様と若干異なります。)



    □日本エリートグループのホームページ
    http://www.ecsjpn.co.jp/



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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp